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パーフェクト・マッチ/J.マゴーン

A Perfect Match/J.McGown

1983年発表 高橋なお子訳 創元推理文庫112-02(東京創元社)

 犯人の使ったトリックは、替え玉によるアリバイの確保という使い古されたものですが、クリスをはじめ騙されている人間の視点による叙述が多用されているのがポイントでしょう。読者も彼らの錯覚に引きずられることで、当の人物がジュリアだということが厳然たる事実であるかのように思い込まされてしまうのです。

 クリスらがジュリアの死体(もしくはマリア)を見れば別人と気づく可能性があるなど、犯人たちの計画自体は結構杜撰なものだと思いますし、また動機を考えれば最も疑わしいのはドナルドでしょう。しかし、クリスの逃亡が警察の捜査方針にも大きな影響を与え、真相が一層見えにくくなっています。ジュリアが死んだという事実を知らなければクリスは逃亡する必要がないのですが、うまくそのきっかけを作っている冒頭の展開も巧妙だと思います。

2005.03.16読了

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