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笑う怪獣/西澤保彦

2003年発表 (新潮社)

 一部の作品のみ。

「怪獣は密室に踊る」
 犯人たちの計画がかなり大がかりで複雑な割に、肝心なところで杜撰なのが気になりますが、このシリーズならばまあ許容できる範囲でしょうか。それよりも、怪獣の出現とトリックとが強く結びついており、それによって全体がうまくまとまっているところがよくできています。
 それにしても、怪獣が出現してマンションを破壊したことで、犯人たちの詰めの甘さが帳消しになった上に証拠も完全に隠滅でき、手を汚さずに目的を達成できた……はずが、京介の悪運のせいで皮肉な結果になってしまったのが何ともいえないところです。

「女子高生幽霊綺譚」
 “今日晴れてさえいれば”“せめて雨さえ降っていなければ”が、それぞれ別の理由から発された言葉であるところが、非常に面白いと思います。
 一つ残念なのはやはり、“勢山広海が謎の自殺”という新聞記事(225頁) が話に絡んでくることが見え見えなところです。ただでさえ唐突で浮いている上に、「通りすがりの改造人間」とまったく同じパターンなのですから。

2005.01.13読了

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