〜 2003年2月から、2004年12月まで 〜

〈41ndミーティングの報告へ〉 

  〈1998年4月から、2002年11月までの研究成果〉

  「30thミーティングに関する報告書」(2003.2.1)

”明るい! 生命保険” 

概要は、
「生命保険を取り巻く現状」とは、
また「生命保険のこれから」とはとのお話し、
とくに、
「生命保険が商品として現状のお金の流れに合わなくなっている」。
・・・という感じでした。

これにつき、
17名のご参加により、ディスカッションが行われました。

まず、参加者全員による恒例の「近況報告」・・・

■ 地方統一選挙、着々と。
■ カナダ留学。それと、インフルエンザ猛威。
■ 個人申告のあれこれ。
■ 行政書士試験合格。NPO法人設立関係をターゲットに。
■ 価値崩壊の毎日。
■ 葬儀ベンチャー。アントレ取材後、埼玉の同業からTELあった。
■ ダイエーそろそろか。西武救済の裏事情。
■ 社会人インタビューのネット配信。手応えあります。
■ 債務の株式化。業務にてけっこうあります。
■ 雇用保険もらいつつ、DTP勉強中。
■ 顧客(監査)が3社ほど潰れ、会計事務所危機。
■ データバックアップ商品(遠隔地より)。発売開始。
■ ITコンサル会社。新規事業開拓部門、撤退。

・・・などなど。 

ついで、2003年初回のミーティングということで・・・

Strategic Planning<戦略経営研究会>について、
「2002年の事業報告」と、
「2003年の展開・展望」が発表されました。

「報告」については、本会の「交流会的要素」(間口として)の確立と、
専門分野研究およびこの研究よりの事業展開のための「分科会」の発足。
本会の分科会としては、
「日本危機管理学総研」と「水窪プロジェクト」が現在存在。
特に、「日本危機管理学総研」については、企業との提携など事業展開が著しい。

また、関西支部「切磋琢磨楼」も、新展開を構想中。
関西支部の分科会、「浪花撫子」(女性のための交流会入門編」は、
「商品モニター”ディスカッション”」の手法により事業が活発に行われている。

そして、
当会代表より、「さらに新しい異業種交流会のカタチを社会に提起していきたい」
との展望の発表がありました。


さて・・・
”明るい! 生命保険”の
岡田さん(生命保険会社勤務)の発言となりまして・・・

大筋としては、
1. 生命保険を取り巻く環境
2. 生命保険とは
3. 生命保険業界の課題・今後
・・・でした。

特に、生命保険業界のコンプライアンスの強化が印象的でした。

本題に入る前に、岡田さんより、下記のような質問がありました。
・あなたは生命保険に加入していますか? → 10人
・日本の保険会社に加入していますか? → 日本 8人。外国・カタカナ 2人。
・知り合いの紹介で加入していますか? → 2人。

・・・当日参加者は、けっこう加入してない方が多かったとのこと。

1. 生命保険を取り巻く環境

○日本の生命保険の現状(平成12年度データ)
 ・世帯加入率  91.8%(ただし、減少傾向にある)
 ・平均加入件数 4.6件(ただし、減少傾向にある)

○生命保険を取り巻く環境
 ・個人 少子高齢化、所得減、個人負担(税金・社会保険等)増
      →また、生保は、インフレに弱い商品。
 ・法人 所得減、時価会計、キャッシュフロー会計、401K、法人税率引下げ
      →節税対策での生保加入が減る。
      →企業は、手持ちの現金を望んでいる。
      →バランスシートから切り離されている。
      →401Kについては、証券会社は儲かるが、生保会社は儲からない。
 ・生保 新契約・保有契約減、減額・解約増、経営破綻

・・・生保の既存の商品が、現状に合わなくなっているのではないか?
・・・しかし、保険そのもののニーズは当然に社会にある。

2. 生命保険とは
 
○保険の目的
 ・保障(遺族、事業継承)
 ・貯蓄(教育、老後、退職金)
 ・節税(法人税、相続税)

○保険の種類
 ・定期保険
 ・終身保険
 ・養老保険 → 401Kへの移行が起こっている

○「保険料」「保障額」「保障期間」の組合せで、商品が成り立っている。

○「自分の痛み」(損害保険)と「他人の痛み」(生命保険)
  「三角」(貯蓄)と「四角」(保険)
  「前払い」(保険)と「後払い」(ローン)

3. 生命保険業界の課題・今後

○逆ザヤ
○予定利率の引下げ
○格付け
○ソルベンシーマージン比率
○コンプライアンス
 ・保険業法による規制
  1)虚偽の説明
  2)不完全な説明 →都合の良いことだけ
  3)告知義務違反を勧める行為
  4)契約の不当な乗換行為
  5)特別の利益の提供 →初回掛け金の立替えなど
  6)威迫、業務上の父の不当利用
  7)誤解を招く表示、説明

そして、
・銀行や企業などへ資金を貸し付けていた生保は厳しくなっている。
・やはり対面販売。証券のようにネット販売は普及しない??

