・勧誘の後半戦
さて、2回目の実習が終わり、後半戦となる訳ですが、そろそろ、勧誘成功者がセミナー(第1段階)を受ける人(セミナー語で「子供」と言います。また、その子供は「孫」、「ひ孫」と、まるでマルチ商法みたいな言い方です。あっ、こっちが元祖か。)が出てきます。
中には、その子供がセミナーを受ける前に気が変わったりするのもいます。そうなったら受講生は、大変です。パートナーやアシスタントを引き連れて、子供に対して説得をします。それを未然に防ぐため、一度決めた(セミナーを受ける)人に対して、フォローをします。
方法は、電話や、実際に会って、気持ちが変わらないようにするものです。そのフォローも度が過ぎると、とんでもない結果となる事が実際起こりました。今回はそれの報告をします。
・勧誘の被害届け(1)
これから勧誘にかかわる事件を3つ載せます。勧誘の恐ろしさを感じていただけたらいいかと思います。
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受講生のYさんは、1つ年下のAさんをエンロール(勧誘)してAさんは、「セミナーに行く」と決心して、Yさんは大喜びしていました。
3日後、YさんはフォローしにAさんに電話しました。しかし、Aさんの返事は「やっぱりやめる」という返事でした。「どうして?」とYさんが聞くと、「友達に相談したら『そんな危ない所はやめた方がいいよ。実際これやって精神がおかしくなった人もいたし』って言ってたからやめる」とAさんが答えました。
「行くって約束して裏切るつもりですか。あなたは今までそうして逃げていませんでしたか」とYさん。「逃げてなんかいない。ただ危険だとわかったから行きたくないだけ。まだ、申込書もお金も払ってないから関係ないでしょ」とAさんが言い返すと、「申込書とかお金なんて全然関係のない事。どうして形だけにこだわるのですか。行くと言っていかないと言ったあなたの裏切りに対して怒っているのですよ。」とYさんも言い返します。
当然、人のけなし方については受講生のYさんの方が上なので、言い合い(フィードバック)が始まると、YさんはAさんに対してメタメタにけなします。Aさんは泣きながら「もう電話しないでください」とYさんに言って、電話を切りました。その後、Aさんは電話回線を切って寝てしまいました。
次の日になって、Yさんは、アシスタントのCさんと一緒にAさんの家に行きました、Aさんが家に入れないように抵抗したのに関わらず、YさんとCさんはAさんの家に無理に入ってしまいました。そして、YさんとCさんはAさんに対してフィードバックを始め、混乱しているAさんを横目にYさんは、「どう、セミナーやってみる?」とほとんど脅迫に近い言い方をして、Aさんも、これ以上関わりたくないという気持ちで「わかりました。参加しますので、もう帰ってください」と言いました。当然、YさんとCさんは大喜びで帰りました。
そして2日後、YさんはAさんにフォローをしにAさんに電話をしました。すると、Aさんの母親が出て・・・・・・・
「Aは、昨日近くのビルから飛び降りました。幸いにも命には別状はなかったのですが、下半身が不随になり、言葉が話せないほど精神が混乱している状態なのです。Yさん、Aに何があったのですか。自殺する理由なんて全然なかったのに....」と、母親は泣きだしてしまいました。
「きっと私のせいだ」とYさんはショックを隠し切れない状態になり、電話を切って突然泣きだしました。落ち着いたYさんは、Cさんに電話をかけて、これまでの状況を説明して、どうすればいいか相談しました。しかし、Cさんは当然かのように、「ちょっと言っただけてああなるなんてAさんも甘ったれですね。まあ、Aさんが決めた人生なんですから別にかまわないのではないでしょう。あなたがウジウジしたって、Aさんが元に戻るわけでもないし、まあ、一つのエピソードとしてとらえましょう。」と平然といいます。そして、Yさんも「そうね。別に私が悪い訳ではないしね。」と平然と なってしまいました。
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信じられますか。ちなみにこの3人は実在してまして、現在どうしているか調べてみました。(H4.4月現在)
- Yさん
別のセミナーに入って、まだ勧誘を続けている。もちろん、仕事(看護婦)は、やめてしまった。
- Cさん
セミナー会社から社員にならないかと催促されたが、断わり、今はセミナーから離れている。
