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おもしろ砂絵/都筑道夫 |
1984年発表 角川文庫 緑425-36(角川書店) |
*1: “足跡のない殺人”とすることで容疑を免れることができそうではありますが、トリックとしてあまりに脆弱なのは否めず、さほど効果的には思えません。穿った見方をすれば、死体の発見者であるお弓――清右衛門にとっては“恋敵”――に罪をかぶせるという意図も想定できなくはありませんが、センセーの説明だけでは説得力が不足している感があります。
*2: 仮に茶碗の行方をもっと後まで引っ張ったとしても、やはり同じように“枕元に茶碗が現れる”ことを明かさざるを得ないので、そこで直ちに茶碗を盗む動機が見えてしまうのは変わりません。 *3: 例えば『くらやみ砂絵』収録の(以下伏せ字)「春狂言役者づくし」(ここまで)と比べてみると、似たような構図でありながらミスディレクションの強さの違いが歴然としています。 もっとも、実在の人物である河原崎権十郎を死なせるわけにもいかないので、いかんともしがたいところではありますが。 2009.08.14再読了 |
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