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国会議事堂の死体/S.ハイランド

Who Goes Hang?/S.Hyland

1958年発表 小林 晋訳 世界探偵小説全集35(国書刊行会)

 調査委員会の調査の結果、死体は1859年のものだと思われていたわけですが、実はもっと後年のものだったというどんでん返しが強烈です。そして、その証拠(1860年発行の銅貨)の持ち出し方が、これ以上ないほど効果的です。もちろん、パラジクロロベンゼンなどの別の証拠も有効ですが、鮮やかさという点では銅貨が一番でしょう。
 ところで、いくらポケットの縫い目とはいえ、10年以上も経てばパラジクロロベンゼンは揮発してしまうのではないかと思うのですが……。

 火災監視人名簿が盗み出されたことで、決め手を欠くかとも思われた犯人探しですが、ブライの持ち出した朝食名簿という切り札は鮮やかです。しかし最後は、アドリブの作り話で全員を説得したフォレストの方が一枚上手でした。

2002.05.02読了

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