しかし、社会にはなじめず、職を転々している。
- Aさん
最近になって落ち着いて、リハビリを始めました。やっと退院の方向に向かいつつあります。(私の友達なんです)
今回のレポートは、私の友達から入手したもので、セミナー撲滅のためなら載せてもいいよと承諾を得たものです。もちろんAさんにも協力してくれて、これをみせたら「まあ、匿名ですから載せてもいいですよ。そのかわり、撲滅のために私も協力しますので、頑張ってください」とだいぶ落ち着いた様子で話してくれました。
Aさんに今の心境を話してみると、「たしかに今回やった私の行動についてはみんなに迷惑をかけてしまいました。一時的な感情でああなるなんて自分自身、とても恥ずかしいです。Yさんの事ですが、あれは本当のYさんではないです。今まで見てきたYさんとはまるで別人のようでした。だからみなさん、Yさんを責めないでください。私はみなさんに迷惑をかけた分、リハビリをして、元に戻る事が最高の償いだと思っています。」
この事件は、私が「セミナー」というのを知らないときに起きたもので、Aさんがどうしてこんなことになったか、私自信も知りませんでした。しかし、この情報を入手した時に、改めてセミナーの恐さ、そして、自分の近くにいる人をこんなにしてしまった悔しさがこみ上げてきます。(私もAさんに比べたらまだまだ子供だな)
・勧誘の被害届け(2)
今回は、受講生が勧誘をして、自分の行動の過ちに気づき、相手に深謝した例を書きます。この情報は、90年3月頃に、「JUNET」というネットが、セミナーについて載っていたものです。
内容は、ある人がセミナーに対して興味を持ち始め、どんなものなのか教えてほしいというのが発端です。しかし、賛否両論がものすごく、論争にまで発展してしまったものです。
今回載せるのは、その中の否定派が、こんな実体験をしたというものです。
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私が第3段階で見たことの一つをここに書きます。
これは、ある人への謝罪の内容です。いずれその人自身に手紙を書こうと思うのですが、彼の連絡先を知っている私のパートナーが、いわゆる「セミナー中毒」に近い状況になってしまったために、電話がかけづらいという状況があります。
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T大学のF君へ
2月25日に私とM君が君に対して行った行為に対し、深くお詫びいたします。
私とM君は、あるセミナー会社の第3番目のコースに参加していました。そのコースとは、セミナーで自分が経験したすばらしい体験を他の人に話し、その人がセミナーに参加するよう促し、申込書を書いてもらう。ということを実習内容としていました。
私とM君は第2段階から同じグループで実習を受けた仲間です。第3段階では、パートナーを組みました。第3段階の最初に、受講生は何人の人にセミナーを受けてもらう(これを「人に可能を開く」と言います)のかを一人一人宣言します。私もM君もそれぞれ宣言しました。そしてその数を目標に、毎晩電話をかけ、人に会い、勧誘活動の実習を続けました。ボランティアのアシスタントからも、毎晩「今日の成果は?」「明日はいくつ申込を取りますか?」という電話がかかってます。ちなみに、各人の目標数の合計は177でした。メンバーは26人です。
この活動は12月23日から始まったのですが、私は2月のはじめで「個人達成」していました。これは、申込と入金が各人の宣言数に達した状態をいいます。
「これからはグループの達成、そして全体の達成を見て行動してください」とアシスタントのNさんが言いました。これに対し、M君は自分の宣言した目標数の半分でした。しかも、全体の目的は2月26日に177という数字を「完全達成」(申込及び入金がそろうこと)することでした。
M君はとてもあせっていました。
F君と渋谷で会ったあの日の朝、M君が私に電話をかけてきました。「カップリングを組みませんか?」カップリングというのは、カップリング・エンロールという勧誘方法で、受講生が知人を勧誘する時に、トレーナーや他の受講生に一緒に来てもらって支援をしてもらうという方法です。
私はM君の焦りがよくわかったし、第2段階以来のつきあいでしたから、何とか彼の力になりたいと思い、OKしました。彼が連れてくる人に変な印象を与えないように、きちんと背広を着込み、社章を胸につけ、名刺を用意して、約束の渋谷のハチ公前に11時に行きました。