終わりに、発言者・岡田さんからのまとめとして、
「なかなか、厳しいですねぇ」と。

  「31thミーティングに関する報告書」(2003.4.5)

タイトル、
”戦略とは、なにか” 

概要は、
「そもそも戦略?」って感じの発言。
さらに、
「ユニバーサルデザイン事業のビジネスプランに対するブレインストーミング」。
・・・という感じでした。

これにつき、
10名のご参加により、ディスカッションが行われました。

さてさて、ミーティングですが・・・

まず、参加者全員による恒例の「近況報告」・・・

■ そばチェーン「そじ坊」。単品よりも、かやくごはんの付いた定食のほうが安い。
   料金設定の認識あるのか? 注文の際も説明無し。レジでは、開き直り。
■ 社労士業務。さいきん、助成金より、就業規則の仕事が多し。
■ 茨城より。車生活なので、東京人はよく歩くなぁと。
   それと、料理素材はとれたてがおいしい。
■ 合併多い昨今、しかし、途中破棄も増えている。
   コンサルティング。垂直統合の方向。戦略からアウトソーシングまで一括。
   また、企業。地域性に特化していた、子会社の統合が進む。
   戦略部門の集中。
■ デフレ? 安比に1泊2日でスキーが、2万円。
   企業再生方面に、転職を考えている。
   最近の書籍。買収ファンド。ハゲタカもいるが、5〜10年スパンのもの多くなっている。
■ デフレ?? 韓国に2泊3日で、1万7800円。ただし、韓国にて、7万円ぼったくられる。
   創業準備中。携帯コンテンツ。B to C。
   広告費に悩んでいる。
■ 商売。安く買って、高く売る。詐欺師と一緒。
   コンサル手法。企業に宿題を出して、考えてもらう。
   粉もん、儲かる。ただし、東京に最近できた、讃岐うどんのチェーン、まずい。
   讃岐でなくて、手抜き。
■ 外資系的な、ITバブリーな会社の調整役、苦情係。
   2000年に100億円調達。IPO目指すという話しあるが、実体がない、出向者ばかり。
   広告費は、湯水のごとく。で、経営者は、半年で辞めていく。
   ただし、会議ばかりで、事業はほとんど行っていないので、お金は残っている。
   「プラン ドゥ シー」。プランばかり、ドゥがない。
   ・・・ばら色のプランを作るのは上手。

・・・などなど。 
人数少なめだった代わりに、内容濃い目。


ついで、「5周年」ということで・・・

Strategic Planning<戦略経営研究会>の事業展開について、
報告と、ディスカッション。

本会の分科会、
「日本危機管理学総研」の「教育市場」への新しい方向での参入と、
また、
「水窪プロジェクト」の「地域・大学・交流会」の具体的な提携。

そして、
Strategic Planning グループ本体のプロジェクトについて。
「企画」(ニーズ掘り起こし、コンテンツ作成など)
「交渉」(企業、自治体など)、「ユニット形成」(メンバーの人的資源有効活用)、
および、「統括」(情報の集中、また共有化)というポイント。

特性としては、「多様な専門性」と、「ローコスト」。
・・・ただし、このプロジェクトような既存の組織があるとのこと。さらなる差別化が必要。

分科会のプロジェクトの進捗による、「一つの成功事例の提示」が必要。

また、ディスカッションにては、
「組織」について、意義ある示唆が。

「ブレイン」と「実行部隊」の明確化。
「株式会社」化もあるが、「協同組合」化は、どうか。
「メンバーの平準化の必要性」
など。


さて・・・
”戦略とは、なにか”の
菊池さん(経営戦略コンサルタント)の発言となりまして・・・

(参考書籍)
「戦略的思考とは何か」
「MBA 経営戦略」
「競争優位の戦略」(ポーター)

大筋としては、
1. 戦略概論
2. ユニバーサルデザイン事業のケースタディ的ブレインストーミング
・・・でした。

ただ、「戦略」の定義は、個人により、企業によりというように、
つまりは立場により、様々かなと。

1. 戦略概論

○ 「戦略とは、相手を出し抜いて、いかに相手より優位に立つか」とのこと。
   ・・・ゲーム理論的、かけひきのアプローチから。
   ・・・具体例。英首相選における、「人格攻撃」か、「政策論争」か。
   ・・・東洋経済とダイヤモンド。
   ・・・量販店の安売りアナウンスによる、かけひき。
   ・・・ただし、協調戦略もありうる。

○ 「戦略と戦術」。「計画と実行」。
   ・・・ただし、実行面から計画面へ現実の情報のフィードバック。
     そして、情報分析、計画策定。この繰返し。
   ・・・たとえば、四半期決算なども。しかし、長期的な視野に立てるか、疑問?
     結局、これら情報のディスクローズの相手によることか。

○ 「戦略策定プロセス」
   ・・・経営の理念・ビジョン(主観面)と、
     外部環境分析・内部要因分析(客観面)の把握・分析により策定。
   ・・・これを、トレードオフ(選択)。
   
○ 収益性を決める「競争要因」
   ・・・「競争業者」「買い手」「売り手」「新規参入業者」「代替品」の5つがある。
   ・・・競争の現状を認識する?

