繊維ロープ(ホーサー)の諸課題
小 浜 製 綱 株 式 会 社
大回り(l量産) も 小回り (少量生産)もできますロープメーカー
(CEコンパウンドロープ、ホーサーをとおして)
(
月刊 共有船誌に提示 同誌 No,360号 掲載)
各ページ案内 ページリンク
ト ッ プN
ページ案内N
会社案内N
当社創生3ロープN
製品案内N
繊維ロープ諸課題
N
他ホームページリンク
小浜製綱潟<Cンホームページ
1.ロープの歴史について。
ロープ、綱と言うものの歴史を紐解いてみますと、遥か大昔、まだ文字も確立する以前からの歴史があります。日
本では、縄文時代のロープも見つかっております。一方、綱を大量に使う用途として、船舶用があります。四方を海
に囲まれた国土でもあり、古くから船はなくてはならないもの、様々な目的の手段の一つとして、かけがえの無いも
として、大切にされていた物と想像されます。そして、綱の発達も、この船を除いては考えられません。
ロープの歴史を見てきますと、それはそのまま繊維の歴史と一致します。古くはイチビ、棕櫚、大麻と言った植物
繊維の利用であり、海外との貿易が行なわれるに従い、マニラ麻やサイザル麻に取って代わりました。
合成繊維がロープの原料として使われるようになったのは、この歴史から見れば、ほんの最近のことではありま
す。昭和20年代にナイロンが開発され、船舶用として利用され始めたのが、合成繊維ロープの始まりとなります。
その後、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、等各種合成繊維の開発が行なわれ、ロープの素材
として利用されるようになりました。
2.ロープの抱える問題点。
この様な合成繊維の発達に伴い進化してきたロープですが、根本的な部分で、大きな問題点も持つようになって
おりました。これは、素材にあまりにも限定されすぎる点であります。特に船舶用途においては、JIS、NK等の規格
が存在し、何れも単一素材の規格のため、素材の進歩に委ねられ、用途に合わせたロープ本来の設計がなおざり
にされがちになった事です。一方水産用途などの規格に縛られない分野のロープについては、各種繊維の特徴を活
かし、様々な繊維を組み合わせることで、用途に合ったロープの設計、開発がおこなわれました。証明書こそ付きま
せんが、水産用ロープの耐久性能は船舶用ロープと比べ遥かに進んでしまいました。
3.新世代ロープの開発。
CEコンパウンドロープは、96年にNKに複合素材のロープの製造法承認を頂き、かなり自由度と選択肢の広い中
で、素材にこだわらず、ニーズに最もあったホーサーは何かから問い直し、ホーサーの開発、設計を行なってきまし
た。その最初の商品が今回ご紹介するCEコンパウンドロープです。既に水産用ロープとしての使用実績とデータが
あり、その安全性と耐久性能には自信を持って送り出せた商品のひとつです。
4.CEコンパウンドのコマーシャル
ホーサーの市場調査を進めるなかで、最も痛みの原因になっている要素は何かと言う問題がありました。摩耗と繰り
返し疲労による劣化がこれです。ホーサーを選択する中で、ついついメーカーのカタログに記載されている強度で判
断しがちです。しかし、この強度がいつまでも維持できるならホーサーの切断はほとんど起こりません。様々の要素
によりホーサーが劣化し当初の強度を維持できないため切断事故が起こる訳です。CEコンパウンドは最高の強度を
誇る商品ではありません。しかし、現有する素材のなかで、ホーサーとして使用する上最も耐久性に優れた素材の
組合せと構造を持ったロープの一つと言えます。
5.今後のホーサーの進化について
革命的大発明をしたわけではありませんが、こういう複合素材によるホーサーが使われることにより、さらに進化の
可能性の広がりを持つ事ができるのではないかと弊社は考えます。また、さらに新しい開発、取り組みを行なってお
ります。ユーザーのニーズに合った製品開発を行なうように心がけています。
各ご使用先にも提言 ご使用していただきました結果、下記の諸点につき
まして評価をいただき、それらの諸点を社内でも再確認しています。
1.浮揚性について。
ロープ比重そのものは1.02と単一素材のPPと比べれば大きくなります。しかし、繊維間隙に気泡を持ち、通常の
使用条件の元では、浮揚性を有します。実重量以上に軽く操作性に優れています。
2.繰り返し疲労特性
CEコンパウンドはポリエステルとポリプロピレンの2種類の繊維を最も合理的に複合し、ナイロンクロスロープと比
べ、繰り返し疲労に対する耐性が優れています。
(優位度の数値につきましては、使用条件により相違がありますため省略いたします)
3.取り扱いの容易さ
浮揚性の欄でも述べましたが、含水率が低く、また、使用後の硬化等がないため、取り扱いが容易なロープと言
えます。また、低温時の氷結に対しても凍ることによる硬化が少ない利点もあります。
4.耐摩耗性について
耐摩耗性能についても、非常に高いレベルを有しており、ナイロン、PPよりも優れています。
(この項につきましても、優位度の数値につきましては、使用条件により相違がありますため省略いたします)
5.補修が容易である点について
CEコンパウンドはクロスロープ構造のため、アイ加工が難しくなく、部分的な摩耗の発生に対しても、補修するこ
とが可能となっています。
6.スナップバックの発生について
切断時のホーサーの跳ね返り(スナップバック)について、ロープ伸度と大きく拘わります。跳ね返りエネルギー
は伸び率の二乗に比例して大きくなりますが、CEコンパウンドはショックを吸収できる最小の伸び率に抑えた設計と
なっており、最もスナップバックの少ないホーサーの一つと言えます。
ト ッ プN
ページ案内N
会社案内N
当社創生3ロープN
製品案内N
繊維ロープ諸課題
N