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メンテナンス


エレクトロニクス関係

車速信号異常

 

修理

 

公開日16/06/14 最終更新日16/06/14

状況 修理 まとめ    

< 内容 >
状況
ビートの走行中家に着く直前に突然カーナビ画面に「車速信号線が外れました」と言うエラー表示が出ました。

普通に考えると車速信号線が外れてしまったと考えるべきなのでオーディオ配線から取っている車速信号線を見直すことに。

ところが配線接続に異常は見られず導通チェックは問題なしの為、信号線が来ていない原因が分からないので、再度ビートを走行して確認して見たら速度メーターが0km表示のまま・・・・。

メーターの他の表示(エンジン回転数、水温、燃料計など)は生きており速度計にだけ信号が来ていない事と同じくカーナビの車速信号が来ていないと言う事を踏まえると配線が外れたというよりもミッションについている車速センサーが壊れたと考え、ディラーに部品注文を確認したところ、在庫があるので発注しました。

この時点でメーターについては一度修理をしているので速度メーターの故障は考えにくく、カーナビの信号線が来ていないと言う事からも大元の速度センサーが壊れたと考えました。

今回の不具合状態で走行していると車速信号が来ていないためにECU側で異常としてエンジンチェックランプが付きます。
一度、エンジンを掛け直すとランプは消えますが暫く走るとまた点灯しました。

完全にECUが車速信号が来ていないことでエラーが発生していると言う事。

修理 
センサー部品取り付けは部品注文ついでにディラーにお願いすることに。

部品が届いて交換をディラーに依頼すると部品交換しても直らないという知らせが・・・・。

新品センサーに交換しても症状が直らないと言う事はセンサーに問題がないと言う事とセンサーのギアを見てもらってもギアが欠けて壊れたわけでもないと言う事。

センサー以外に不具合原因が他にあると言う事でディラーから直らないままビートを引き取ってきました、 
おかげで部品と作業工賃代がかかったのに直らない・・・・・(涙)

 

再度、ディラーにビートを預けて調べてもらうのも手なのですが、その前に一度、自分で確認して見ることにしました。

私は元々パソコンの不良解析で基板修理業務に携わっていたのでその当時の経験を踏まえて配線を調べて見てみることにしました。

車速信号が来ていないと言う不具合はメーターとナビのどちらにも信号が来ていない状態。

そもそも車速センサーの信号は、メーターとECUと純正オーディオにそれぞれ分配されており今回、車速センサーを新品交換した時点で大元のセンサーに異常が無いのでそこから各部に信号を供給しているハーネスが断線している可能性も考えられます。

又、ECUは走行中にチェックランプが付くことからも車速信号が来ていない異常をECUが検出していると考えECU本体には問題が無いと考えました。

尚更、ハーネスに異常があると考えたので再度、純正オーディオを取り外して信号線の状態を確認して見ることにしました。

ナビの信号線はCarr製ナビなのでピンク線で車速信号を取っており、ナビは配線がむき出しで確認しやすい状態だったのでこの信号線に他の影響が無いかの確認としてテスターで信号線とGND間を確認。

そうしたらテスターのブザーが鳴りました!!、

テスターのブザーは100Ω以下ぐらいまで音が鳴る筈なので車速信号線とGNDがショートしていると言う事になります。

GNDはバッテリーの-端子側なのですが、アースはボディ全体を指すのでどこでショートとしているのか絞り込む必要があります。

取りあえず純正オーディオを外した状態で導通チェックをしてみたら車速信号とGND間がオープンになりました。

そうすると純正オーディオの内部で車速信号とGND間がショートしていると言う事になります。

純正オーディオは速度が上げると音量を上げる機能が付いて居る為に車速信号を貰って車速に応じて音量を代えているのでこの部分の構造が壊れたことが原因でGNDとショートしてしまい、 車速信号がL(DC0V)に落ちて信号出力が出ていない状態になってしまったと言う事なのでしょう。

予測ですがオーディオの基板や半田の故障ならばオープンにはなってもショートにはなりずらいのでIC等の電子部品の故障でGNDに落ちたと考えます。

また、車速信号線の出力が小さいのでGNDに落ちて「L」になったままで済んだお陰で発熱や焼損などの不具合も起きなかったと考えます。

もし高電流が流れる信号線とGNDがショートすると過電流によるヒューズ切れ、最悪燃えていた可能性があります・・・・・。

一度、純正オーディオを外した状態で車を走らせたらメーターもナビも正常に動作しました。

問題の純正オーディオとコネクタケーブルの車速信号線を切断すれば良いのですが、
今後、壊れたら寿命であると考えてケーブル切断はせずに純正オーディオの車速信号の端子を折り、車速信号線と接続されないようにしました。

再度、取り付けて走行した所、問題なし。

問題の純正オーディオの機能はすべて問題なく動きましたので車速による音量切り替えだけ動かないだけで問題ありませんでした。
この機能、大分前から壊れていた気がします・・・・それが更に壊れた事で車速信号まで殺してしまうようになったと考えます。

純正オーディオも音が変動してしまう不具合で一度自分で直した経験からもおそらく同じような場所が今回壊れたのでしょう。

今回の事から次に純正オーディオが壊れたら寿命として社外品オーディオに交換するしかないでしょう。

本来であればセンサー交換時にマニュアルに従って信号線の状態を確認していれば原因の特定に繋がったと思いますが通常部品交換が中心の作業ではここまで確認しないでしょうから、今回のように原因不明になってしまいます。

取りあえず、不具合原因が分かった事で修理できました。

部品番号         部品用品    数量  部品代
78410-SV4-003         センサーASSY      1個   7992円

まとめ 
今回たまたま不具合の配線導通チェックを行った事で発見につながりましたが、
今後の課題として通常の整備(オイル交換など)や機械部のメンテナンスはディラーなどの車屋さんにお願いするしかないですが、車屋さんはどちらかと言うと機械屋の方なので、今回のような電気、電子系やその車専用の機能になってくるとノウハウと言う意味で直るまでに時間がかかったり最悪原因特定が難しくなってくる気がします(個人的推測ですが・・・餅は餅屋と言い切れない・・・・)。

不具合の原因が分かっても不具合原因個所の特定にまでたどり着くのが大変な気が・・・。

構造が比較的簡単であるビートでも原因特定が難しい不具合が発生してくるとなると、今の電装系が沢山ついた車で電装系のトラブルになると大変な気がします・・・・今のハイブリット車とか・・・・・。

車を長く乗ることは車を維持する上でメンテナンスと修理対応が出来る事を要求されるようになるのでディラーなどの販売店だけでなく、整備工場や専門店の確保、そしてオーナー自身である程度対応できるようになる必要性を感じたりします・・・・。

だからと言ってそれらの対応も限界があるし壊れる箇所も偶発的でしょうからどこがどのように壊れて直せる直せないも段々と運の気もします・・・・・。

又、内装の電装系は太陽の熱と紫外線でかなり痛めつけられていると考えるべきです。

純正オーディオの故障も年数から寿命と言えばそれまでですが、恐らく太陽光を遮断した環境ならば壊れる確率が違ったと思います。

私の場合はサンシェードをつけるくらいしか対応する術がないですが・・・・・。

今回の不良は未だに純正オーディオを使って居た為に発生した珍しい不良かもしれませんが、 純正オーディオの故障で過去に直した経緯から、今付いている無限製ショックは比較的路面の凸凹で突き上げ時の衝撃が強いのでショックが純正品やもう少し衝撃が弱いショックならば振動による基板への影響が少なければ純正オーディオの故障への影響が少なくなっていたかもしれません・・・・・。

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