○ 「競争優位の戦略」
   ・・・「コスト」(値段の優位)、「差別化」(商品の優位。たとえば、ホンダやソニーなど)、
     「集中」(市場の範囲選択)の3つがある。
   ・・・また、「差別化集中」であれば、「ニッチ」といわれる競争戦略となる。
   ・・・ただし、
      競争優位の戦略も、それぞれリスクがある。
      「コスト」であれば、「技術の変化」や競争相手の「差別化」など。
      「差別化」であれば、競争相手の「模倣」や競争相手の「コスト」優位など。

2. ユニバーサルデザイン事業のケースタディ的ブレインストーミング
    ・・・一級建築士より、問題提起。 

○ 「ユニバーサルデザイン」
   ・・・いまだに、も一つ、ピンときていないのですが。
      心地良さを追求した、デザインと技術の融合。
      人間工学的。IBMのシンクパッドなど。
      建築で言えば、バリアフリーが近いが。イコールではない。

○ 理念。高齢者や障害者などの生活を心地良いものとするために。
   ・・・また、地域建設業界は、不況真っ只中。この中で、新しい方向を。
   ・・・しかし、いかに、事業としてお金を回していくのかが課題。

○ 実行。ユニバーサルデザインによる、建築・設計・インテリアなど。

○ ターゲット。「高齢者」「障害者」。そして、「商店」(心地良さから売れるお店へ)。
   ・・・そして、東京など都市部での展開?

○ そこで、「この事業について、マーケティングのとっかかりはどこか?」とのお題。
   ・・・以下、みなさんの発言。

   ・まずは、地域の顧客のリストアップ。そして、絞り込み。
   ・地域の工務店の領域侵略は考えていない。
   ・モデルプランの提示が必要。具体的なイメージの提供によりPR。
    何をしたいのかを明確に。
    この明確化をまず行うことにより、仮説と検証を繰り返す。
   ・業務範囲を絞るべきでは。付加価値。ファイナンスなども抱き合わせ。
   ・HPサイトによるPR。ターゲット(現在の見込み)が見てくれるか。
   ・ユニバーサルデザインの市場規模は?認知率は?
    バリアフリーとの「差」をいかに出すか。
   ・バリアフリーを口実に、高齢者から、お金をふんだくっている建設業者が存在。
   ・上記のターゲットはユーザーではないか。なので、事業のターゲットは別では。
    心地良さを味わう人と、実際にお金を出す人は別では。
   ・理念も重要であるが、客観的な市場の感触をまずはかるべきでは。
    ニーズそのものを数値化?
   ・ユニバーサルデザイン。生活的デザイン?いろいろ含めたトータルでの受注が可能。
    コストメリットをPRできないか。
   
○ いかに、資金を稼ぐか?
   →お客さんの満足を追求し、その満足を提供すること。
   ・・・だれに、いつ、なにを、を考え、行動しつづける。
   ・・・得意分野に特化すること。
   

ミーティング終わりに、発言者菊池さんよりまとめとして、
「でっかく行きますよ」と。

 

  「32thミーティングに関する報告書」(2003.6.7)

■ Strategic Planning<戦略経営研究会> 32thミーティング
   大学、地域との連携企画 『 水窪地域活性研究会 』 

〜情報教育を通じた
         学生・地域・社会人の
                三者連携まちおこし〜

● 2003年6月7日(土) 13:00〜17:40
   東京・お茶の水 明治大学・リバティタワー 1085教室

● 主催
   Strategic Planning<戦略経営研究会>
   明治大学講師(川島高峰氏) 

● 参加 49名
    (経営、法律、IT関連、大学教員、学生、そして、地域から議員・自治体職員など。
     浜松・天竜・水窪・名古屋・大阪・岡山からの参加もありました)

● タイムスケジュール
  13:00  受付開始
  13:20  開始 基調講演・ゲスト講演
  14:40  水窪現況説明
  15:00  グループ分け。まちおこしプラン発表
  16:00  グループ毎に、ブレインストーミング
  16:50  ブレインストーミング結果発表
  17:20  まとめ講演
  17:40  終了

● 概要
前年より、明治大学の情報基礎論の授業にて、
Strategic Planning<戦略経営研究会>との協力で、
「水窪まちおこし」のプランづくり(大学生100名ほど)が行われています。

水窪まちおこしプランの詳細は・・・
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~shokason/gakusei-teian/gakusei-teian.htm

