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星の国のアリス/田中啓文

2001年発表 祥伝社文庫 た25-1(祥伝社)

 アンドロイドのビーグルが犯人だったという真相は、十分に意外なものでよくできていると思います。ただ、かつて血液採取専門のアンドロイドだったビーグルが狂ってしまった、というだけでは説明のつかない現象が気になります。例えば、“ビーグルの姿は、姿見には映っていなかった(137頁)という点など、明らかにビーグルに吸血鬼が乗り移ったことを示唆しています。つまり、最終的にはこの作品はホラーに落ちついているということでしょう。ホラー的な破滅を予感させるラストは印象に残ります。

2001.12.11読了

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