■ 前へ戻る   ■ 偶然に感謝せよ。

      
   
   

13.エンドレス

   
         
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 夕食を一緒にどうだ、とにこにこ顔のドレイクに誘われて、ミナミはそれを快諾した。

「まだ少し時間があるでしょうから、庭でも散歩します?」

「ああ…」

「わーい。タマリったらヤーな感じに邪魔しちゃお。ハルちゃんとみーちゃんの」

「ダメですよ、何言ってんですか、タマリさん。ミラキ邸では食事の支度を手伝うのが決まりなんです、居候の」

「えええ! そんなん聞いてないよ、アタシ! いつからそーなったの、レイちゃん」

 前庭に置かれているガーデンテーブルに落ち付いて紅茶を頂いていたミナミをハルヴァイトが散歩に誘い、じゃぁ、とミナミが立ち上がるよりも早くタマリがハルヴァイトに飛びつこうとする。が、慣れたもので、そのタマリの背中を咄嗟に引っつかんだイルシュが、彼をひきずって屋敷に戻りながらも、そんな、ドレイクも知らないような決まりをきっぱりと言い切った。

 さすが、第七小隊。か? イルシュ、なかなか機敏。

「知らねぇぞ、俺ぁ」

「そりゃそうだよ、おれがそう決めたんだもん。居候の身で何もしないの、申し訳ないから」

「アタシは申し訳なくないよー、イルちゃん?」

「でもダメ。タマリさんも何かするの」

「ううううう。どうしよ、このコ。意外とマイペースなんですけど。つうか、アタシは客じゃぁ!」

「へー」

 まるでタマリの話など聞いてないような顔のイルシュが、ずるずると彼を引きずったまま屋敷に消える。それを思わず唖然と見送ったドレイクとミナミだったが、ハルヴァイトだけはくすくすと笑っていた。

「……すげーな、イルくん…。タマリに負けてねぇし」

「ああ。こんでスゥも随分気苦労減ったろうよ」

 ブルースの事がなければ、か?

 椅子から腰を浮かせたままのミナミは、まだ屋敷を見ている。その横顔からハルヴァイトに視線を移し、すぐ、ドレイクは黙ってテーブルから離れようとした。

「……ミラキ卿も、庭…」

「いや、俺ぁいいよ。ハルが、さっさと部屋に帰れ、って顔しやがってるのは気に食わねぇが、今日ばかりはミナミに免じて邪魔しねぇでいてやる」

「? 俺…」

 消えたタマリとイルシュを追いかけるように屋敷へ爪先を向けたドレイクが、くる、と首だけを回し、灰色の瞳をミナミに据えてから少し意地悪そうに笑った。

「…なんかしたっけ?」

 きょと、とハルヴァイトを見上げたミナミに、恋人が笑顔で首を傾げて見せる。

「さぁ」

……。ハルヴァイト、本当に気付いていないのか…。

「なんでもねぇ、心配いらねぇって顔してるくせに、結局、アリスんトコからハルを追い帰したのは、なんでだ? ミナミ」

「………………………。なんでって……、ギ」

「ギイルとハルが揃って応接室に居たら狭ぇなんて言うなよ? フェロウ邸の応接室は、そんな狭かねぇぞ」

 今日は意地でもミナミに本当の事を白状させたいのか、ドレイクはミナミが何か言いかけた途端に、それを遮るようなタイミングで…ミナミの言おうとしていた事をすらすらと言って退けた。

 ミナミ、思わず口を閉ざす。

「言っとけよ、ミナミ。「そういうコト」ってのはよ、「そう思ったとき」に言っとかねぇと…………………一生言いっぱぐれるぜ」

 言い置いて、煌くような白髪が旋回する。軽く振った手と、あんまり遅くなんなよ、と付け足された言葉だけを残し、ドレイクはハルヴァイトとミナミから離れていった。

「…これはつまり、どういうこ…」

「ミル=リーさんがアリスんトコ来るって、俺はずっと前から…本当は…知ってたんだよ」

 屋敷に飲み込まれたドレイクの背中を見送ったハルヴァイトが、ちょっと困ったように鋼色の髪を掻き揚げるのを見上げていたミナミが、ドレイクにそう言われたからなのか、珍しく少しふて腐れたように呟いて、さっさと庭の小道へ入って行ってしまう。