程なく、F君が現れました。大学でバンドの活動をしている好青年です。私はM君の知人ということで挨拶し、名刺を渡しました。我々はセンター街の万葉会館の中で食事をとることにしました。この時点でF君は、自分がなぜここに呼ばれたのか知りませんでした。
初めはM君とF君の、大学生活の他愛のない話から始まりました。そして、M君と私がなぜ知り合ったのかという話から、順次エンロールの行動に移っていきました。我々はセミナーについての説明をし、自分達がそこで何を感じたか、何を獲得したかF君に話しました。(同じ内容の話を私は期間中に少なくとも80人の人にしました。うんざりするほど話し飽きた内容です)そして、F君に受講を勧めました。
最初は快活に話をしていたF君でしたが、段々表情が怪訝なものに変わっていきました。M君は第2段階で泊り込んだホテルでとった写真などを見せて、F君の気持ちを和らげようと必死でした。「お金がない」と、まずF君は言いました。我々はF君のためなら援助(=立替)もいとわない。と切り返しました。
F君にしてみれば変な話です。あまり面識のない大学の先輩に急に呼び出されて行ってみると、初対面の社会人がいて、その二人が得体の知れないセミナーを勧め、金まで出してくれるというのですから。
M君は説明しました。
「確かにF君にとっては非常識な話かもしれないけど、我々は今、日常的な型にはまった考え方の外にいるんだよ。これはセミナーを受けた人間になら納得できることなんだけど。」
「自分は現在の生活に満足していて、特に自己を見つめる機会など必要としていません。必要になった時に受ければいいんじゃないですか」とF君は言いました。我々は「このような機会はまたとないよ。金まで出そうと言っているんだから。今受けるのも、後で受けるのも同じだよ」と切り返しました。
「選択するのはF君自身だ」と我々は言い続けました。しかし、F君がNOの意志表示をすると、我々は更にエンロールの会話を起こしました。事実上、F君にNOの返答を許していませんでした。
かれこれ3時間が経過していました。F君は顔を赤らめ、混乱し、疲れはてていました。これ以上F君を引き止めるのはどうかと私は考え始めました。しかし、M君に申込をぜひとも取らせてあげたいという気持ちが私を支配していました。F君の状態がどうであれ、申込を取ることの方が大事だと思い込んでいたです。
F君がトイレに立った時、M君が鬼気迫る表情で私に言いました。「彼は、決めます。」私も黙ってうなづきました。その後も同じ押問答が続きました。M君は、私を呼び出した手前もあり、容易には引かない覚悟だったようです。
夕方近くになり、3人ともひどく消耗していました。M君が電話に立った時、私もトイレに行くことにしてM君の後を追いました。そして、人に会う約束があるからと嘘をついて、5時半に帰らせてもらうことをM君に了解してもらいました。
5時半になり、私は二人をその場に残して去りました。ひどく疲れて、胸が押しつぶされるようでした。1時間かけて家に戻り、ベッドに倒れ込みました。
F君へ。私とM君は正常で常識的な判断力を欠いていました。毎晩毎晩アシスタントから聞かされていた「177完全達成」に目を奪われ、君を長時間の軟禁状態に置き、君の人権を侵害せんばかりの行為を行ってしまった事をここで深謝します。
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長い書き込みになってしまいました。ここまで読んで下さった方に感謝します。できるだけ事実を客観的に記述したつもりですが、言葉には必ず評価概念が付着します。御了承ください。
第3段階が終了した後、私はつきものが落ちたように、元の常識的な自分に戻りました。そして、自分が今まで行ってきた事を思い起こして、とてつもない恐怖にかられました。
上に記述した事件について、私は非があると思います。セミナーに非があるのかどうかはわかりません。
ただ、セミナーは言います。「起こった事はすべて自分の責任。」
セミナーから「度の過ぎた勧誘はするな」という注意を受けた事はありません。むしろ、「引際が大事」という受講生に対し、「逃げる理由に使っている」というアシスタントのフィードバックがありました。
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私はこの記事を初めて読んだとき、とても気分が悪くなりました。理由は、「F君と私は同じ事をされた」というものです。まあ、私の場合は「監禁状態」でしだか.....
