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ひよこはなぜ道を渡る/E.フェラーズ

Your Neck in a Noose/E.Ferrars

1942年発表 中村有希訳 創元推理文庫159-21(東京創元社)

 ジョンの遺言状の内容には驚かされましたが、リリを守るためにあえて(表面上は)財産を渡さないという、一見すると逆説的な動機が面白いと思います。しかし、結果としてそれが犯人をそそのかすことになってしまったのは、皮肉というか何というか。

 本書で重要になってくるアリバイが、ジョンの死の状況と絡み合っているのが秀逸です。“死体なしの殺人”と“殺人なしの死体”がただ並べられているだけでなく、ユニークな形で緊密に結びついているわけで、よくできた構図といえるでしょう。そして、犯人のアリバイが崩れるきっかけとなるジョンの不可解な行動が、“どうしてひよこは道を渡ったのかな?”(268ページ)という印象的な言葉で表現されているのがうまいところです。

2006.03.01読了

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