「? 知ってた?」

「……ミラキ卿…ここまでは知らなかったと思うけど、ミル=リーさんにグレース嬢の件で相談持ちかけた時、ミル=リーさんの部屋でレジーナさんのグラス見つけて、それで、ギイルの話になったんだよ。そしたら彼女、全面的に協力する代わりに、どうしても、ギイルに会わせてくれって言い出してさ…。それで…あの……全部丸く収まったらなって俺は言って、ミル=リーさんもそれでいいつって、グレース嬢の件が片付いたって謹慎明けにアリスから聞いたから、俺…ミル=リーさんに、今日、なんでもいいから理由つけてアリスんトコに来て欲しいって…そう…言ったんだ」

 慌てて追いかけて来るハルヴァイトを待とうともせず、両側に艶めいた緑の並ぶ小道を泳ぐように進む、ミナミ。これが居住区であれば、目に見えない緊張を纏い、内心の恐怖を抑え付け、あの静謐な観察者の瞳で都市を見つめ俯く事も目を逸らす事もせず漂うように意志を持ち、前へ進めという強迫観念で目的地を目指すのだが、今日は誰も居ない、ハルヴァイトしか居ないミラキ邸の穏やかな庭園だからなのか、彼は、幾重にもベルトを回したパンツのポケットに手を突っ込み、俯いて、ゆっくりと、すぐにハルヴァイトが追いついて、追い越してしまいそうなほどゆっくりと、咲き乱れる小ぶりな藤色の花の中を泳ぐ…。

「……俺が言ったんだよ、来ててくれって…。だから、判ってたから」

 しばらく無言で進み、いつもそうであるようにハルヴァイトが何も言い出さないのに耐えられなくなって、ミナミは顔を上げた。

 あずまやの屋根が視界に飛び込む。今は懐かしい、ミル=リーと始めて言葉を交わした場所。その周囲に咲き誇る大輪の蘭にはまだいささか早いらしく、瑞々しい黄緑色の葉と茎の先端には、固いつぼみが付き始めたばかりのようだった。

「フィンチ」の嘴を思い出す、固く結んだ柔らかな先端。「フィンチ」はその嘴を開いて異常電波を吐き、敵対する魔導機を狂わせる。

 では、蘭の花は? 嘴に似た花弁を開き甘い香りを振りまいて、何を、狂わせるのか。

「……アンタに…会って欲しくなかったんだよ、俺は」

 何もないと判っていても。

 もう終わってしまった事だったけれど。

 ミル=リーを疑った訳でもないけれど。

 それ、が万にひとつの偶然で再燃したら、と…。

「それだけ」

 ミナミは殆ど怒っているような口調でそう吐き棄てて、足早にハルヴァイトから離れようとした。

「ミル=リー嬢は、アミさんの店で彼女に「かわいい」といってくれた男性に恋をしたそうです。彼女がもう一度彼に再会出来、彼が「彼女」を好きになってくれたらいいですね」

「……………」

 踏み出しかけた足を停め、ミナミが傍らのハルヴァイトを見上げる。

「彼はその場で彼女に贈り物をしてくれたそうです。わたし自身、そういう不確かなものはまったく信用していないんですが、彼と彼女が「偶然」引き合わされる事があってくれればいいと思います」

 ハルヴァイトは口元を微かに綻ばせて、じっと見つめてくる恋人に小首を傾げて見せた。

「例えばその「偶然」が、偶然でなくても、ね」

 囁いて、不透明な鉛色の目を眇める。

「偶然は、不確定要素率の高い選択肢のひとつであって、始めから全く「ない」のに突然出現し時間的進行方向前方に置かれる運命領域の分岐点、ではありません」

 すこし、意地の悪い事も言う。

「意味判んねぇって…」

「「偶然」も、求めて望んで、そう行動する事によって、選ぶことが出来るという意味です」

 ミル=リーのように?

