| 〈惑星シリーズ〉石原藤夫 | 
| シリーズ紹介 | 
| SF作家・石原藤夫の(メジャー)デビュー作「ハイウェイ惑星」に始まる、〈惑星開発コンサルタント社〉の惑星調査員ヒノとシオダのコンビを主役とした、愉快なハードSFのシリーズです。 
 主役であるヒノとシオダが(未知の)奇妙な惑星を調査に訪れ、そこで遭遇する様々な事件や問題を解決するというフォーマットは、自身が堀晃『梅田地下オデッセイ』巻末の解説「宇宙SFのイメージ・デザイナー ―解説的「堀 晃」論―」の中で述べたハードSFの定義、特に 
 そしてそのハードなアイデアが、 難をいえば、そのユーモアセンスが(とりわけ今となっては)古臭く感じられ、また時におふざけやドタバタがすぎる感もあり、好みが分かれそうなところではあります。特にロボットのアールが仲間として加わる『ブラックホール惑星』以降はそれが顕著で、無駄にストーリーの進行を妨げているようにも思えてしまうのが残念です。 
 残念といえばもう一つ、大宮信光氏が『タイムマシン惑星』の解説で | 
| 作品紹介 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| このシリーズは、中短編17篇が4冊にまとめて収録されており、さらに長編1冊が刊行されています。『タイムマシン惑星』の巻末に付された一覧表によれば、他に単行本未収録のショートショートが6篇存在するようですが、確認はできませんでした。 オリジナルの5冊の他にも、“惑星シリーズ・ベストコレクション”として『ヒノシオ号の冒険』(徳間文庫・入手困難)が、また『ハイウェイ惑星 惑星調査艇ヒノシオ号の冒険』(徳間デュアル文庫・入手困難)が刊行されています。 それぞれの収録作は、以下の表の通りです。 
 *: 『ブラックホール惑星』巻末に付された「調査業績一覧表」から推測。 | 
| ハイウェイ惑星 石原藤夫 | 
| 1975年発表 (ハヤカワ文庫JA55・入手困難) | 
| [紹介と感想] 
 | 
| ストラルドブラグ惑星 石原藤夫 | 
| 1975年発表 (ハヤカワ文庫JA71・入手困難) | 
| [紹介と感想] 
 | 
| ブラックホール惑星 石原藤夫 | 
| 1979年発表 (ハヤカワ文庫JA110・入手困難) | 
| [紹介と感想] 
 | 
| タイムマシン惑星 石原藤夫 | |
| 1981年発表 (ハヤカワ文庫JA143・入手困難) | |
| [紹介] [感想]  シリーズ唯一の長編で、「ブラックホール惑星」で展開されたブラックホールに関するアイデアをさらに発展させた作品となっています。 「ブラックホール惑星」ではマイクロ・ブラックホールをお茶漬けにして食べるというシュールな(?)ドラッグが強烈な印象を与えていましたが、本書ではさらに極小のミニミニ・ブラックホールを用いることで、“お茶漬け式タイムマシン”や“お茶漬け式ワープ移動”が実現できるという奇想が物語のベースとなっています。 個々のアイデアにはそれなりに納得させられる部分もあるのですが、SF作家A.C.クラークの “高度に発達した科学は魔法と区別がつかない”という有名な言葉を地で行くかのように、ミニミニ・ブラックホールの効果があまりにものすごいために“何でもあり”になってしまっているのが残念なところです。 さらにいえば、惑星の住民であるブラックホール人の生態などのアイデアには見るべきところがあるにせよ、それがうまく物語の形に昇華されていないため、全体として単純で起伏に乏しい、あまり面白味のない物語といわざるを得ません。このあたり、(「アンテナ惑星」の例をみても)やはり作者の本領はあくまでも短編であるということを強く感じさせられます。 2007.08.19再読了 | |
| アンテナ惑星 石原藤夫 | 
| 1982年発表 (ハヤカワ文庫JA151・入手困難) | 
| [紹介と感想] 
 | 
| 黄金の羊毛亭 > シリーズ感想リスト/作家別索引 > 惑星シリーズ |