第二回 “できないことを言うものじゃない”の段

G:内野手、マゾ疑惑の渦中
T:主に捕手と内野、仕事以外のことに情熱を傾注

神保町、居酒屋「T」にて


G 「いやあ、こないだはホント申し訳なかった。せっかく大差を逆転したっていうのにね」
「ま、最終回裏っつー差し迫ったところだったから目立ちましたね。エラーの失点はあれだけじゃなかったのに」
G 「ところであれは俺のエラーなの?ファーストのエラーじゃ・・・」

「ウチのチームでは、ファーストに対してストライクゾーンに送球しなければ、投げた方のエラーです。Gさんの送球は球3ツぐらい低かったですから判定はボール!したがってGさんのエラーです」
G 「そんなこと言ったら1塁塁審をおいてストライク・ボールを判定してもらわなきゃならないじゃない」
「責任所在を明らかにするためには、そういうことになるかな。でもアウト・セーフとストライク・ボールを同時に判定するのは難しいだろうから、サブ塁審をおくとかね」
G 「よし、わかった。今度からそうしよう!相手チームにお願いしといてね」

「“すいませんけど1塁塁審を出して送球のストライク・ボールを判定してもらえませんか?”って言うんですか。そんなアホなこと頼めません。また対戦相手のいない、練習の日々が続いてしまいます」
G 「でも責任を明らかにするには、そうしたほうがいいんでしょ」
「明らかにしなくていいんです。責任を明らかにしたら誰も来なくなりますよ。そんなノリじゃないから皆続けられるんです。Gさんの場合、ゴロの処理はそこそこうまいんだからいいの。問題は打撃です」
G 「そうなんだよな。手でこねちゃってるのはわかってるんだけど…どーしたらいいのかね」
「素振りですね。とにかく振り込むことです」
G 「満貫以上に?」

「麻雀なんてやりもしないのに、くだらないことを…バッティングセンターに行けって言っても、そんな金があったら飲んじゃうからなあ、この人」
G 「そりゃそーさ!こんな無け無しの小遣いじゃ、ちょっとバッティングセンターに行くったってエライ出費だよ!」
「こないだ部費だっつってウチの嫁はんが受け取ったのが、全部500円玉だったんでビックリしてましたよ」
G 「最近、500円玉も使い勝手が悪くてさ、困っちゃうんだよね」
「確かに。“500円玉は使用できません”と書いてありながら、おつりに500円玉がでてくる自販機っつーのはどーゆーことなんでしょうねぇ。“あったか〜い”と書いてあって“なまぬる〜い”のが出てくる、SAやPAにありがちな自販機に通ずるものがあります」
G 「小遣いが500円玉で支給されるんだから、もっと考えてほしいよ!いっちょ国政に打って出るか?!」
「慌てない慌てない。町内会長>PTA会長>市議会議員>県議会議員と段階を踏まないと。立候補の公約に“草野球場を全国1000ヶ所につくります”と掲げればトップ当選は間違いありませんね。でも、立候補するお金は?」
G 「う〜ん、ダメかぁ〜」
「今日のお金は?」
G 「それはまかせて!今朝ウチで誰も居ないとき抜き取ってきたから」
「やってることは中坊ですね」
G 「いやあ、今度の誕生日(この日の3日後)を境に酒もたばこもやめるから!月に10万は浮くね。新しいグローブも買うからさ!」
「そんな無茶して、体壊さないでくださいよ」
G 「これが最後の酒とたばこになるかもしれない…」
「政治家の素質はあるのかもしれない…」