この大学生のプランを、発案者である大学生と、
当事者の視点としての「水窪地域の人々」と、
第三者の視点としての「社会人(専門知識あるビジネスマン)」とが、
ブレインストーミングにより、
より具体的で実効性のあるプランにブラッシュアップしました。

また、ブラッシュアップされたプランを、
水窪町の地域ベンチャー、町長・町議、行政が責任を持って持ちかえっていただきました。

このミーティングが提供した価値は、
大学は授業改革の一環など、
学生は実社会に対応できるプラン策定ノウハウなど、
地域は都市あるいは学生との交流による活性化のヒント取得など、
社会人は「大学」と「地域」間のコーディネート・コンサルティングを
通してのスキルアップなどでした。

・・・多種多様な参加者により、盛況となった会場にて、
「水窪とは、どこか?どういったところか?」、「大学と地域と社会人の連携とは?」
ということをご理解いただき、
そして、「水窪へ、助力しよう!」という意識を作り出せました。

● 内容
  ○ 開始 基調講演・ゲスト講演
     ・遠隔地参加者ご紹介
     ・基調講演「情報教育を介した地域活性」(川島氏)
       遠隔地とネットで結ぶ
       学生へのモチベーション付与
       学外での教育
       学生にとっては、水窪は、幻想の中。あるいは、うそ臭い
       まちおこしプランのプレゼンテーション。学生が評価する
       PDCA手法
       地域活性のためのNPO型シンクタンクへと
     ・あいさつ「静岡・磐田市の現状」(静岡県議会議員 柏木氏)
       政治の改革の必要
       議員は高給過ぎるし、自治体職員は多すぎる。しかし、リストラは進まない
       民間の活力の利用
     ・あいさつ「水窪町の森林の現状」(水窪町長 天野氏)
       「ヨソモノ」「ワカモノ」「バカモノ」による活性化の必要
       現在、森林は放置されている状態。荒れ放し
       森林が、美しさから、うっとうしさへ
       林業就業者。就業率0.12%。全国で8万人
       伐木しても、赤字。森林の所有が重荷
       ほとんどが、小規模零細
       森林の機能。洪水・渇水対策。災害対策・水の提供。野生生物
     ・あいさつ「水窪町民の現状」(水窪町議会議員 平澤氏)
       郷土愛と、日本の常識への疑問から、議員へ
       役職だらけ
       娯楽は、他人の詮索
       お嫁さんのストレス高い
       若者別居には理解があるが。嘆き
       自動車の車種とナンバーで運転者が誰かみなわかっている
       水窪の住民の親戚関係などすべて把握
       古くの経済ルート。しかし、余所者には警戒心が強い     
       性差別が根強い。コンパ×、女性だけの飲み会×
       若者あきらめている。楽しみ、週末の浜松
       嫁の来てがない
       ただし、義理堅い。世話好き。正直
       そして、慣れれば、家族同然のつきあい

       20年ぶりに水窪に戻ってきて、ガッカリ
       二者択一。出て行くか、変えていくか
       後者を選ぶ。
       できるだけのことはやる
        専門知識を有する人材の育成
        お金と利便性の意識の向上。あるものを利用する
        他所との交流。
       実際に始めた葬儀ベンチャー。町民の改革の意識を実感
       
       この研究会から、町政への提言をよろしく
       町内の若者との橋渡し役になります 

  ○ 水窪現況説明と、ブレインストーミング手法説明(茂木)
       水窪。高齢化、過疎化、産業衰退、交通不便
       しかし、水窪での「祭り」の体験。コミュニティが生きている祭りに、感動
       なんとか、残せないか。そのための、活性策は
       また、天野氏の言葉、「水窪が、20〜30年後の日本の姿かも」
       そして、「水窪プロジェクト」の結成

       方言の特殊性
       交通。東京からだと、5時間以上
       商店街。60店ほどが残存。この地域の都市的役割
       自然。カモシカやハクビシン。人を恐れない
       施設。悪い公共事業により、林立。しかし、活用されていない

       しかし、逆転の発想。あるものを活用する。そういったプラン
       人がいない。金がない。それでも、知恵は出していける
       高齢。マーケットの中心として
       交通不便。希少性として
       産業衰退。コミュニティにてお金が回る仕組みを

       そして、水窪を知って、考えて、動いていく
       というような、モチベーションが参加者と共有できればと

       ・・・ブレインストーミング。
         グループ毎。
         「サマーキャンプ」「林業体験」「水窪葬祭ビジネスモデル」「入漁権」
         のまちおこしのテーマ。
         あくまでも、批判はなしで、建設的な対案を。発散系のやりとりにて

  ○ グループ分け。まちおこしプラン発表
       4グループに。各グループに、戦略研コアメンバーをリーダーとして配置
       自己紹介を兼ねた、アイスブレーキング

