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狐罠/北森 鴻 |
1997年発表 (講談社) |
陶子と潮見老人が仕組んだ“目利き殺し”もよくできているのですが、細野慎一=鄭富健が仕掛けた罠はさらにすごいものです。稀代の贋作師・潮見老人の存在をあぶり出すという目的で、しかも“プロフェッサーD”までも巻き込むために、陶子を“目利き殺し”に嵌めて逆襲をそそのかすという巧妙な罠。自ら仕掛けたつもりで、実は完全に掌の上で踊らされていた陶子の衝撃ははかり知れません。そしてまた、細野の復讐劇の発端が、手違いによって生じた誤解だったというのが、その衝撃を一層大きなものにしています。 本格ミステリとしては、田倉俊子殺しにおけるハイヒールのロジックが非常に秀逸です。 2004.04.30再読了 |
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