これは、受講生が間違いに気づき、セミナーが終わっても、反省と恐怖心がよぎってしまうという別の意味でのセミナー病にかかってしまったものです。
私は、最後の3行「セミナーから〜」というのがありますが、これが強制的に勧誘をする原因の一つではないでしょうか。
・勧誘の被害届け(3)
あまり話したくなかったのですが、私が勧誘された場合の事を書きたいと思います。
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私が勧誘されたのは91年の6月頃で、勧誘者はMさんという、地元音楽関係のサークルに所属している25才の男性です。わたしもそのサークルに入っていました。
Mさんは、セミナーに関わる前からちょっと近付きたくない感じの人で、サークルでもみんな嫌っていたという人ですが、決して暗い人ではありませんでした。
そのMさんが5月頃から練習に姿を見せなくなり、みんなが安心(?)していた矢先に、サークルの中で、「やめたい」という人が続出しました。どうやらMさんがセミナーを勧誘をしていたらしく、「こんな人とは一緒に練習したくない」と言ってるというものです。
サークルの幹部が対策に入ったのも遅く、すでにセミナーの第1段階をやったという人が4人、サークルをやめてった人が10人位という最悪の状態となってしまいました。どうやらMさんは影でこそこそ勧誘をしていたので表に出ず、こんな状態になってやっと気づいたのが原因でした。幹部の方で「勧誘は禁止します。」という連絡が入ってからは、Mさんは全く練習には顔を出さず(まだ第3段階だった)やめていった人も幹部の説得により復帰した人も多く、サークルは平穏となりました。
平穏な時期を向かえて、約1カ月後、突然Mさんがサークルに顔を出してきました。ほとんどの人がこの事件の犯人(?)はMさんだというのを知っていましたから誰も話もしなくなりました。その帰りにMさんが突然私を呼んで、「何か食べにいかない?」と誘うのです。まだ、影でコソコソと勧誘を続けていた様で、「まさかセミナーの事じゃないでしょうね」と私がいうと、「絶対にセミナーの話はしない」と言ってくれ、Mさんの言葉を信じて某ファミリーレストランに行きました。
そして、Mさんの車に乗せてもらい、レストランに。そこにはHさんという女性が1人待っていました。「この人は?」と私が聞くと、「僕の友達だよ。ぜひあなたと食事がしたいって」「ふーん」今考えると、とても不自然だと思いましたが、気にせず3人で食事をしました。
「ねえ、Mさん、Hさんとはどんな関係なの」と私が聞いてみたら、「セミナーで知り合ったんだよ」とMさん。「いいねー」と私。ここでセミナーに対する拒否的行動をしなかったのが今考えると大失態だったなと反省しています。
反応がないなと悟ったMさんは、Hさんと共に勧誘を始めてしまいました。当時の私は、個人的にはセミナーについては拒否半分、興味半分だったので、なんとなく聞いていました。Mさんは私の性格をよく知っているようで、私のウィークポイントを巧みに言いまくります。「あなたはそういう人間だって事は気づかなかったでしょう。だけど、セミナーをやれば、自分が見えてくるから不思議なんだよね。おもしろそうでしょ。やってみようよ。」と勧誘していました。
「お金がないからねー」と私が言うと、「じゃ、貸してあげる。」とHさんが言いました。「そんな..知らない人からお金なんて借りれないよ」「あら、今日知り合ったでしょ。ほら、貸してあげるから」・・・・・
そのようなやり取りをしている間、Mさんは「じゃ、帰るから、Hさん、お願いね」といってMさんは帰ってしまいました。
私とHさんの2人きりとなり、勧誘は続けられました。3時間位たって、いつのまにか私とHさんは勧誘とは全然関係ない話をしていました。その上、2人とも酔っぱらった状態でした。「もう夜11時回っているから私、帰れない」とHさんが言うと、「じゃ、どっかでブラブラしよう」という事で横浜周辺を朝1番の電車までうろついていました。