       まちおこしプラン発表 〜パワーポイント使用してのプレゼンテーション
        A班 「サマーキャンプ」(明治大学生 岡氏)
            ・・・地域交流と、教育
        B班 「林業体験」(明治大学生 新田氏)
            ・・・巻き枯らしなど、素人でもできる手法。大学の単位に
        C班 「水窪葬祭ビジネスモデル」(水窪葬祭社長 平澤氏)  
            ・・・町民、商店街という地域循環のビジネスとして 
        D班 「入漁権」(明治大学生 岩本氏。発案 読売新聞 池永氏)
            ・・・釣り人の立場から、入漁権の地域統一化を
 
  ○ グループ毎に、ブレインストーミング
        A班 「サマーキャンプ」
            ・・・生きるための力
              中長期的な仕組み
              しかし、受け皿は?人材は?経済的な効果は?
              一発逆転型発想が抜けきらない
        B班 「林業体験」
            ・・・森は、誰のためにあるのか?
              林業専門の学校の創設。
              ノルウェー、伐木輸出国、林業はエリートの仕事。IT活用
              林業。企業努力というようなことをしているのか?
        C班 「水窪葬祭ビジネスモデル」
            ・・・水窪杉を、葬儀に使えないか?
              高値で売れる作物の栽培。ネット販売
              炭を販売は?
              水窪のHPが古い。学生を活用して、更新を頻繁にしてPR
        D班 「入漁権」
            ・・・天然モノの川魚、多い
              家族にも恩典を
              滞在時間を増やす工夫
              釣り人へ情報発信
              配当管理。いかに、モチベーションを

  ○ ブレインストーミング結果発表
        各班リーダーより、発表
        水窪住民の「意識」の問題であるとの指摘
        地域循環ビジネスのアイデア
        また、付加価値をいかにするかなど、具体的なビジネスのヒントも

  ○ まとめ講演
        ・戦略研代表あいさつ(菊池氏)
          戦略研の趣旨説明など
        ・大学助教授よりあいさつ(和田氏)
          今回の研究会を踏まえての、情報教育の展望
        ・まとめあいさつ(川島氏)
          地域活性につき、ネットを活用しての、若手・多地域連携

● 提供資料
   「6/7冊子」
   「国土交通省 UJIターンパンフ」
   「水窪町パンフ」
   「岡山・山陽町パンフ」
   「長野・上村パンフ」

  「33thミーティングに関する報告書」(2003.10.4)

戦略研33thミーティング レポート
「明るい! 人材採用」

2003年10月4日(土) 13:30〜17:00
東京・新宿
参加者12名 経営コンサルタント、独立行政法人勤務、大学生、IT関連、税理士、
社会保険労務士、行政書士、司法書士、他

発言者 千原康裕さん((有)リスペクト プロデューサー)

概要 
理念・ビジョン共有型の人材採用手法を企業にプレゼンしている、
発言者・千原さんが、
普段業務で使っている資料をもとにこのビジネスの概略を説明。
その上で、企業サイドの学生たちなどに対する考え方や、
企業の人材採用戦略などについて、ディスカッションを行いました。

1) 会の説明、代表あいさつ
2) 発言者あいさつ
3)  参加者による近況報告
4)  発言「明るい! 人材採用」
5)  ディスカッション
6)  問題点の抽出

内容  
1) 会の説明、代表あいさつ
・ 定例ミーティングの運営の仕方として、「問題抽出編」と「問題解決編」の2回
構成とすること。
・ 問題解決編を行うことから、社会に対する「アウトプット」を意識すること。

・ 代表あいさつとして、戦略研の、危機管理・地域活性の分科会や、関西支部の現
在の展開などを。
・ また、戦略研分科会にて、具体的なプロジェクトを進行。戦略研定例ミーティン
グは、「人材のゆりかご」としての位置づけ。

2) 発言者あいさつ
・ 人材採用に関して、求人側(企業)と求職側(学生)とで、「対立の構造」と
なっている。
・ また、双方の「コミュニケーション」が希薄。
・ あるいは、企業側が、企業の理念やビジョンを「言葉」にできていない。


3)  参加者による近況報告
・ 人事・人材採用に業務でかかわることから、興味あり。
・ 現在、病院のリストラ(賃金見直し)に関与。条例などに守られていて、なかなか
難しい面も。
・ 中小企業もリストラが進んでいる。利益が出る体質へと。
・ 採用増へ向かう中小企業も。ただし、能力給にて。
・ 生命保険については、企業のキャッシュフロー重視から、節税ニーズが落ちている。
・ 水窪祭りツアーに参加。水窪祭り報告会を開催してみたら。
・ 人の下で働くことは考えてこなかった。しかし、開業してみて、果たして?と。
・ 一人で業務を行うことの限界を感じる。つながり、コミュニケーションの重要性
に気づく。
・ 京都のお薦めのお店の紹介。南禅寺のある豆腐屋は、ダメ。
・ 大学の食品化学研究部に、在席。この流れで、理科研の総務に。忙しくなりそう。
・ 学生の質の低下。責任感の欠如。
・ 就職活動。学生の情報収集が少ない。
・ 将来、何をするか?を考えている。
・ 開発経済論を専門的に勉強しようかと。発展途上国の個性を重視する考え方。新
古典派へのアンチテーゼ。
・ 12月、台湾に。グリーンツーリズムが盛んなので、情報収集してこようかと。
・ 学生たちで、勉強会の立ち上げを検討中。
・ 学生たちにも、戦略研で「発言」をしてもらいたい。
・ 年俸制の導入を検討している。しかし、もともと賃金体系のない会社だったので、
制度設計からという感じ。
・ 自治体コンサルタントの会社に勤務。活性化ということで産業を新規に起こすも
のが多いが、自治体はそのための人材の確保で苦労している。
・ 独立行政法人勤務。プロジェクトごとの雇用契約となる。先々の転職のため、実
績作りをしている。
・ ITガバナンスの分野の仕事が始まる。合併に伴う、経営や人事面にて。


