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UMAハンター馬子(1) 湖の秘密/田中啓文

2002年発表 学研M文庫 M-た-15-1(学研)
「第一話 湖の秘密」
 実は、冒頭の場面、よだれ(?)が空中で消えていることで、リュッシーの正体は見当がついてしまいました。が、出現箇所の分布から地縛霊という真相が導き出されるところは秀逸です。

「第二話 魔の山へ飛べ」
 ツチノコの正体についての考察は、意外にも(?)かなり真面目なもの。形態にやや無理があるようにも思いますが、なかなか面白い仮説だと思います。しかし、最後に示唆される、黒孔山=ブラックホールというネタは強烈です。

「第三話 あなたはだあれ」
 “超キツネ”には爆笑。キツネと見せかけてオオカミという真相も面白いと思います。最後のダジャレには思わず絶句です。
 ところで、イルカに“金毛九尾の狐”を悪く言われて激怒している(294頁)あたりを見ると、馬子の正体は案外その“金毛九尾の狐”だったりしないのでしょうか。おトキ婆さんへの“あんた、あてが誰やわかっとるんやろ”という台詞(330頁)もありますし。ただ、何のために不老不死を追い求めるのかはわかりませんが……。

2004.11.06読了

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