「でも、さ…」

 さっさと歩き出したハルヴァイトを慌てて追いかけ、ミナミは何か釈然としない気持ちでそう呟いた。

「重なり合って連鎖する「偶然」は、本当に偶然なのでしょうか? どこかで誰かが、その偶然に遭遇するように立ち回っていないと、誰が言えるでしょうか。意図的、無意識、その他諸々が係わりあって、本来なら偶然でないものが偶然に見えているのかもしれませんよ」

「ちょっと待て、どうしてアンタはここでそんな難しい事俺に吹っかけてんだ?」

 理解出来ないほどではないが、ハルヴァイトの平然とした物言いがなんだか癪に障る。

「ただし、ひとはたったひとつの「偶然」を、誰もが等しく持ち合わせています」

 あずまやの屋根が、迫る…。

「…たったひとつ…」

 溜め息のように囁いて立ち止まったミナミに、ハルヴァイトが向き直った。

「感謝を。誰に、でも構いません。誰でもいいし、自分でもいいです。

 今この世に生き同じ時間を過ごす幸運を手に入れられるかどうかは、最初の「偶然」が決めてくれるものです」

 同じ時、同じ場所に生まれた、偶然を感謝せよ。

「キス、していいですか?」

 ダークブルーの瞳が手の届く場所にある事を感謝する。

「いいよ」

 そのひとが今ここに居てくちづけを交わす幸せに、感謝する。

「触っていい?」

 抱き締められるという些細な平凡に、感謝する。

「どうぞ」

 触れそうな唇でハルヴァイトがそう囁き、ミナミは、広げた両腕を彼の身体に回して、ぎゅ、とか弱い腕で抱き付いた。

 壊れ物でも扱うような柔らかさで背中に回された手と、刹那触れて離れた唇。ゆっくりと持ち上げたミナミの睫がハルヴァイトの顎に掠ると、彼はちょっとくすぐったそうに笑った。

          

          

「メシじゃぁ」

「………あのさ…」

「他に何か言い方はないんですか? タマリ」

「ないっ! メシつったらメシ! つか、いつまでもンな場所でいちゃついてんじゃねぇにょ!」

「…にょ?」

「噛むなよ、そこで…」

 うあちゃぁ、かっこわる! と…あずまやのベンチに腰を下ろしていたハルヴァイトとミナミの正面、突然植え込みの中からぴょんと顔を出したタマリが、周囲に溶けこんでしまいそうな黄緑色の髪に枯葉をくっつけて半べそをかく。

「うう、独りモンのタマリさんに対する嫌がらせだぁ、仲良くいじめるなんてぇぇ」

「………というかですね、タマリ。あなた、何の目的でこの前からわたしたちに付きまとってるんですか?」

 植え込みからもたもたと(…またもや)柵を乗り越えて小道に戻って来ようとするタマリの首根っこを掴んでぶらさげたハルヴァイトが、かなり座った目つきで少女っぽい照れ笑いを睨む。

