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不死の怪物/J.D.ケルーシュ

The Undying Monster/J.D.Kerruish

1922年発表 野村芳夫訳 文春文庫 ケ3-1(文藝春秋)

 本書の特に中盤以降がミステリ的な展開となっているのも、当然といえるのかもしれません。なぜなら、心霊探偵であったはずのルナが、かなり早い段階で霊能力を失っているからです。しかもこの霊能力の喪失に関しては、第一部の最後の独白(162頁)と、結末でも触れられている“栄光の手”という伏線が見事です。

 なお、中盤から結末にかけての探偵役の恋と退場という展開は、本書より前に発表された某有名古典ミステリ(以下伏せ字)E.C.ベントリイ『トレント最後の事件』(ここまで)に通じるところがあると思うのですが、それは穿ちすぎでしょうか。

2005.02.03読了

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