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準急ながら/鮎川哲也 |
1966年発表 光文社文庫 あ2-34(光文社) |
この作品では、容疑者のアリバイを少しずつ崩していく過程が圧巻ですが、特に鬼貫警部にとっての最初の手がかりとなっている、“なぜ遠い方の写真屋に現像を頼んだのか?”という謎がユニークだと思います。これをきっかけにもう1本のフィルムの存在が明らかになり、そこに写っていた駅弁の空箱からトリックが見破られてしまうという展開は見事です。 近い方の店で現像したフィルムを提出することができれば、鬼貫警部も手がかりをつかむことができず、捜査はもっと難航したでしょうから、犯人にとってはかなり不運だったことになります。まあ、犯人の目星はついている(アリバイ崩しの宿命というべきでしょうか)ので、最終的には露見してしまった可能性が大きいといえますが。 2002.10.12読了 |
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