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私のすべては一人の男/ボアロー/ナルスジャック

...Et mon tout est un homme/P.Boileau & T.Narcejac

1965年発表 中村真一郎訳 ハヤカワ・ノヴェルズ(早川書房)

 頭部の移植さえも可能となる画期的な技術が開発されたという設定がされているため、最後の真相には説得力があります。特殊な設定が生かされた見事な解決だといえるでしょう。

 しかし、実際の手順は大変です。スムーズな手順を考えてみると、以下のようになります。

  • ジュモージュの死
      → 胸から上を切り離し、腹から下をニリス(ミィルティル)に移植
  • ギャラール夫人の死
      → 左脚をニリス(ミィルティル)に移植
  • ゴーブレイの死
      → 左腕をニリス(ミィルティル)に移植
  • エランブルとムスロンの死 → 
    1. エランブルの右脚をニリス(ミィルティル)に移植
    2. ムスロンの首と腹から下、さらに左腕を切り離す
    3. ニリス(ミィルティル)の左腕をムスロンの胸に移植
    4. ニリス(ミィルティル)の胸を切り離し、ムスロンの胸を移植
  • 司祭の死 → 右腕をニリス(ミィルティル)に移植

 やはり、エランブルとムスロンのところがかなり大変です。最初に死んだのがムスロンであれば、手順がかなり楽になったと思いますが。


 ところで、最後にマレック教授がノーベル賞を受賞していますが、“ノーベル生物学賞”というのは存在しないのではないかと思います。どう考えてもノーベル医学賞が適切でしょう。

2000.08.22読了

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