4) 発言「明るい! 人材採用」
・・・週刊誌「AERA」の記事、配布。「就活で目覚めて 男を捨てる女子」。
   就職活動のはやりにて、自己分析シートとかあるとのこと。
   しかし、大学生ぐらいで、そんなに明確に書くことができるのか。
   書いたとしても、その分析、そもそも経験値が低いのに、意味があるのか?

千原さんより発言となる・・・
・ 「新卒」を念頭としての、「人材採用」という意味にて。
・ 「ミスマッチ」が、一つのキーワード。

配布資料「明るい! 人材採用 〜企業側の視点〜」に沿って。
● 近年の新卒採用事業
・ 大卒3年目の離職率は、32%。
・ 離職理由は、「職場の人間関係の難しさ」が多い。
・ 採用意欲があるところはある。しかしながら、即戦力的な材用が目立つ。
・ SEなど、売り手市場。とりあいとなっている。スキル重視=パフォーマンス重視。
・ 「就活燃えつき症候群」なるものも。就職活動の早期化により、内定後、入社ま
での1年待機から(「空白の1年間」)。消えていく学生が少なくない。

● 企業の採用活動/新卒採用の3つのリスク
・ 人材ポートフォリオのリスク。少数新卒採用による人的構成の歪み。
・ 人材減価のリスク。内定はしたが、その後、入社したら別人のように魅力がなく
なっている。1年の待機期間の影響。
・ 企業ブランド低下のリスク。不人気企業=悪いまたは嫌な会社というイメージ。

・ 就職情報。ネットにて、リアルタイムで配信されている。学生が自分で就職活動
の解決策を考えないことに。
・ 採用側の企業の担当者においても、面接などでとんちんかんな質問をするものも
いる。
・ 面接においては、個々人ごとの質問というやり方もあるが、判断基準として、あ
る程度の統一は必要ではないか?

● 企業の情報発信/学生の情報収集
・ 就職活動の情報源。企業のサイト、就職サイトなど。学生が企業を選択する基
準、「なんとなく、そう思うから」が大半。
・ 学生が就職したい企業。「商品・サービス・技術が優れているよう」というイ
メージで選択する傾向がある。
・ 現在の情報発信の問題点。学生への企業からのメッセージが、企業の戦略性や将
来のあるべき方向についての理解に基づいて形成されたものではなく、企業を魅力的
にみせるイメージ的なものに偏っている。

・ ある自動車メーカー。学生へのメッセージとして、そのブランド力から、熱狂的
なイメージを使用している。しかしながら、採用してみると、あまりに熱狂的すぎる
社員ばかりとなる。これが、接客においては、この自動車メーカーのファンであるお
客とは仲良くなりすぎることとなり(時間がかかりすぎる)、それ以外のお客には
「そんなことも知らんのか」という態度となる。商品開発においては、「技術偏重」
「顧客無視」の行動となる。
・ 表現の過多。経営戦略とのミスマッチが起こっている。

● 企業の求める人材像
・ 「優秀な人」と答える、採用担当者が多い。しかし、現在、社内にいますか?と
質問すると。答えられない。
・ あるいは、「目標に向かって意欲的に行動する」「きちんとコミュニケーション
ができる」「自主・自立の精神を持っている」など、なんのためにこれらの能力が、
企業にとり必要なのかが不明瞭。
・ 学生に自己PRを明確にせよと要求しながら、企業内で採用担当者間や、採用担
当者と経営者間で採用したい人物像がはっきりしていなかったり、微妙にずれている
場合が目立つ。
・ 採用したい人物像を具体的な言葉で表現している企業は少ない。
・ 全国に支店がちらばっているような企業だと、各支店の採用担当者ごとに採用し
たい人物像が異なっていることも。

