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◆駆動系◆

クラッチ交換

 

クラッチ交換について

公開日02/03/12 最終更新日09/04/18

状況 作業 組み立て 問題 まとめ

< 内容 >

状況

 

 

   
点検でクラッチが擦り減っていると言われたのが走行距離4万km時に言われました。
経済的理由で1年延期させ2000年12月に実施を決定。

サーキット走行は数回程度でしたが実際に町乗りで半クラを頻繁に使った事とリアタイヤサイズ255に変更した所為、クラッチに余計に負荷が掛かった様です。

クラッチ交換時の走行距離は5万kmまで引っ張ってから作業を始めた所、エンジンヘットカバーからのオイル漏れ、レリーズベアリングがクラッチキットに含まれていない事から追加部品を注文。

エンジンの オイル漏れですがVTECエンジン特有の現象だそうです特にNSXはV型エンジンの為、オイルが漏れやすい構造みたいです。(オイル漏れについてはエンジン項目にて説明しています)

作業

       
2001年にようやく作業開始
整備書が無いので持っていた部品書を元に内部構造の確認にて分解の目安をつけました。

部品書は部品注文だけでなく内部構造の確認に利用出来ます。

足回りは全部ばらすと言う事になり作業もクラッチ、パッキング類、LLC交換、ミッションオイル交換、などを一緒に行う事になり大掛かりな作業になりました。
ドライブシャフト、リアアームはほとんどばらされて足回りはスカスカ状態。
実際、ディーラーに作業の確認をした所、リアの足回りを外さないとクラッチ交換は出来ないそうです。

エンジンマウントが1個、ミッションマウントが3個でエンジンを支えている為、ミッションを下ろす際にはエンジンは台に載せた状態にするしかありません。

 
ミッションを下ろす際、NSXはプル式(クラッチ切る際の動作が引っ張るタイプです)である事が判明、日本車ではGT-R、FDぐらいで殆どの車はプッシュ式だそうです。

実際にエンジン、排気関係はそのままにしてあり、ミッションと足回りのみのバラしています。クラッチを外して見ると内側が真っ黒に汚れていました。
これはクラッチが擦り減った粉と油で汚れるそうです。
ディスクカバー側のクラッチがギリギリまで擦り減っていました、2枚目のクラッチはもう少し持ちそうでした。←(貧乏性) 

組み立て

       
リング、の交換、均等にはめ込む為に素直にはまらなくて苦労したようです。

下記で述べていますが、クライホイールの取り付け時にリングを忘れる場合があるので注意してください。クライホイールはフジモリ製の4.3kgをこの際と言う事で取り付けています。(純正が8kgぐらい)

純正ツインプレートですが位置決めをちゃんとすればそれ程苦では無いようです。

尚、2枚のプレートはバランスマークに従って180度対象に付ける指示があります。
結局、組立は順調に進みましたが左側のドライブシャフトのはめ込みの際にシャフト側のリングが邪魔してはまらなかったようです。グリス不足が原因でした。

問題

       
組立が終り確認作業に移ったら何とクラッチが切れないと言う障害が発生。

再度バラしてクラッチの取り付けを確認して組み直しを行なったものの変わらず直りませんでした。
フォークでレリーズベアリングを引っ張りディスクとフラーイホイールと切り離しているようです

丁度、購入していた整備書などを見ながら検討した所、「クラッチの取り付け方ではなくフォーク側の動きが足りないのでは?」との話しクラッチのエア抜きなどをしても変化無し。

フォークの動きが足りないので新品カバーのバネが強くて引っ張りきれていないのでは?と言う憶測まで発生・・・・。

クラッチが切れないと言う現象は普通はクラッチディスクの取り付け向きを間違ったりしたぐらいが原因らしいのですが理由がさっぱり・・・

次の日、横浜にあるNSXを手がけているアドバンストに電話をした所、社外品のクライホイールの取り付け時にリングを忘れている事が判明。

再度、取り付けを行なった所・・・・現象に変化無し、残るは油圧部の問題だろうと言う話しになりました。

 
再度、電話で確認した所、「初期モデルはマスターシリンダーが弱い」との事、10年間の使用でシリンダーが弱ったと断定、すぐに部品の発注を行ないました。

取り付けによってホークの移動させる力は強くなりましたが、クラッチは切れず・・・。

再度、分解にてクラッチが少し曲がっている事が判明、どうやら取り付け時によるもの、社外品のフライホイールを純正品に交換どうもフライホイールの厚さに違いがあることが判明。

結局メーカーに解析依頼を実施

 
メーカーの回答は夏まで遅れましたが・・・・・・。

NSXの場合、取り付けで同じような不具合が発生した事例が有ったそうです。
クラッチの寸法を削る事は出来るが保証の対象外になると言う回答からフライホイールの交換を断念、純正のままにする事になりました
(何の為の交換なんだか分からない結果となりました)。

まとめ

       
しかし、こんなにクラッチ交換で悩むとは予想していませんでした。

MTのNSXを乗っているのならクラッチ交換は必要になりますから、オーナーの方は考えていいと思います。
社外製のメタルにした場合、ダイレクトに繋ぐようになる為、クラッチの切り方を荒くするとミッションにダメージが来る為、扱いに注意が必要らしいです。

初期モデルはクラッチだけでなくレリーズベアリング、マスターシリンダ等すべて交換する考えで行なった方が得策です。

普通車のつもりでの簡単(コスト的に)に交換は出来ませんが最低限の投資をした上で実施した方がいいと思います。
隣に実際に使用した純正部品、社外品、ミッションオイルを載せて置きます、まあ・・・・高いですね。

クラッチに交換した部品一覧 クラッチキット、
レリーズベアリング
リング
マスターシリンダ
マスターストッパ

フジモリ製クライホイール4.3K
(返却)
ミッションオイル4リッタ

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