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赤き死の炎馬/霞 流一

1998年発表 ハルキ文庫か4-1(角川春樹事務所)

 死体飛行のトリックは、島田荘司を思わせる豪快なものです。ガスバーナーが置いてあったことにも説得力があります。デスマスクの出現と消失がいいですね。

 第二の事件はお間抜けなものですが、放平くんがきちんと描写されているので、納得のいくものです。

 滝を登るトリックについては、一瞬、洗濯機なみの桶が必要になってしまうのでは、と思いましたが、自分の勘違いに気がつきました。危ない、危ない(笑)。

 これらのトリックは、冷静に考えてみるとばかばかしい気もしますが、この世界では自然に感じられます。冒頭の馬頭観音のテレポートも同様です。バカミスという路線が成功しているといえるのではないでしょうか。

 “英語の馬”が"UMA"すなわち“未確認生物”だということはわかりましたが、それが“馬”、“馬鹿”、“生馬目”という落書きとかかわってくるとは思いませんでした。

2000.02.23読了


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