サトウ歯科だより
2005−10 第39号


院長のコメント: 院長 佐藤俊一

UCLA留学記「2」:副院長 佐藤琢也

“3MIX-MP法って??”   緒方 維教




 

 

 

 

 

 

院長のコメント 院長 佐藤俊一

新しい診療所に引っ越して4ヶ月たちました。
仮の診療所とはいえ、診療室の内装は新しいので、新規開業とほとんど変わりない雰囲気 です。また、待合室よりマンション前庭のケヤキ、ヤマモモ、ハナミズキ、シャクナゲな どの木々が見渡せ、景色も良好です。
歯が悪くなくとも一度はおいでください。(できれば来たくないところでしょうが・・) 来院の患者さんからもきれいなところと評判がよく、「このままここでやってはどうです か」との感想もあります。
私も、悪くはないとは思っていますが、「高級マンション」の一角なので、家賃が 少々高いのが難点です。来年の4月には元のところが新築されるので戻る予定です。  

前回のサトウ歯科だよりで今の診療所の場所を紹介しましたが、読んでおられない方や、 忘れられた方もありますので、再度地図をのせておきます。
道順は放出駅の南出口を出て左方向(タクシーのりばと反対側)へ少し歩いていただくと 道路に沿って看板がありますので、一度おいでいただければ決して迷うことはありません。 車で来られる方も道路に一時的には駐車できますが駐車禁止の場所ですので、駐車許可書 を診療所でうけとってください。これは緊急患者用との建前ですので、面倒でなければ駅の 反対側の時間駐車場(TIMES)に停めていただくのがベストです。
自転車で来られる人はマンション左手の建物の横に駐輪してください。
なんせ「高級マンション」なのでいろいろと規制があり、来訪者のご協力よろしくお願い します。
10月より、副院長も帰国し、また、新たなスタッフも加わりより充実した診療をこれから も続けていく所存です。

 

  

 


 

 

 

 

 

 

UCLA留学記2   副院長 佐藤琢也
 

ロサンゼルス、とりわけその北西部のWest Los Angelesという地域は気候が良く、 天気は毎日が「快晴」で(この半年間、私は「雨」を数回しか見ておりません)、にもかか わらず、夏でも冷房が不必要なほどカラッとしており、West Los Angeles の夏はまさに現 地の人が自慢するとおり最高の気候でありました。  私に与えられた留学期間はわずか6カ月弱、日本ではたくさんの患者さんに(そして、 サトウ歯科のスタッフにも)多大なご迷惑をおかけして留学したうえに、来年春にはリニ ューアル開業という『大事業』が控えておりますので、この期間以上の留学は私には限界 でした。 しかし、その短い期間で、私は自分が想像していた以上の貴重な経験と勉強をすること ができました。今回はその一端だけでもご紹介できればと考えております。

澄みきったロサンゼルスの空とロデオドライブの街並み。
そして美しいUCLAの校舎。

私は最初にUCLA歯学部歯周病科のプリセプターコース、という歯周病とインプラント の臨床を学ぶ留学生向けのプログラムに参加しておりました。現地の歯周病専門医を目指 すレジデント(研修医)とともに講義を受け、彼らの診療補助に就くことが主な仕事です。 しかし、私よりずっと経験が浅い彼らのアシストをすることは、私にとってはあまり勉強 にならず、「何しにここに来たのだろうと」と疑問に思う日々でした。

このままではいけないと思い、UCLAの別のクリニックで診療をしていたDr.サーシャ・ ジョバノビックの門を叩くことにしました。
彼はインプラントの分野において世界的に著名な外科医であり、歯科でも比較的新しい この分野において15年以上も前から専門的に治療を手がけてきた第一人者です。
もちろん私も日本にいたときから彼の臨床や研究のことは知っておりましたが、彼は正 式に留学生を受け入れる立場ではありませんでしたし、彼のもとで勉強したいという歯科 医師はたくさんいましたので、困難を承知で強引に頼み込みました。
で、案の定、最初はあまり相手にしてもらえなかったのですが、よっぽど彼と性格があ ったのか、それとも私のプラス思考がよかったのか、しばらくするうちにとても可愛がっ てもらえるようになり、常に彼のインプラント手術に就いて勉強できるようなったり、彼 の講演の資料を作成したりと、Dr.サーシャ・ジョバノビックの門下生となったあたりから 私の留学は一気に充実したものへと変化していきました。

公私共に大変お世話になったDr.サーシャ・ジョバノビック。
私にとっては「上司」というよりも「兄」のような存在でした。
当時の年齢は42歳、私は33歳ですから、見た目は二人揃って年齢不詳です(笑)。

インプラント治療に関しては、アメリカではこの治療を希望される患者さんが日本より も多いため症例数が多く、また、良い材料や新しい製品を(使用の認可が遅い)日本より も早く手に入れることができます。そのためか、私にはアメリカのインプラント治療は日 本のそれより(良い意味でも悪い意味でも)先進的に感じられました。
そして、それを世界でも一流と評される彼のインプラント治療を通じて目の当たりにで きたことは私にとってとても貴重な体験でした。

新しい治療方法、それがいつも正しいとは限りませんが、現時点での最良の治療を患者 さんに提供するためにこれらの情報や技術に対してアンテナを張ることは決して悪いこと ではありません。
Dr.サーシャ・ジョバノビックとは帰国後も交流を続けていくつもりですが、彼らからは 今後もたくさんの技術と知識を学び、そしてその適応の是非については慎重に見極める・・・。
当院のモットー「ていねいな治療、最良の治療」の実践のため、もちろんこれからも新 しい知識や技術は吸収しつづけていきたいと思いますし、留学中に得たすばらしい交流は 人生の宝物として大切にしていきたいと考えております。
UCLAではDr.Takei や Dr.Hanなど、世界的な歯周病専門医からも多くのことをまな びました。

  



 

 

 

 “3MIX-MP法って??”   緒方 維教

こんにちは。月曜の夕方からと土曜の診療のお手伝いをさせて頂いております緒方維教 です。最近、患者さんから、“先生、3MIX-MP法ってどうなの??”など、よく質問され ます。というのも、某テレビ番組で“薬で治す無痛歯科治療”と紹介されたらしく、かな り大きな反響があったようです。  

3MIX-MP法とは、3種類の抗生剤を混合したペーストを消毒した「うか」(虫歯でできた 穴)に直接つめて、虫歯の原因菌そのものを殺してしまい、虫歯の進行を止めるといった 治療法です。通常、虫歯で溶けた歯質は完全に除去するのが今までの通常の治療法でした が、薬を用いて原因菌を殺すため、歯質の切削量を最小限にすることができ、さらに切削 量が少なくてすむので、麻酔の必要性も低くなると考えられます。  

さて、私も、大阪大学歯学部附属病院の歯科保存科(虫歯や根の治療専門の科)に6年 間在籍していたこともあり、3MIXについてはさまざま臨床応用してきました。結果から 言うと、3MIXは歯質や歯の神経の保存には非常に有効であり、予後に関しても短期的に は良好といえます。ただし、長期的な予後に関しては、不明瞭と言わざるを得ないため、 私は、最終的に薬をつめていた部分をセメントに置換してから、最終修復を行なう方法を 選択しています。現在、これらの治療法をサトウ歯科においても準備中です。ご期待くだ さい!!