深夜の密使/J.D.カー
Most Secret/J.D.Carr
1964年発表 吉田誠一訳 創元推理文庫118-24(東京創元社)
原題は『最大の秘密』といった意味でしょうか。『深夜の密使』という題名の方がいいと思います。ただ、密使に任命されるまでが長くて、そこから先はわりとあっけなかったので、少し物足りない感じもします。
殺人事件の方は特にネタがあるわけでもなく、少し残念でしたが、密書の方はよかったと思います。ロデリックとバイゴンズは単なるおとりなのかと思ってしまいました。指輪にそんなものが隠せるとは思ってもみませんでしたが、“薄い紙”としっかり伏線も張ってあるので納得です。
1999.11.02読了