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私が見たと蝿は言う/E.フェラーズI, Said the Fly/E.Ferrars |
1945年発表 長野きよみ訳 ハヤカワ文庫HM290-1(早川書房) |
殺人犯に直接つながる手がかりはほとんどなく、早い段階から“誰がピストルを隠したのか?”が焦点となっているのですが、ピストルを隠した(所持していた)人物=犯人という固定観念によって、真相が見えにくくなっています。そしてこれには、ピストルを隠す機会の面からケイに容疑がかかっていることも一役買っているのではないでしょうか。つまり、一度はケイに向けられた容疑が、パメラにガス工事を勧めた人物という理由で晴らされることで、ケイが犯人ではあり得ないという結果だけがクローズアップされ、その行為の裏にあった目的が巧妙に隠されていると思います。 コリー警部補が思わせぶりに描いた蝿の絵にも惑わされましたが、題名に大胆なヒントが示されているのが見事です。 2004.12.02読了 |
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