フクロウのための餌のさばき方 |
ご注意! このページでは、マウス(模式図あり)とヒヨコをフクロウの餌として解体する手順を説明しています。 不快に思われる方は速やかに退去いただくよう、お願いいたします。 |
はじめに 用意するもの マウス ヒヨコ |
はじめに |
観察飼育など、置き餌方式の場合には特に必要ないかもしれませんが、トレーニング(フィストコール)を行う場合には、細かく切ってあげる必要があるでしょう。やりやすくなるというのももちろんですが、呼ぶ回数が増えるというのも重要です。 以下の項で、簡単にその手順を説明してみます。あくまでも自己流(正確にいえば「動物堂」流を若干改変したものです)にすぎず、実際には色々なやり方があると思いますので(例えばどらさんの「OWL'S BAR」参照)、一例として参考にしていただければ幸いです。 |
用意するもの | |
調理用ハサミ | 骨まで切る必要があるので、調理用ハサミが便利です。個人的には、先がとがったものの方が使いやすいように思います。 |
餌用容器 | 何でもかまわないと思いますが、餌の量を量るのに便利なように、あらかじめ重さを計っておいた方がいいでしょう。 |
ビニール袋 | 解凍するときに使います。口を閉じるファスナー付きのものが便利です。 |
手袋 | 手を汚したくなければ、薄いビニールの手袋などを使うのがいいでしょう。ちなみに、私は素手でやっています。 |
強い心 | 慣れないうちはどうしても抵抗があると思いますが、かわいいフクロウのためと思って、がんばってやっていきましょう。 |
マウス | ||||
まずは解凍します。時間の余裕がある時には自然解凍(冷蔵庫内または室温)ですが、急ぐ場合にはビニール袋に入れてからぬるま湯に浸して解凍します。直接お湯につけたり熱湯を使ったりするのはあまりよくないようです。
具体的には、下側(尻尾側)にある腸や向かって右側にある胃(第2図参照)をハサミの先で傷つけることがないよう、中心よりやや左側、肋骨(手触りでわかります)のすぐ下あたり(第1図参照)から切り開くのがいいのではないかと思います。 まず、この部分の皮膚をつまんで切り込みを入れます。この部分の内側にある肝臓は多少傷つけても大丈夫なので、腹膜まできちんと切り込みが入るように注意しましょう。次にハサミの先を腹膜と内臓の間に差し込んで、下腹部まで切り開きます。やや右側、赤黒い肝臓の奥あたりに白っぽい胃がある(第2図参照)ので、それをつまんで引っ張ります。少し力を入れると、胃の上端あたりがちぎれると思います。あとは腸が途中でちぎれないように注意しながら引き出し(背中の部分に指を当てて、後ろから押し出すようにするといいでしょう)、下端部で切り取ります。 胃と腸を取り除いたら、頭の方を持って下の方(尻尾・後足)からハサミで細かく切っていきます。なぜ頭の方を持つかといえば、顔を見なくてすむからです。大きさはフクロウの口のサイズに合わせて適当に。尻尾はあまり栄養にならないようですが、あげても問題はありません。途中で鼻から血がにじみ出てくるかもしれませんが、出血はさほど多くないと思います。頭の部分は骨が多いので、切るときには注意が必要でしょう。切るサイズにもよりますが、胃と腸の除去も含めて、慣れれば5分程度で終わります。 |
ヒヨコ |
基本的な手順はマウスの場合と同様ですが、時々汚れていることもあり、またふわふわした羽根が飛び散って大変なので、さばく前に軽く洗った方がいいかもしれません。 ヒヨコの場合は腸と卵黄を取り除きます。ヒヨコの腹の中にある未使用の卵黄は、栄養はあるかもしれませんが腸と同じく雑菌が繁殖しやすい部分ですし、フクロウのくちばしなどにこびりついてしまうのも避けたいところなので、取り除いておくべきでしょう。ただ、内臓とともに3層くらいの薄い腹膜に包まれていて取り出しにくく、うっかり破って中身が流れ出してしまうと悲惨なことになります(そうなってしまった場合には、卵黄をさっと洗い流してやった方がいいでしょう。ただ、栄養分も流出してしまうことになるので、洗いすぎにはご注意下さい)。 マウスと同じように腹部を切り開くと、まず一番手前の方にピンク色の筋胃(砂肝)があり、残りはほぼ全体的に卵黄が詰まっていて、卵黄の奥にある腸はあまり見えません。この状態から少しずつ腹膜を切り開いていくわけですが、頑丈な筋胃の周辺から切っていくのがいいかもしれません。私見では、卵黄と腸を一緒に包んでいる膜を切って、卵黄と腸を分離できれば終わりだと思います。 次に卵黄を破らないように少しずつ取り出し(マウスの項でも書いたように、背中側から押し出すようにするといいでしょう)、それにつながっている腸も引っ張り出して、これまた上下を切り離します。 あとは刻む作業ですが、脚(羽毛が生えていない部分)は食べにくい上に栄養もあまりなさそうなので、捨てた方がいいでしょう。うちの場合には、小型種なのでどうせ全部は食べきれないということもあって、さらに翼(手羽)も切り落とし、あとは下から首の途中くらいまで切っていきます。これで20g強というところです。 |
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