「ミラキの件なら…」

「ああ、ちゃうちゃう。それじゃないの。しかも、アリちゃんとこで会ったのは「偶然」でね、顔出してみたら、案の定ハルちゃんとみーちゃんが来ただけ」

「偶然」? とミナミは思ったが、それにはあえて突っ込まず、無視する事にした。

 絶対何かやってそうなのだ、ハルヴァイトもタマリも…。それを理解したいとはさすがのミナミも、思わない。

「ん。んで、なんでアタシがこうもあちこち出て来るのかってーとだ。

………レイちゃんに相談するよりハルちゃんの方がいいんだろうから言うけどさ、ウチ(第七小隊)のちびどもが、どーも仲悪くってまいってんのよ」

 小道に降ろされたタマリが、がしがしとショートボブを引っ掻き回しながら溜め息混じりに呟く。

「あの、うん、みーちゃんが居るときは言わないどこかなーとかアタシは思ったんだけどさぁ、そういう気の遣い方って、どうも性に合わないのね。だからこのまま続けっけど、仲悪いつっても、別に喧嘩してるとか険悪ムードばりばりでタマリ泣いちゃう、とかでもなくて、つまりさ」

「魔導機のシンクロ陣が立ち上がらないんでしょう? または、立ち上がっても崩壊する」

 ちょっと言い難そうにするタマリの努力も空しくさらりとそう言って退けたハルヴァイトが、まるでそんな些事には関心なさそうに、さっさと屋敷に向かって歩き出した。

「あう。でもでも、普通はふつーにお話したりとかなんとかかんとかするんだよ? なのに、訓練つうとどうもねぇ、ってなんの。それってさ、いちおー上官らしいタマリさんとしては、すっげ心配な訳じゃん」

「放って置きなさい。お節介は、ドレイクだけで結構です」

 手招きされてハルヴァイトに追い付いたミナミが、ぶーぶー言いながら後ろを着いてくるタマリと涼しい顔の恋人をしきりに見比べる。

「ハルちゃん冷めてーつの。あんたちょっと責任感じろ」

「なんの責任ですか? いいでしょう。もしわたしがなんらかの責任を感じてその問題が解決するというなら、いくらでも」

「つか、既に無理だろ、その言い方じゃ」

 このひとは責任という単語を理解しているのか? とミナミは一瞬不安になった。

「どちらにしても、例えばわたしがブルースくん土下座して謝っても、その問題は解決しませんよ」

「ほえ? なんでー。シンクロ出来ない原因って…」

 きょとんと大きな瞳を見開く、タマリ。

「ごめん、ちょっと先にいい?」

 歩調を緩めたタマリを振り返ったハルヴァイトが何か言おうとしたのを遮って、ミナミがタマリに問いかける。

「それさ…、その、シンクロ出来ないっての。ブルースくんとかイルくんは、タマリやスゥさんに何か相談して来た?」

「ううん。あのコらね、意外と負けん気強くてね、余程でないとアタシらに助言求めたりしないんだわ」

 タマリの不思議顔に小さく頷いたミナミが、ダークブルーの双眸でハルヴァイトの横顔を見上げる。

 観察者の瞳。静謐な瞳。全てを、全て、見透かそうとする。

「じゃぁふたりには、シンクロ出来ねぇ理由、判ってんの?」

「そうなりますね。あのシンクロ陣はイルシュの描くもので、ブルースくんの命令を受諾出来るよう臨機応変に電速を落として、始めて正常に稼働するんですよ。それなのにシンクロ出来ない、出来てもすぐに崩壊するのは、タマリ」

 ハルヴァイトは、全てを。

「イルシュの方が、ブルース少年を拒絶してるんです」

 知っているのか。

 神のように?

 まさか、と失笑。

 これは、鋼色の悪魔。

「…………そこまでは、アタシとすーちゃんだって判ったよ…。もしかしてブルースがアクセラレータでも取り付けてんのかと思ってさ、アタシが調べて、それで、イルちゃんがブルースに合わせてるんだって知ったから。だから余計にかわいそう…」

