名雪が彼女を紹介してくれた時、時がとまった。
いわゆる『一目ぼれ』なるものをしてしまったのだ・・・。これが。
Kanon 2次創作 奇跡のおこった日 その1

 

今日もギリギリ間に合った。
いつもの事ながら、名雪が寝ぼけてたせいだ。
おかげで朝から疲れてしまう。
が、
「おはよう。名雪、相沢君。なんとか間に合ったみたいね。」
香里が毎朝笑顔で話しかけてくれる。
それだけで、朝のダッシュの疲労はどこかにとんでいってしまう。
「はぁ、はぁ。おはよう香里ぃ・・・。」
名雪は息があがっている。
無理もない。
当社比二割ましのスピードで今日は走ってきたからな。
「名雪〜、そんなに疲れるのならもう少しはやく起きたら?」
「そんなの無理だよ〜」
「そうそう、だから名雪なんだよな。」
そういって俺が笑うと、確かにそうねと香里も笑った。
名雪がなにか言いかけたが、担任が入ってきたためにそこで話しは終った。


 

 

放課後。
名雪は部活らしく、今日も帰りは一人になった。
特にやることもないし、急いで帰る必要がなかったので、
そのへんをぶらぶらとすることにした。
さすがに寒い。夕方になると、いっそうそう感じる。
とりあえず、たいやきを二匹(あんとクリーム)とコーヒーを買って、
公園に向かった。

 

 

その公園には噴水があり、そこのベンチがなんとなく好きで、
ちょくちょくここにくる。
いつも人があまりいなくて、考え事をしたり(香里のこと)して、
時間をつぶすにはもってこいの場所だった。
しかし、今日は先客がいた。
スケッチブックとにらめっこしている女の子だ。
傍らにはこの寒いなか、アイスのカップが置いてある。
まあ、寒い時のアイスはおいしいけど・・・。
でも俺的にはパス。俺はあたたかいたいやきのほうがいい。
さて、先客がいるようなのでどうしようかと考えていると、
女の子が荷物をまとめて立ち上がった。
そして歩き始めた3歩目・・・・・・こけた。
こけて当然だ。
肩からは画材が入っているであろう大きなかばんがさげられ、
左手にはアイスのカップ。右手には木のスプーン。
で、アイスを食べながら歩き出したわけだが、
みごとによろけ、雪に足をとられて転んだ。
せめてかばん2つもってきてれば・・・と思いつつ、
彼女を起こすために近寄った。
スカートが少しだけめくれていて、白くまぶしいものが眼にとびこんだ。
まわりには絵の具や筆がちらばっている。
「大丈夫ですか?」
とりあえず、まずは助け起こそうと手を差し出す。
いきなり「みえてますよ」なんて言えない。
が、彼女は反応しない。うつむいたままだ。肩が少しふるえている。
「どこか打ちましたか?怪我は?」
アイスのせいで、体が冷えたか?と思いつつも、
心配になり覗きこむと、彼女の瞳は涙をため、ただ一点を凝視していた。
「アイスが・・・・・・・・・・・。」
そこには無残にもひっくり返った、カップがあった・・・・・・・・・・。

 

 


つづく(予定)




第1話書き終わりました。某キャラのFCに入り、ならばKANONのSSも
ホームページにおいておこうと思い、寝ぼけまなこをこすりつつも
書き上げました。とりあえず更新は不定期です。
早かったり遅かったりします。でも2週間に1回は更新できるように
がんばりたいなと思ってます。
今回、最後に出てきたキャラは誰だかお分かりですよね。
このSSではもしかすると、結構この子は壊れる(いろんな意味で)
かもしれません。よって、続きを読む場合はそこのとこを了解のうえで
読んでくださいね。






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