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その他短編/J.D.カー

「ダイヤモンドのペンタクル」 (菊地よしみ訳 ハヤカワミステリマガジン1993年5月号(No.445) 掲載)
(以下伏せ字) ディックが無茶なことを言い出した動機、そして逆転の構図がよくできていると思います。なお、釣り竿を使った密室トリックは、ある長編でも使われています。(ここまで)

「ささやく影」 (森 英俊訳 ロバート・エイディー+森 英俊 編『これが密室だ!』新樹社 収録)
(以下伏せ字) ラストの衝撃が印象的です。そして、序盤から登場する“ナイフのチャリンという鋭い音”が、単なる音響効果ではなくラストの伏線となっているところが秀逸です。ラジオドラマならではの見事な演出といえるでしょう。(ここまで)

「死体盗人」 (白須清美訳 森 英俊・山口雅也編『名探偵の世紀』原書房 収録)
(以下伏せ字) いかにもペギーが殺されるかのように煽っておいて、驚きを演出する手腕はお見事です。ラストはやや都合がよすぎるようにも感じられますが、これもカーらしいというべきでしょうか。(ここまで)

「見知らぬ部屋の犯罪」 (宇野利泰訳 江戸川乱歩編『世界短編傑作集5』創元推理文庫 収録)
(以下伏せ字) 犯人が色盲であることを示すレインコートの手がかりはあからさますぎるように感じられます。鍵の手がかりはよくできていると思います。(ここまで)

「骨董商ミスター・マーカム」 (厚木 淳訳 エラリー・クイーン編『完全犯罪大百科 上』創元推理文庫104-28 収録)
(以下伏せ字) 二段階のオチが見事です。トリックにはやや無理があるように思えます。射撃のタイミングをそれほど合わせられるとは思えません。(ここまで)

「パラドール・チェンバーの怪事件」 (深町眞理子訳 エラリー・クイーン編『ミニ・ミステリ傑作選』創元推理文庫104-24 収録)
(以下伏せ字) “なぜズボンが奪われたのか?”という謎はなかなかユニークです。ワトスンが偽者であることを示す手がかりもまずまず。(ここまで)

「灰ほどの手がかり」 (加賀山卓朗訳  ハヤカワミステリマガジン2014年9月号(No.703) 掲載)
(以下伏せ字) 何が手がかりになるのかは題名で明らかですし、マティスン部長刑事が“煙草をじっと見つめた”ことから、ソーンダーズが犯行後に吸った煙草の灰が床に落ちていたことも、予想はできるでしょう。一方、ソーンダーズが誰に扮したのか――被害者が誰なのかについては、読者に手がかりが与えられていませんが、これはやむを得ないところでしょうか。
 舞台上でメイナードの死体を登場させてプレッシャーをかける手法は、後の「グラン・ギニョール」を思い起こさせますが、“悪趣味”ではあるものの、観客には演出の一部と思わせるあたりがうまいところです。
(ここまで)