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わたしの隣の王国/七河迦南 |
2016年発表 (新潮社) |
*1: かなり形が違いますが、(作家名)西澤保彦(ここまで)の長編(作品名)『七回死んだ男』(ここまで)などは、“現実オチ”といっていいように思います。
*2: このあたりを考えると、本書はテーマパークという舞台よりもトリックが先にあり、トリックが最も効果を上げる舞台としてテーマパークが選ばれたのではないかと思われます。 *3: 「主な登場人物」で “嘘とアンフェアが大嫌い”(4頁)とされている杏那の設定は、“未捨理談義”の中で伏線(アンフェアネタ)を自然に持ち出すためのものだと考えられます。 *4: その中でも、被害者のダイイングメッセージである“3278”が“坂麻耶”を示しているという杏那の推理が面白いところですが、例として挙げられている“6904”が “「はらわた」とだけ書いたメール”(39頁)と、さらに“1971”が “――それは一九七一年に遡り――あらまあ”(26頁)と、序盤に伏線として配置されているのが周到です。 *5: すぐに明らかにされるのでネタバレにはならないと思いますが、(一応伏せ字)『死者の輪舞』(ここまで)です。 *6: (作家名)カーター・ディクスン(ここまで)の長編(作品名)『五つの箱の死』(ここまで)。さる筋からの情報では、(以下伏せ字)“夢の世界”の事件現場の形(図4;57頁)(ここまで)がこの作品を暗示している、とのことです。 *7: そのままでも“Margana(マルガーナ広場)と解釈できる上に、犯人の“フレディ”がそのようにミスリードしているのがいやらしいところです(苦笑)。 *8: (2016.12.25追記)さらに、「優1」冒頭に置かれた記事のインタビュアー “津塚英里{つづかえり}”(39頁)が、“つづりかえ”のアナグラムとなっています。 *9: この表記はさすがに苦しいように思いますが……。 *10: (2016.12.25追記)“3278”については、椎野がかけた内線番号以外にも、「杏那4」の宇宙港で登場しています。すなわち、 “本日3277人目の乗船者”(232頁)の次に乗船した杏那は、当然“3278人目”ということに。 *11: (2016.12.25追記)読み返した際に気づいてニヤリとさせられましたが、「杏那2」にも “もっと漢字をひらいてひらがなにした方が”(123頁)とヒントが。 2016.09.29読了 |
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