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愛は血を流して横たわる/E.クリスピンLove Lies Bleeding/E.Crispin | 
| 1948年発表 滝口達也訳 世界探偵小説全集5(国書刊行会) | 
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 この作品で最もユニークなのは、やはり被害者の一人であるサマーズ自身によるアリバイ工作でしょう。サマーズが殺されてしまっていることで、この真相が盲点になっているところが実に巧妙です。最終的な状況にとらわれず、“被害者→殺人者”という変換に成功すれば真相を見破ることはさほど困難ではないかもしれませんが、実際には先入観が邪魔をしてしまい、サマーズに疑惑を向けるのは難しいのではないでしょうか。 
 アリバイ工作の手段がわかれば化学実験室の盗難事件ともうまくつながってくるのですが、手がかりが電熱器だけではなかなか難しいでしょう。  | 
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