次の日(実質上今日ですが)になって、寝不足の上、とても気分が悪くなって会社を休んでしまいました。どうしてHさんはこんなに私の事をこんなに言ってくれるのか疑問に思ったのですが、これもセミナーをやるとこんな風になってしまうんだなと嬉しいやら恐いやら複雑な心境でした。あの迫力は友達に悩みを相談するのとは、1味も2味も違う何か宗教の関係者から勧誘されている様だったと思います。
突然、電話がかかってきました。相手はHさんでした。
「会社、休んでるって聞いたからここに電話をしました。」「どうして私の家の電話番号を知っているのですか」「Mさんから聞いたの」・・・
こうして、電話での勧誘がまた始まりました。「会社を休んでいる」=「病気をしている」というのをHさんは考えもせず、私の心身状態までも無視する勧誘が続けられました。頭にきた私は、「今日は病気なので電話はもう終わりにしてくれませんか」と私が言うと、「病気になったのはあなたの心に迷いがあるからです。セミナーを受ければ、迷いも消えますよ。どう、やってみる?」と。
元はと言えばあなたが勧誘しているからこうなったんでしょ!と思っていたのですが、もうそんな事言う元気もなかったので、うんうんと返事をしてしまいました。
そして、夜11時頃、突然Mさんが私の家に来て、睡眠中の私(体調不調)を無理に起こし、勧誘活動を始めたんです。済んだと思ったら同じくMさんからの電話攻撃。「もう参加は絶対にしません。勧誘はやめてください」とはっきり言ったら、ぱったりと電話がなくなりました。
3日後の夜、私の体は元気になって、セミナーの事も忘れかかっていた時に、突然Mさんから電話がありました。「ねえ、ドライブにでも行かない?」「(嫌な予感がする。またセミナーの話か?)・・どうして私を呼ぶの?」「無理に勧誘しちゃったお詫びだから」「わかった。今、外に出る」と言って、私とMさんは車に乗りました。これがMさんを信じた最後の行動でした。
いろいろな所を回って約3時間、ついたのは事務所の様な所でした。「ここはどこなの?」と私が聞くと、「いいからいいから」と言って、私を事務所の2階につれこまれました。
2階に行って、事務所のドアを開けると、中には約8人位いて、その中にHさんもいました。「どういう事?」と私が言うやいなや、大々的な勧誘活動が始まりました。どうやら、ここの事務所はセミナーの事務所の様です。
もちろん私の意見などは一切聞いてもらえません。どうも、私がここに来たという事は、参加の意志があると思い込んでいたようです。私は騙されてここに来た事を説明しても誰も耳を傾けてくれませんでした。
どうやらHさんと電話していた時に「うんうん」と軽返事をしたのが原因だった様でした。
「セミナーに参加するまではここを出さないから」と完全に監禁状態で勧誘活動が続けられ、私は完全に混乱状態でした。4時間ほど経ったでしょうか。私は何を思ったのか、「外の空気が吸いたい」と窓を開けて、しばらくして、突然窓から飛び降りたんです。当然2階から飛び降り、その上、樹木の茂みに飛び込んだので、飛び降りた拍子に足をおかしくして、額から血を流していました。
「とにかくここから逃げなくては」という思いで一生懸命だった私は、追いかけてくる例の勧誘者達を負目にタクシーを捕まえ、家に帰りました。落ち着いてみて、残ったものは足の傷みと真っ赤に染まったハンカチだけでした。そして私はけがの治療という事で3日間仕事を休みました。
そして、額には傷が残り、心にはとても大きく、深い傷が残ってしまいました。
現在、Mさんは別のセミナーに入って、(いわゆるセミナー中毒)途中でおいつけないなどの理由によりセミナー側から強制的にやめさせられました。サークルの方もほとんど顔を出さなくなり、たまに出てもみんなは白い目でMさんをみてます。私も話はしていません。
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今回のMさんの行動については、「裏切り」「嘘」という私が一番嫌いな行動に出たという、許しがたい事なのです。どうして、そこまでしてセミナーに入れたがるのか、どうして相手の意見は全く聞かないのか、すべてセミナー側がそういう受講生を作ったからではないでしょうか。
・公共の場で抗議したいけど
