第八回 “バレンタインのオヤジ”の段

S:内野手、妻が出産のため3度目の独身生活
T:捕手、娘(2歳)の頭突きで肋骨にひび

03.2.14、会社から帰宅途中の車中にて


「ついにくるとこまできましたね!」
「何が?」
「チョコですよ、チョコ!“ご自由におとりください”って感じで冷蔵庫の上に置いてあったじゃないですか」
「あ〜、あれもどうなのよ・・・カバヤの10円チョコでもいいからやっぱ一人一人の机に置いといてほしいよね」
「カバヤの10円チョコなんてあったっけ?フェリックスのやつはどこの?そもそもカバヤってまだあるんすか??」
「カバヤはどうでもいいんだよ。俺は意地でも食わなかったね、あんなふうに置かれたら」
「おっ、こだわりがありますね。私はバクバク食っちまいました」
「まあ俺やTは子持ちになりかけだったり妻子持ちだからいいけどさ、“会社のチョコだけ”ってのがいるだろ?ウチにはたくさん・・・」
「うーむ、たしかに・・・フロアは違うけど大御所と言われるKさん、Tさん、もてそうなんだけどH、営業では競馬好きのS、やんごとなきS、男好き疑惑のU、いい人で終わりがちのK・・・」
「そしてRUSHで言えば、Y山やT田は心配ないけど、いまだ引きずるH野、横浜メンツまでいれればE森か」
「意外なことに(?)横浜メンツで独身かつ空き家なのはE森だけなんですよね」
「いやぁ、E森とSKをくっつけたいんだけどさ、何とか」
世話好きの親戚のおばさんみたいですね。まあでも、合うかもしれませんね」
「なにしろSKの相手は酒が飲めないとダメだからさ。E森ならその点もバッチリ!絶対イイと思うんだけどね」
「具体的にはどうすんですか?」
「酒を飲む席を設けて最終的に二人になるように仕向けると」
「また随分とオーソドックスな・・・あの二人で酒飲んでたらグダグダになる危険性も孕んでいますねぇ。最後はホテルどころか、工場の5階(休憩フロア)に行っちゃいそうだな」
「仮眠室で、でもいいんじゃない?」
ギャラリーいますよ、SさんとかCさんとか」
「E森ならかえって燃えるんじゃない。Sさんあたりが“違う、違う!ちょっと貸してみろ!”とか言って参戦しそうだけど」
「そうなりゃCさんの参加も間違いないですね。強そー
「いずれにしても何とかしたいねぇ、あの二人」
「こんな話してて何とかなるのかなぁ、まあ結局ネタになればいいんですけどね。もう一人の問題児、H野はどうなんですか?Oに無駄なアプローチをしてるって話もありますが」
「いや、気を紛らわしてるんだろう」
「アイツは最後までイかないと気が紛れないんじゃないですか?」
「O相手にそれは絶対無理だけどな。奴もいい言い方をすれば一途なわけだから、きちんと“本当のH野”に惚れる女性が出てくれば大丈夫だろう」
「それが一番難しい気が・・・」
「一途でも気を紛らわしちゃうからなぁ」
「ま、どうであろうと私が欲しいのは“笑い”です。そのためにSさんの奮起に期待しております」
よしっ!!