● 学生の仕事価値基準
・ 「自分のキャリアを高める」ことが、学生の仕事価値基準として多い。
・ 採用側は、「社内にて、若いうちから活躍できる」「社内にて、実力・業績が正
当に評価される」ということをPRしている。
・ しかし、学生側は、社内で活躍し、社内で正当に評価されることよりも、「社
外」から評価される経験・専門知識・実績を求める傾向がある。
・ 求人側と求職側とで、ずれが生じている。

● 企業の採用活動の問題点
・ 企業が、「なんのため」に経済活動を行っていて、「どこ」を将来目指しているのか。
そして、そのために「どのような」人物が必要なのかを明確な言葉として表現を行っ
ていない。
・ 新卒採用として、将来を担う者へ伝えるべきことは、商品やサービスの現在のイ
メージなどよりも、将来のことである。
・ 大手就職情報会社を中心にした採用活動を展開せざるを得ない状況。
・ 「空白の1年間」。この間の内定者へのフォローができていない。
  
● では、「本来あるべき人材採用」とは?
・ 企業とは、同じ目的を共有した2人以上の集団。
・ では、「目的」とは。理念・ビジョン・人物像・行動規範・目標など。
・ 企業の業績の向上においては、これらの目的の共有化が、すべての基礎であり、
最大の課題となる。
・ また、求職側は、自分の人生の目的(存在意義・夢・使命など)を実現するため
に、社会との接点をどこに持つか。この目的達成のために、企業が有効な場所である
かを確認することが大切である。

・ 自分の目的のため、就職した企業を媒介して、社会と接する。そのために、「誇
りを感じ、夢を持ち、自分にふさわしいと考え、動機付けされる」、そんな人物が理
想であり、求人側はこれを求職側に伝える責任がある。
・ 「人」と「企業」の関係。顕在化している知識や技能を求めるだけでなく、「何
をしたいのか」「何をするべきか」、また「何をもって社会に貢献し、存在している
のか」という潜在的な部分での、共有が必要である。

5) ディスカッション(発散的に)
・ 組織においては、共通目標が必要となる。
・ 子ども関係のアミューズメントの会社。顧客満足のための基準を作るが、役員が
忘れていたり。
・ 企業の規模によっても、「共有化」の困難さ?は変わらない。大企業、階層性に
阻まれる。ベンチャー、逆に意見対立となってばらばらになることも。
・ GEバリュー。明確な評価基準。社員が活動しやすい。
・ 価値観のマッチングの必要性は、転職にもあてはまる。
・ 個人は、自由でいたい。依存されることや、拘束を嫌う。
・ 社内的な自立の強要が行われている。経済情勢の変動から、急激に。
・ 80年代までの工業化、画一化、大量消費大量供給の経済体制は、終焉。マニュ
アルどおりの行動で、OKだった。
・ 価値の多様化。「個」の時代となる。しかし、企業側で、この多様化という時代
の変革に対応できていないのではないか。
・ 現在の少量採用など、企業の短期的な財務インパクトはある。しかし、長期的な
視点ではどうか。
・ マズローの欲求五段階。企業の人材採用には当てはまらない。


6) 問題点の抽出
・ 求人側と求職側のミスマッチ。
→しかし、ベストマッチは存在するのだろうか?
・ 少量採用。
→コストパフォーマンスを明らかに。
・ 「個」の自立。
・ 価値の多様化。
・ 自社表現やコミュニケーションの不足など、企業の責任。
・ 人事戦略の、経営戦略とのマッチ。
→企業は、「何のためにあるべきか」の明確な表現。
・ 給与体系等の企業の考え方。
・ 評価基準。
→会社の優先するものの明確化。
・ 組織としては、暗黙知が理想だが。外部から新たに入ろうとしてもわからない。
・ 新人採用研修の実態。
・ 他の国は?アメリカは?


・・・なお、11/1(土)、34thミーティングにおいては、
「明るい! 人材採用 第2弾」として、
今回抽出された問題点に対する具体的な解決策を検討致します。

  「34thミーティングに関する報告書」(2003.11.1)

「明るい! 人材採用2 〜問題解決編〜」

2003年11月1日(土) 13:30〜17:00
東京・新宿 
参加者11名 経営コンサルタント、大学生、税理士、会社員、フリーライター、
コミュニティFM局パーソナリティ、IT関連、行政書士、司法書士、他

発言者 千原康裕さん((有)リスペクト プロデューサー)

概要 
1) 会の説明
2) 発言者あいさつ
3)  参加者による近況報告
4)  発言「明るい!人材採用の問題解決」
5)  ディスカッション
6)  ケーススタディ

内容  
1) 会の説明
・ 会の立上げから現在までの沿革について、説明。
・ 問題解決編を行うことから、社会に対する「アウトプット」を意識すること。
・ ただし、アウトプットは本日の状況を踏まえてのものとなるでしょうと。

2) 発言者あいさつ
・ 営業のための、電話にてのアポ取りがけっこううまく行っている。
・ 聞く耳を持つことと、わかりやすく伝えることの重要さを最近しみじみ感じている。