セミナーに参加させるためならどんな卑怯な手を使ってもいいのでしょうか。本当は、こうして抗議活動に出たいのですが、できない理由があるのです。
- 被害者の実態が不明確
被害にあった人のほとんどは、結果的には自分の中に閉じ込もってしまいます。
内に秘めたいというのがほとんどなので、大々的に「私は被害者です」と言えなくなる。しかし、消費者センターや、命の電話には被害者の相談はかなりあるようです。
- セミナー側の開き直り
セミナー側は自分達が悪いとは一切思っていません。すべて受講生の責任としているからです。その受講生も約3カ月で卒業となる訳ですから誰が訴訟相手になるかが不明確なのです。
セミナー側は「精神が異常になるまで勧誘しなさい」と一言も言ってないですからね。その受講生も自分は悪くないと思い込んでいるので余計に厄介です。
また、賠償責任となると、「お金をだせばいいんでしょ」という開き直った考えも持っています。
- マスコミを利用できない
例の「幸福の科学」デモの時は、結構幸福の科学側が被害者に見えましたよね。視覚で判断するというやつですよ。しかし、マスコミはこのセミナーについて、被害者については何も報道していません。
逆に「セミナーはいいですよ」と報道しているのでたまったもんじゃありません。
今回、勧誘の被害者の報告という事で、3つの例をあげてみましたが、それでもセミナーに行きますか。それでも勧誘をしますか。私は絶対に嫌です。
肯定派の方々に聞きます。この被害者報告についてどう感じられましたでしょうか。この報告に似た様な勧誘はしませんでしたか。そう私は訴えたい。
・目標を達成して
さて、第3段階も2カ月位になると、目標の人数(勧誘者数)に達した受講生が何人か出てきます。そして、いつものように祝福され、他の受講生とは別物扱いとなります。トレーナーは目標に達した受講生に向かって、「さて、あなたはこれからどうしますか。もう終わりにしますか、それとも他の受講生を成功させるために尽くしますか。あなたが自分で判断してください」と言います。
成功した受講生は当然かのように「もちろん、他の人のために尽くします」と絶対に言います。本当はもうやりたくないくせに、トレーナーのお得意の催眠術(口調)によって受講生は踊らされています。だから「まだやります」と言うのでしょうね。
この時期になると、目標に達してない受講生や、トレーナーはとても焦りだします。もちろん、トレーナーは生活のため、(前に話しましたね。)受講生はトレーナーに脅迫されて焦りだします。また、契約外の集合もこの頃、頻繁に行われます。前日にアシスタントから連絡を受け、セミナーの事務所に強制的に集合させられます。その中身とは、勧誘できなかった人への脅迫なんです。トレーナーが個別に尋問して受講生を見抜き、殴るE蹴るなどします。ひどい時には、他の受講生がその人に対してのフィードバックをやります。まさに小・中学校のいじめではないでしょうか。
「あんたね、そんな態度とってると絶対にエンロール(勧誘)に成功できないよ」など、まるで、優等生が劣等生に対してバカにしているような言い方です。そんなに追いつめられるまで勧誘はしたくないという人がここで特に続出してやめる人が出ます。
勧誘の方法は散々書きましたので省略します。とても人間がやるような勧誘方法ではないです。何かに取り付かれたように。
・電話が恐い
第3段階での最初に「パートナーとアシスタントに毎日必ず電話を入れる」というグランドルールがあったということをお話しましたが、勧誘に失敗すると気分的に電話したくなくなります。しかし、電話を忘れるという事は絶対に許されません。忘れると夜中の2時3時に突然電話がかかり、「どうして電話忘れたの?あなた、寝ている暇があったらエンロール(勧誘)に行きなさい」と脅迫が始まります。この脅迫は普通に勧誘に失敗した時でも脅迫されるので、だんだんと電話に近づかなくなり、いずれは電話のベルの音でさえ恐くなるというノイローゼ状態となってしまいます。
セミナー内では言い訳や泣き言は許されない行為なので、言い訳してると「そんな事言ってる暇あったらエンロール・・・」とまた勧誘の話となる訳です。
・勧誘者がなぜ感動するの?
