「ひさしぶりの日本です♪」

空港に美少女が降り立つ。後ろにはサングラスをかけた男女が付き添っている。

だが、彼女のことを美少女といってはいけないかもしれない。

なぜなら、すでに二十歳すぎてるのだから。

しかしながら、どこからみても二十歳すぎには見えない幼さの残る容姿である。

ふいになにかを見つけ、彼女は手をふる。

「おねえちゃ〜ん!」

走ってその胸に飛び込む。

「こら、はしたないでしょ。」

姉のおこごとも、うれしいほどであった。

2年ぶりの再会である。

自然と涙があふれてきた。

香里も瞳には涙がたまっている。

「おかえりなさい、栞。」

「ただいま、おねえちゃん。」

しばし抱擁する2人。

その横でも奇妙な再会を果たしている者がいた。

「相沢・・・・・・・・ひさしぶりだな。」

左手を差し出す”北川潤”。

「北川・・・・・・・・お前、まだ生きてたのか?」

祐一の言葉に潤は右の拳をくりだす。

それを手のひらで受け止める祐一。

「相変わらずだな。」

「お前こそ。」

この2人、昔欧州でともに”仕事”をしていたパートナーであった。

なつかしいパートナーとの再会の時であったが、祐一はもう一人の人物に注意を向けていた。

いや、むけざるをえなかった。

女性である。思わず、ル●ンダイブしたくなるほどのルックスだ。

しかし、その視線からは殺気がはなたれていた。祐一にむかって・・・。

祐一はデータベース(女性のみ)から必死に検索するが、まったく見覚えがない。

これだけの女性を忘れるということなど、自分にはありえないハズである。

「護衛ありがとうございました。これが報酬です。」

栞との抱擁をすませた香里が2人に小切手を渡す。

それを受け取ると、その女性は足早に立ち去っていった。

「ありがとうございました〜」

すれちがいざまにお礼を言い、その背中に手を振る栞。

だが、なにもリアクションは帰ってこなかった。

そして祐一とすれちがった時・・・・・・・祐一はおかしななにかを感じた。

雑踏の中に消える彼女を彼はじっとみつめていた・・・・






トリガーを引くのは  第2話





結局、祐一は仕事を引き受けた。

内容は”美坂栞のボディーガード”及び”事件の解決”

期限は彼女のお見合いの日まで。

名家である美坂家の次女栞は、すでに政治家の次男との婚姻が決まっている。

今回のお見合いは形式的なものだ。

そのお見合いのために、静養中のスイスから帰国してきたのだった。

しかし、現地に滞在しているおり、いくつか奇妙なことが起こった。

栞めがけてつっこんでくる車。

不自然な落下物。

そして、お見合いを中止せよ。さもなくば身の保証はしない、という手紙・・・。

帰国間際には、狙撃されそうになったほどだ。

幸い、ボディーガードの潤がそれに気がつき、なんとか事無きを得たのだが・・・。

そもそも、このお見合いにはこれといった裏もなく、妨害される覚えもないという話。

それがこんなことになっているとは、正直信じれない香里であったが、

事実栞が狙われているのである。不安を覚えた香里は噂にあった名雪のこと

を思い出し、わらにもすがる思いで連絡をとったとのことだ。

「相沢に頼んだのは正解だな。今、日本でこいつ以上に頼りになるヤツはいない。」

ホテルの1室には祐一・潤・香里・栞がいた。

紅茶を飲みながら潤が香里に言った。

「なぜなら、俺が今日本にいないからな。」

潤がニコッと笑い、祐一を手で作った銃で撃つふりをする。

「いってろ!」

祐一がコーヒーを一気の飲む。

さすがに佐祐理さんが炒れてくれたものとは比べ物にならないほどまずい。

「本当にこの人はそんなに優秀なんですか?」

香里はまだ半信半疑である。

そんなことおかまいなしに、栞はコーヒーに3杯目のミルクを投入しているのだが・・・。

「優秀だぜ。この世界で相沢のことを知らないヤツはもぐりだな。」

そう言うと、潤は大きく伸びをする。

瞬間、祐一は栞に跳びかかった。

窓を銃弾が破る。

祐一のいっちょうらに弾丸がかする。

香里も潤が確保していた。

「なっ、なんなの!?」

突然のできごとに混乱する香里。

「向かいのビルからの狙撃のようだな。」

「北川の誘いにひっかかって撃ってきた。」

祐一と潤は手に銃を握っていた。

「気配は消えたな。」

向かいのビルを伺う潤。

「ああ、廊下は大丈夫だ。出よう。」

銃をしまう祐一。栞の手を引く。

が、栞はその場に座ったままだ。よほど驚いたのだろうか?

顔が真っ赤で小刻みに震えている。

そして・・・・

「男の人に押し倒されるなんて・・・・・・・もう、結婚しかないですね!」

いきなり祐一に抱きつく。さすがに不意をつかれた祐一は栞に押し倒される格好になる。

「えっ?えっ?えっ??」

潤も香里もあっけにとられている。

「あなたも私のこと一目ぼれだったんですね。うれしいです♪」

ギュッと抱きしめるられる祐一。

彼の中の本能が目覚めようとしていた。

が、その時香里の100tハンマーもうなりをあげることを彼は覚えているだろうか?



<つづく>


どうも。
集中連載第2話です。
短いです。
ごめんなさい。
栞の扱いもアレです。
ごめんなさい。
展開もわかりにくいですね。
なんとかついていけいけそうな方は次話も読んでくださるとうれしいです。



御意見・御感想はこちらまで


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栞 「帰ってきました♪祐一さんのいる日本に!ついに真のヒロインの登場です☆」
祐一「そう・・・なのか?」
栞 「そうにきまってます。流れ的にこのまま私は祐一さんとゴールインです♪」
祐一「本当にそうなると信じてるのか?」
栞 「はい♪」(純真な笑顔攻撃☆)
祐一「確かに作者は栞属性っぽいしな。」
栞 「私は祐一さんだけでいいです。」
祐一「栞・・・かわいいこというじゃないか!(ガバッ!!)」
栞 「祐一さんだめですよ、こんなとこじゃ〜♪」
祐一「こんなところだからいいんじゃないか!」
栞 「でも、後ろでおねえちゃんがハンマー構えてますよ♪」
香里「天誅!!!!!!!!!!」
祐一「そんな香里も好きさ・・・・・(バタッ)」