「放っておけ」

 本当に冷たく言い放ったハルヴァイトが、再度タマリに背を向ける。

 タマリが何をして欲しくてハルヴァイトを追いかけ回していたのか、ミナミには判らなかった。所詮どうあっても、ハルヴァイトは…何もしてはくれないだろう。

 ミナミにも判ったのだから。

 これは。

「原因はブルースくんでなくイルシュにあると言いましたよ、わたしは。問題はイルシュなんです。彼がブルースくんを「理解」出来ないんです」

「でも、だからってほっとけないよ!」

 言い募る、タマリ。タマリも、本当は判っているはずだ。

「すーちゃんもアタシも、他のふたりもそんなの判ってるんだってば…。でも、アタシらは同じ小隊の仲間で、同じフィールドに立つんだから、なんとかしてやりたいじゃん」

「周りが騒ぐのこそ、無駄だ」

 吐き棄てるでもない、平坦に言い置かれたセリフ。

「…他になんか言い方ねぇのか、アンタは…。

 あのさ、タマリ…。もしシンクロ出来ないままで、イルくんなりブルースくんなりが小隊からの除名を求めてきたら、それは…それまでだつって諦めるしかねぇんじゃねぇかと、俺は思うんだよ。突き放した言い方で悪いけどさ…」

 言葉少なというよりも、殆ど結果しか言わないハルヴァイトに代わって、ミナミがとつとつと話し出す。

「やっぱそれってルくんの内情が絡んでんだしさ、周りがどうこう言っても、ダメなもんは…ダメなんだよな。

 でも…さ。

 イルくんもブルースくんも、…今は…、それをどうにかしよって必死なんじゃねぇかと、思いたいよ、俺は。だからタマリにもスゥさんにも相談しねぇでさ、お互いを理解しようって普通に付き合ってさ、ふたりは、多分、「魔導師」になろうって必死なんだよ」

 取り返しの付かない事を、避けるために。

「だからもう少しの間だけ、ふたりに任せたらいんじゃねぇ?」

 と。いったような事をハルヴァイトが言いたかったのかどうかはさて置き、とにかく、耳障りのいいミナミの静かな口調と穏やかな日暮れの庭園、それで少しは落ち付いたのか、最後にミナミが確かめるように小首を傾げると、タマリはちょっと照れた笑みをミナミに返した。

「みーちゃんがそういうなら、そうする。ハルちゃんは、隙見て蹴飛ばすけど」

「そういえばタマリはよく、わたしを蹴飛ばしましたっけね、以前は」

「だって、タマリハルちゃん嫌いだったもん」

「過去形なのな」

 くす、と微かに口元を綻ばせる、ミナミ。それにタマリは、思わず見とれる。

「…みーちゃんさ、ハルちゃんと別れてタマリと一緒に暮ら」

 タマリは、そのセリフを最後まで言わせて貰えなかった。全部をいい終わる前、というか、言い始まってすぐにいきなり胸倉を掴まれ、思いきり乱暴に小道を飾る植え込みの根元に転がされる。

「にゃーーーーっ! ぼーりょくはんたーい! たすけてーーーーみーちゃーーん!」

「わたしのミナミに助けを求めるな。それと、口説くのもやめろ」

 瞬く間に視界から消えたタマリと、いかにも不機嫌そうなハルヴァイト。

 ミナミは内心苦笑しつつも無表情に、睨み合うふたりの魔導師を残して歩き出した。

 付き合ってられるか?

 さっきまでの緊張などなかったもののように騒ぐタマリとハルヴァイトの声を背中に、ミナミはひとり憂鬱な溜め息を、ひとつだけ、吐いた。

「…ミル=リーさんとギイルの件でいい事あった、とか思った途端に、これかよ…」

 だからこれは悪いけれど、と思って、ミナミは、ドレイクの私室リビングのテラスに出て手を振っているイルシュの笑顔を目に、その考えを改めた。

「……うん、これは…、てかさ、ブルースくんの件は、任せていいんだよな? イルくん…」

 誰にも、当のイルシュにも聞えないようにそう口の中で呟いたミナミが、小さく手を振り返す。

「あれぇ? タマリさんとガリュー班長はどしたの? ミナミさん」

 少年は、いつもと同じ明るい笑顔で言いながら、テラスから飛び出して来た。

            

2003/06/10(2004/05/05) sampo

  

   
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