僕が車の中から見た
驚異的に美しい晩秋の空は
コンビニで酒の肴を物色している間に
消えてしまった
南側半分は
向こうが透けて見えそうなくらい薄い雲が一面に
北側半分は
定規でひっぱったみたいな1本の雲が
暗く沈んだ東の空と
朱に染まった西の空を
結んでいた
僕には
あの驚異的に美しかった晩秋の空を
言葉で再現することなんて出来なかった
とても出来なかった
否
どんな優れた詩人だって
あの驚異的に美しい晩秋の空を
言葉にすることなんか出来ないだろう
出来っこない