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シシリーは消えた/A.バークリーCicely Disappears/A.Berkeley |
1927年発表 森 英俊訳(原書房) |
シシリーの消失(誘拐)が中心であるかのように思わせて、その奥に真の犯行計画が隠されているという構図が面白いと思います。つまり、シシリーの誘拐は目的を達成するための手段にすぎなかったのですが、その目的が途中で変わっているところが、より一層面白味を増しています。そして、(コリンズによる)第二の目的が直接的でわかりやすいために、第一の目的である降霊会の意味が逆に見えにくくなっている面があるのではないでしょうか。 脅迫状の内容が変化したタイミングから、マーティンが黒幕であることを見抜くことはそれほど難しくないように思います。一方、マーティンとミリセントが結婚していたことまでは読めないにしても、隠し部屋の件でミリセントがマーティンをかばっていたことから、二人の間に共犯関係(のようなもの)があることは予想できるかもしれません。しかし、降霊会の意味がわからなければ、それらをつなげるのは困難なことではないでしょうか。 2005.07.19読了 |
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