ネタバレ感想 : 未読の方はお戻り下さい
黄金の羊毛亭 > 掲載順リスト作家別索引 > ミステリ&SF感想vol.89 > 魔法飛行

魔法飛行/加納朋子

1927年発表 創元推理文庫426-02(東京創元社)
「秋、りん・りん・りん」
 “茜さん”がいくつも名前を持っているのではなく、(出席票に書くべき)名前を持たなかった、という構図の反転が鮮やかです。また、解説でも言及されているシャープペンシルの伏線が秀逸です。

「クロス・ロード」
 これは何となく見当がつかないこともない、といったところでしょうか。前日の時点では、駒子が金網の内側に入っていない(絵が描かれた壁の表面を確認していない)のがポイントでしょう。

「魔法飛行」
 風船を使ったトリックはよくできていますが、それ以上に、ラストの野枝の行動(の意味)が強く印象に残ります。

「ハロー、エンデバー」
 これ以前の3篇に、手紙の主が駒子の物語を知り得たことを示す伏線が巧妙に隠されているところが見事です。

2004.08.17再読了

黄金の羊毛亭 > 掲載順リスト作家別索引 > ミステリ&SF感想vol.89 > 魔法飛行