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ターミナル・エクスペリメント/R.J.ソウヤー

The Terminal Experiment/R.J.Sawyer

1995年発表 内田昌之訳 ハヤカワ文庫SF1192(早川書房)

 この作品の犯人当ては厳密なものではありませんが、面白いと思います。ホブスンもサカールも、まさか“コントロール”が犯人だとは思わず、“アンブロトス”や“スピリット”を疑います。生身のホブスンに殺人を犯すつもりがなかったため、改変を行っていない“コントロール”は最初から疑惑の対象外となっているのです。

 魂がない、すなわち審判を受ける可能性がないために殺人を犯したという“コントロール”の自白は、納得できるような、できないような。何だか騙されているようにも感じられます。しかし、“アンブロトス”と“スピリット”が述べた、殺人を犯さない理由は、彼らの特性からみて納得できるものだと思います。