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ワイヤレスハートチャイルド/三雲岳斗 |
2001年発表 徳間デュアル文庫 み1-2(徳間書店) |
序盤の卵のエピソードや、オセロの対戦成績などからみて、和緒がテレパシー能力を持っていることはある程度予測できるのではないでしょうか。ただ、この作品においては、それがミステリ部分と絡むのではなく、ロボットという設定とともにテーマへとつながっているところがユニークだと思います。 そのテーマとは、やはり人の心の動きでしょうか。テレパシー能力ゆえに、和緒は周囲の人々の負の想念に傷つき、心を持たない(少なくとも和緒が読むことのできない)ロボットのなつみさんと接して安堵します。少年が転落事故を起こした原因は本人の心の中にある負の想念です。そして宮城は手紙の謎をなつみさんに推理してもらいますが、“犯人”の動機を推測することができるのは、なつみさんではなくあくまでも宮城本人なのです。 なお、転落事故の真相自体は、J.D.カーの(以下伏せ字)『連続殺人事件』(ここまで)のトリックを改良したものといえるでしょう。 2002.08.27読了 |
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