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兄の殺人者/D.M.ディヴァインMy Brother's Killer/D.M.Devine |
1961年発表 野中千恵子訳 現代教養文庫3041(社会思想社) |
ディクタフォンを使った死亡時刻誤認トリックは、1961年に発表されたにしてはやや古いように思えるのですが……録音を使ったトリックは確か先例があるはずですし。ただ、その先例(と思われる作品)を未読なので、何ともいいがたいところではあります。 ところで、そのディクタフォンのトリックを仕掛けることができる人物は、かなり限られています。少なくとも、ファーガスンのアリバイが成立した時点で、ジョイスが最有力の容疑者となるのは間違いないでしょう。しかし、ジョイスと恐喝との関わりがうまく隠され、最後まで謎が残るところはよくできています。 ジョイスがクレア・メリマンだという最後の真相は、かなり唐突に思える部分もあるのですが、ファーガスンの不可解な態度などの伏線もありますし、ジョイスが恐喝者であることがすっきりと説明できるところが鮮やかです。 2003.08.21読了 |
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