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大聖堂は大騒ぎ/E.クリスピンHoly Disorders/E.Crispin |
1945年発表 滝口達也訳 世界探偵小説全集39(国書刊行会) |
作者は犯人を隠すために、ジェフリイのロマンスまでもミスディレクションとして(おそらく)使っているのですが、四つ葉のクローバーで見当がついてしまいました。最後のオチ(決め手?)として言及されているとはいえ、フェン教授は別のロジックで犯人に到達していますし、不要だったのではないか、と思ってしまうのですが……。 パイプオルガンを使ったトリックはまさに驚天動地。伏線にやや難はありますが、決して実現不可能ではないでしょう。しかし、墓碑の崩落がアリバイ工作(バトラーはもっと前に死んでいる)であろうことは予想できたのですが、結局は崩落させるために大聖堂(のオルガン・ロフト)にいなければならないのですから、その効果には今ひとつ疑問が残ります。もちろんオルガン・ロフトは、崩落が起きた大聖堂内部とは隔離されているのですが、いずれにせよ、万一(ピース氏のように)現場付近で目撃されてしまっては元も子もありません。作中では不測の事態によるとっさの計画と説明されていますが、もう一工夫ほしかったところです。
犯人指摘のロジックの中核となる、 |
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