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こわされた少年/D.M.ディヴァインHis Own Appointed Day/D.M.Devine |
1965年発表 野中千恵子訳 現代教養文庫3049(社会思想社) |
事件の真相は意外ですが、それがアイリーンの心理状態によって隠されていること、そしてまた隠されているという事実そのものが解明のきっかけとなっていること、この2点がややあざとく感じられてしまう面もあります。 それにしても、弟が亡くなり、母親は神経を病み、父親は殺人犯として逮捕され、婚約者とも別れてしまったアイリーンの境遇には、まったく言葉もありません。さらに、最後に残るべきニコルソン警部に対して、アイリーン自ら身を引いてしまう結末は、その理由も含めてかなり釈然としないものがあります。いつまでも待ち続けるというニコルソン警部の言葉がせめてもの救いといえるのかもしれませんが……。 2004.10.03読了 |
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