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名探偵群像/T.マシスン
The Great "Detectives"/T.Mathieson |
1960年発表 吉田誠一訳 創元推理文庫162-1(東京創元社) |
一部の作品のみ。
- 「名探偵アレクサンダー大王」
- 毒薬が皮膚からも作用するということが明らかにされていないので、真相を見抜くことは無理かもしれません。しかし、浴槽の湯が大王の口に入ったことははっきり書かれているので、酒に毒が入っていなかったとすればそれしかあり得ないのは確かです。
- 「名探偵ウマル・ハイヤーム」
- 「ルバイヤート」そのものが手がかりになっているのが秀逸。また、ウマルがどうしてわざわざ麻薬を試すのかがわからなかったのですが、その真意には唸らされます。
- 「名探偵レオナルド・ダ・ヴィンチ」
- レオナルド・ダ・ヴィンチの画才と深く関わる手がかりが非常に秀逸です。また、国王のアンジェルヴィル伯への質問という手がかりも面白いと思います。
- 「名探偵エルナンド・コルテス」
- 実行犯は一人とはいえ、容疑者たちの共謀、しかも“早業殺人”という真相は今ひとつ。加えて、コルテスによる解決では、モンテスマの演説が
“ふいに途切れて、しんとなった” (103頁)理由がまったく説明されていません。
- 「名探偵ドン・ミゲール・デ・セルバンテス」
- 『ドン・キホーテ』の朗読が真相につながるという、セルバンテスならではの解決が見事です。
- 「名探偵ダニエル・デフォー」
- あごひげという手がかりから展開されるロジックによって、事件の構図がまったく違ったものになっているところが非常に面白いと思います。
- 「名探偵フローレンス・ナイチンゲール」
- “偶像破壊者”が残したと思われた壁のしるしが、最後にまったく逆の意味を持ってくるとことが鮮やかです。
2005.02.21読了 |
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