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飛奴/泡坂妻夫

2002年発表 (徳間書店)

 一部の作品のみ。

「飛奴」
 “物干の上空に数多くの鳩が輪を描いている”(本文76頁)というさりげない伏線が実に見事です。

「金魚狂言」
 「砂子四千両」『びいどろの筆』収録)にも登場した猫の“まる”が亡くなってしまったのはさびしく感じられます。

「仙台花押」
 船が無人のまま漂っていた理由は、直前に同じような出来事があったので明白だと思います。それよりも、花火のせいで船を進めることができなくなったため、死体を運ぶのを中断せざるを得なかったという真相が鮮やかです。

「向い天狗」
 同じ作者のある作品(以下伏せ字)「DL2号機事件」(『亜愛一郎の狼狽』収録)(ここまで)を思い起こさせますが、春の心境は実害を避けるというよりもその恐怖を味わいたくないがためのもので、逆により切実に感じられます。

「夢裡庵の逃走」
 砲弾受け止めの術は奇術からの応用でしょうか。
 それにしても、夢裡庵先生もなかなか隅に置けません。お幸せに。

2002.10.17読了

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