一部の作品のみ。
- 「ルビーは火」
- 老人と子供を目印にして砂浜に埋めるというダミーの解決もまずまずです。
- 「生きていた化石」
- “困難は分割せよ”を地でいく巧妙なトリック。小道具のヤシガニがユニークです。
- 「サファイアの空」
- 風船を先に飛ばすというミスディレクションがよくできています。
- 「庚申丸異聞」
- “東郷警部はなぜ犯行に気づいたのか?”という謎が中心になっているところがユニークです。
- 「癸酉組一二九五三七番」
- 当選番号表の偽造には誰かが気づきそうにも思えますが……。ルーペを盗むというミスディレクションは秀逸です。また、車内での楽器ケースのすり替えもお見事。
- 「南畝の幽霊」
- 掛け軸ならではのトリックがよくできていると思います。
- 「檜毛寺の観音像」
- 前作の、円空の仏像を薪にしてしまった登場人物にも呆れてしまいますが、この作品の田甲里黒墨氏はさらに強烈です。
- 「S79号の逮捕」
- マグリットが伏線になっているところが面白いと思います。“あれはドアではない”というラストも決まっています。
- 「東郷警視の花道」
- S79号が男女二人組だったという真相については、「メビウス美術館」(2カ所で同時に犯行が行われる)や「S79号の逮捕」(指紋が一致しない)などの伏線から予想できるのではないでしょうか。
税金対策という現実的な動機も印象的ですが、ひたすら耐えてきた二宮の爆発には胸を打たれます。
2002.11.04再読了
|