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グラン・ギニョール/J.D.カー

Grand Guignol/J.D.Carr

1999年刊 白須清美・森英俊訳(翔泳社)
「グラン・ギニョール」
 容疑者にプレッシャーをかけて自白に追い込む場面は、“悪魔”バンコランの本領発揮という感じで強く印象に残ります。これに比べると、『夜歩く』の方はあっさりしすぎているようにも感じられます。
 第二の殺人の際の、バンコランが懐中電灯を狙って撃ったあたりにはやや無理が感じられましたが。

「悪魔の銃」
 怒濤の終盤と悲痛なラストの対照が鮮やかです。

「薄闇の女神」
 レティフの行動には心を打たれますが、真相を知ったドロレスの反応の鈍さには、心情的に納得できないものがあります。

「ハーレム・スカーレム」
 まんまと騙されてしまった語り手ですが、その淡々とした語り口がいい味を出しています。
2000.01.08読了
2002.02.28再読了 (2002.02.28改稿)