逆に勧誘に成功して、勧誘された人(俗に「子供」という)はセミナーの第1段階を受講します。勧誘した側にとっては「子供がセミナーで無事終了してくれて自分達と同じように感動してくれないかな?」と期待しています。
さて、第1段階の最終日、受講生は子供がこの第1段階に参加してる、してない係らず全員集めます。(ここでも契約外の集合が)子供がセミナーをやっている受講生は花束を持っています。当然第1段階をやってる時に待機しているのをばれないように静かにしています。
そして、第1段階のグラジュエーション。勧誘に成功した受講生は第1段階での受講生がそのセミナーを振り返っている時に(この時子供は目をつぶっています。第1段階の説明を参照)静かに子供の前に行きます。そして、トレーナーが、「目を開けて下さい」と言葉で子供が目を開けると子供はびっくりしています。(これも第1段階参照)そして、「投票の実習」での「4」の出し合い。要するに抱擁ですね。これが永遠と続きます。
子供が「誘ってくれてありがとう」なんて言われると今までの勧誘した苦労がふっとんだ気持ちになって子供よりも勧誘した側が逆に泣いたり感動したりするのです。
逆に勧誘していなかった受講生はどうでしょうか。こういう感動した場面をみられると、「自分もああしたいな」と思い込み、勧誘の意欲が沸いてきます。危険ですね。
・おかしいと気付いた受講生
ある強制に集合した日、勧誘に成功した人が抱き合っていました。そして突然、ある受講生が「この勧誘はおかしいよ。絶対におかしい。私はもう勧誘をしません」と叫び出しました。それに同意する人が約2割位います。そこで、受講生同士の対立抗争が始まります。「どうして諦めるの?」「ここまでエンロール(勧誘)をしてきたのにどうして?」など、残り8割の人は徹底的に尋問します。
何分か経って、トレーナーが一言。「諦めた人、私はもうあなた達の事については何も言いません。好きなようにやってください。残った人で目標を達成しましょう」と言います。
この方法は、一時的な精神的ダメージがすごいですが、後が非常に楽になります。勧誘しなくてもいいのだから。あと、殴る・蹴るもなくなるし、家にも早く帰れるし。まだ社会復帰ができる可能性を持っています。しかし、トレーナーは非常にイヤミっぽく言うのでかなりムカつきます。その上、「勧誘しない人」の存在を無視する様になります。
これも小学生の「いじめ」の構造そっくりです。自分(トレーナー)の意見に逆らう奴は「シカト」しよう。そして、いじめてやろうぜ。まさに「セミナー」=「小学生」です。いるじゃないですか。自分中心に世界が回っているという大バカ者が。そして逆回りしている奴は抹殺する。歴史上の人物ではたくさんいます。しかし、ほとんどは失敗しているのです。
それを「セミナー」という超閉鎖的な世界だけで再現させているのにすぎないのです。
・契約期間の11週間が経ったけど
さて、11週間が過ぎました。この日がセミナー第3段階が終了する日なのですが、まだまだ勧誘が続けられているのです。どうしてか説明します。この最終日の前日にトレーナーはアシスタントに「まだ目標に達成してないから、もう2〜3週間延長するように受講生に忠告してくれない?」と裏でアシスタントを操作します。
そして、アシスタントは各グループごとの受講生に対して、セミナーの延長をほのめかす様な事を言います。「あなた、まだ目標に達成してないでしょ。もうちょっとやって(勧誘して)みない?」などと期間延長を遠回しにして受講生に言います。ほとんどの受講生はアシスタントの巧みな話術と逆らっても無駄だというのをわかっているので、言うことをききます。
