亡霊たちの真昼/J.D.カー
The Ghost's High Noon/J.D.Carr/J.D.Carr
1969年発表 池 央耿訳 創元推理文庫118-23(東京創元社)
“ジェイムズ・ビュキャナン・ブレイク(ジム)”と“ジェイムズ・クレイボン・ブレイク(クレイ)”の取り違えがもっとあってもよさそうなものだと思いましたが、実際にはバッティングセンターの場面一度きりで、しかもすぐに取り違えが明らかになってしまうのであまり効果的ではありません。もう少しうまい扱いがありそうで、もったいないところです。
レオの死の謎はそれなりによくできているとは思いますが、ピートとラウールがあまりにも唯々諾々とアレックに従っているのが気になります。ピートの人物像がはっきりしていないこともあって、あまり説得力が感じられません。
1999.10.20読了