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ブッポウソウは忘れない/鳥飼否宇 | |||||||||||||||||||||
2016年発表 (ポプラ社) | |||||||||||||||||||||
*1: 寡作な国内作家((作家名)中西智明(ここまで))の長編((作品名)『消失!』(ここまで))。
*2: みやこの聞き間違いもトリックに一役買っていますが、 “もう一方のジロウは”(9頁)を “もう一方はじろっと”(69頁)というのはいいとしても、 “黒猫のイチロウは”を “黒猫は一路”と受け取るのはさすがに苦しいのではないかと思われます。 *3: 古賀さんが “ミステリー・ファン”(35頁)であることから、“ポー”が黒猫の名前だと見当がつく方は多いでしょうし、“前肢だけが白い黒猫”をあえて “ぶち猫”(36頁)と表現していることから、その名前が“ブランド”であることまで予想することも可能かもしれません。 *4: “ミーコ”が珍しいオスの三毛猫だったという仕掛けは単なる雑学ネタではなく、知識のある読者に対して、みやこの“イチ”(→ “オスだからイチロウでもいいけど”(42頁))や古賀さんの“ジロウ”が“ミーコ”と同じ猫であることを隠蔽するのに貢献しています。 *5: これが “オスに嫌われる?”という直接的な表現であれば、みやこが自分に対する侮辱だと受け取ることもなかった……のではないでしょうか。 *6: むしろ、(視覚の邪魔にならない限りは)聴覚障害者の方が便利に使えそうな気もします。 *7: 「コブラの登場人物#ソード人 - Wikipedia」のバベル王の項目を参照。 *8: ダイイングメッセージものなどでは常道かもしれませんが。 *9: 求菩提のご隠居を犯人とするには、監視カメラの映像による“密室状況”がネックとなりますが、実験室のヨウムが花子にすり替わっていた以上、花子を連れてきた人物が存在することは明らかなので、フーダニットに関してはさしたる障害とはならないのではないでしょうか。 ちなみに、 “〈大川商会〉の前の会社が、名刺や印鑑などを商って”(257頁)いたことや“若社長”といった手がかりから、ご隠居と大川社長の関係に気がついた場合、大川社長がご隠居の代理で花子を連れてきた――ご隠居は来なかった――可能性が浮上してくる結果、かえって真相が見えにくくなるように思います。 *10: 春香が“剃髪”した表向きの理由を用意するために、赤ちゃんが死ななければならなかった、と考えてみると、いささか後味が悪いところもないではないですが……。 2016.08.03読了 | |||||||||||||||||||||
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