サトウ歯科だより |
院長のコメント 院長 佐藤俊一 アテネオリンピックも終わり、今年の夏も過ぎました。
とおもっているうちに、地震,台風を引き連れて秋がやってまいりました。
「先生の建物はどうなるのですか?」とよくきかれるのですが、市の要望では来年3月までに
この家を壊して欲しいとの事。
新しい建物は今の東側に建てる予定ですが、その間どこかで仮診療所をみつけ、営業しなければなりません。仮診療所に相応しい物件を探している最中です。
話は変わりますが、このところインターネットの普及率はめざましく、歯科医院に関する情報も例外ではありません。
例えば、「おすすめの歯科医院」というサイトには全国で50万以上のアクセスがあり、どこの歯科医院がいいのか経験談が書き込まれています。
就職や引越しなどで知らない土地に住むことになり、周りに知り合いもなく相談相手もいない場合は、このようなインターネットで「評判のいいらしい歯科医院」を探すわけです。
サトウ歯科もその中に掲載されていて、何人かの人が「行ってよかった」と投稿してくれています。
そこが情報社会の怖いところで、弁明の余地なく一方的に断罪されてしまうおそれがあります。 それは歯科医院に限らず一般企業でも同じ立場でしょう。 インターネットにかぎらず、自分の感知しないところで当人のいろんな情報がいききしている現代社会というのは,考えれば不気味なものです。
歯の移植術について 副院長 佐藤琢也 不幸にも虫歯や歯周病などによって歯が抜けてしまった場合、親知らずなどの自分の歯を抜けた部分に移植する『歯の移植術』という治療方法があります。
◆術前 右下の奥歯の痛みで来院されました。右下の奥から二番目の大臼歯と奥から3番目の小臼歯は歯根の病気、歯周病がひどく保存が不可能と診断されました(写真1)。
◆抜歯→(親知らず)の移植 保存不可能である歯を抜歯し、歯の抜いた箇所に親知らずを移植することにしました(写真2)。右上の親知らずを抜歯し、歯がなくなった箇所に移植しました。通常、移植後には歯の動揺が認められるため本症例では3ヶ月間、隣の歯と固定しました。
◆かぶせの歯の処置 歯の動揺が消失し、歯茎、歯の根の状態に問題が無いことが確認されたため、かぶせの歯の処置を進めました(写真3)。
◆術後 通法どおりかぶせの歯の型取りをおこない、かぶせの歯を装着しました。移植した歯は生物学的にも、機能的にも、そして審美的にも天然の歯と調和しました(写真4左:術前、右:術後、写真5:術後のレントゲン像)。
このように歯の移植術はブリッジ等の治療方法とは異なり、抜けた歯の隣の歯を削らなくて済みますし、抜けた部分に加わる噛み合わせの力を隣の歯が負担するのではなく移植歯自身が負担しますので力学的にも大変有利です。しかし、お口の中に親知らずが存在しない(スペアタイヤがない)ときや、親知らず自体が虫歯や歯周病に罹っている(スペアタイヤがパンクしている)ときには歯の移植術を行うことは出来ません。その場合、インプラント等が適応となりますが、それよりもご自分の大切な歯を虫歯、歯周病などで失わないように日頃から心掛けることが何よりも肝心と思われます。
謝辞:写真提供に快く応じて下さいました患者さんにこの場をお借りいたしまして御礼申し上げます。
|