しかし、中にも例外がいるもので、「どうしてまだ続けるの?それって契約違反じゃない?」と反発する人もいます。それを見計らったようにアシスタントが一言。
「ふーん、せっかくあなたが立てた目標(勧誘数)に達するように少しだけ時間をあげたのに、そういう事言うの。いいの?目標に達しなくても。あなただけの目標じゃないのですよ。セミナー受けている人全員の目標なんですよ。それでもあなたはやらないの?自分勝手なんですね。あなたって。自分がよければそれでいいのね。じゃ、勝手にやって。」
今までセミナーにロボットのように操られてた人は、ここで謝ってセミナーの期間の延長をよぎなくされます。ここでやめる人はまずいません。そんな人がいたら、とっくの昔にやめてるはずですからね。いやいやながら勧誘が続けさせられます。
予告なし、しかも誰の承認も得ず勝手に延長され、束縛されるのですよ。信じられます?一般社会内なら袋叩きものですよ。
・長かった勧誘
約15週間ほどになって(セミナーによっては前後2〜3週間ずれがありますが)やっと、最後のトレーニングになります。(契約上では11週間です) さて、このトレーニングは何をやるのか?・・・これは今までの結果によって対応がまちまちなのですが、いくつか例をあげますと、
- 土曜日に一日中勧誘を続け、日曜日に報告をして終わり。
- しめやかにパーティーを開く
- 受講生全員で旅行にいく
- 2回目のトレーニングでやった事をもう一度やる。
と、まあこんな感じですが、ここまでくると、「勝手にやって」ですね。さて、受講生がどんな状態の時にやるのか説明しますと、
- 絶対に目標を達成すると誓っているセミナー中毒者何言ってもダメ。勧誘に命を賭けている
- 勧誘をあきらめている社会復帰者セミナーでは劣等生ですが、一般社会ではまだ大丈夫
- 全員の目標を達成した「勝手にやれば」組後で話しますが、「上級セミナー」にハマります。
- セミナーの趣旨が分かってない人まだ社会復帰の可能性があります。
と、こんな感じです。
最終日の日曜日、全員が集まって最終勧誘者数の報告をします。目標が達成できれば、トレーナーは「おめでとー」の一言で後は何もしません。裏では、「金儲け」しか考えてないのですから、口先でしか「おめでとー」としか言えないのです。
トレーナーも社長からのノルマがあるらしく、それによって給料が上下されるそうです。それでも年収は最低1,000万円ですからね。
そして、評細をイヤミっぽく言い、(「目標を達成できなかったしねー」など)最後に例の「ゆりかご」をやります。(さすがに裸にはならないけど)そして、恒例の「紹介者とご対面」です。花束もって、「おめでとー」なんてわざとらしく言うのは第1段階と変わってません。
そして、トレーナーは受講生を一人一人を別室に誘い、感動を分かち会ってるのかと思いますが、とんでもない。トレーナーは同じ会社の上級のセミナーの勧誘をしているのです。
- 上級セミナー
一度、自己啓発セミナーを体験した人だけ受けられるものですが、料金は第1〜第3段階合わせて150万円位かかるのです。それを、感動やりまない受講生を誘うトレーナーは悪魔ですね。
内容は、社長自らトレーナーとなってセミナーが開催されるのですが、追いつけない人が続出し、第1段階でも半分の人がやめていくというものなんです。でも、やっている事は、「勧誘」なんです。
そして、受講生は第1・2段階のグラジュエーションに。感動を分かち会おうというものです。
