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悪女パズル/P.クェンティンPuzzle for Wantons/P.Quentin |
1945年発表 森泉玲子訳 扶桑社文庫 ク19-1(扶桑社) |
本書では、邸に滞在する女性たちが次々と被害に遭いますが、被害者たちに共通する動機が見えないのがポイントとなっています。動機なき無差別殺人のように見えるという意味では、A.クリスティの有名な作品((以下伏せ字)『ABC殺人事件』(ここまで))と似たような状況といえるかもしれません。 しかし、そこに“失敗”という補助線を一本引くだけで、事件の構図がほぼ見通せてしまうという鮮やかさが見事。しかも、チャックというダミーの犯人が用意されてどんでん返しが仕掛けられているのがうれしいところです。 それにしても、なかなか姿を現さないので半ば実在を疑っていたスロックモートン氏の、登場していきなりの皮肉な台詞(364頁)には参りました。脱帽です。 2005.11.02読了 |
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