3)  参加者による近況報告
・ 仕事で入国管理局へ。申請のため150人待ち(2時間強)を体験。
・ 入国管理局。申請作業の簡略化を求められる反面、不良外国人対策にて矛盾する突き上げも。
・ ベンチャー。技術・商品は揃ったので、営業・販路の開拓へと、シフト。
・ 地元にて、JC同士の選挙戦。一方の応援スタッフをしているが、マニフェスト配りなど楽しんでやっている。
・ ネイチャーゲームのインストラクターをやっている。体験型でおもしろい。
・ ダメ出しグルメ。雑誌に載っているラーメン屋でも、まずい店が多い。
・ あまりのまずさに、はじめて残して帰った。
・ 疲れているときは、新しい店の挑戦はすべきではないことを学ぶ。
・ 関西の若手地方議員による選挙キャンペーン「ジェネレボ」にお手伝いに。
・ 自分の居住地の選挙区から誰が出馬しているのか知らなかった。
・ 喫茶店でのネットワークビジネスの勧誘を見つけたので、トークの勉強のために、横で聴いていた。けっこう参考になった。
・ キャッシュフローゲーム。けっこうネットワークビジネス系の参加者多い。
・ ある先生との出会いから、中国・台湾に興味。
・ 海外の農業畜産事業に興味。EUには、「動物福祉」という観念がある。
・ 「みどり2号」運用停止、700億円。人工衛星のコストダウンと、マーケティングを行っていた。

4) 発言「明るい!人材採用の問題解決」
・・・週刊誌「AERA」の記事、配布。「就職市場を支配 リクルート商法」。
   学生のほぼ100%が登録する、「リクナビ」について。
   学生にも企業にも便利な反面、学生が自分で情報収集をせず、また社会人との
  コミュニケーションがうまくはかれなくなっているという問題も。
   企業は、リクナビで「欲しい人材」が採れるとは思っていないということも。
   あくまで、単なる広報手段と割り切っている企業も。
   
千原さんより発言となる、「前回のおさらい」から・・・
・ 若年者の離職率が上昇している。企業にとっては、採用活動への投資の損失に。
・ 学生の就職動機。「なんとなく」が大多数。学生も、「自己判断」が必要。
・ 企業の持つ、「人材像」が不明確。
・ 人材採用や、組織において、「ミスマッチ」が生じている。あるいは、経営戦略と人事戦略がマッチしていない。

つまり・・・
・ 企業と個人(学生)の「ニーズ」にズレが生じている。
・ 企業は、「なんらかの目的」や「なんらかの利メリット」など明確な基準を表現する必要がある。
・ また、企業と個人とが互いの「考え方」に共鳴する部分があるかどうか確認できる「場」を作り上げることが必要となる。

ここで、大学生にインタビュー・・・
? 就職について、現在志望する業界はありますか?
・ 人口学など統計に興味があるので、マーケティング分野に進みたい。
? 企業に勤めるとして、定年までですか?
・ スキルを高めることを重視。定年まで勤めることは考えていない。

・ 結果として没頭できるようなもの。たとえば、「アメリカに負けない」というような組織上の大義が喪失してしまっている。
・ 企業の変化と個人の変化とがあるが。短期的な企業の変化、つまり「財務的なインパクト」だけでなく、長期的な個人の変化、つまり「ライフスタイルの多様化」にも目を向けるべきではないか。
・ 少なくとも、企業による「適材適所」の工夫が必要。

配布資料「明るい! 人材採用2 〜問題解決編〜」に沿って。
● 「事業領域」の明確化を。企業だけでなく、個人においても。
・ 「事業領域」。社会との接点における「思い」というような。
・ しかし、この「思い」は、潜在しているものである。
・ とすると、企業は、自己の「事業領域」を、個人にわかりやすく伝えなければならない。これは、企業の責任である。
・ 現在、単に「スキル」(顕在)のみを追いかけるようになっていないか。
・ 「事業領域」をわかりやすく伝えることが、個人のモチベーションへとつながる。

● 「事業領域」の一致が、組織への「帰属意識」につながる。
・ たとえば、日清食品HPに掲載されている、「日清マン10訓」など。
・ 日清食品は、「打倒! カップヌードル」というように、わかりやすい言葉で個人を求めている。
・ また、ある会社に「この会社の思いはなんですか?」と聴いても、答えは返ってこない。
・ それよりも、「普段の業務でどんなことを考えていますか?」という質問から、その会社の「思い」を発見することができる。
・ あるいは、「顧客第一主義」というフレーズがあっても、具体的に伝えることができなければ意味がない。

・ この「事業領域の一致」により、どういったマーケット(お客様)を対象としているかが明確となる。
・ また、これにより、個人にプライドと自信を付与する。
・ すなわち、それは反射的に、お客様の企業に対するモチベーションアップとなる。

● 企業の明確な「人材像」こそが、企業の統一的な「採用基準」となる。
・ そして、このような人材採用面からのアプローチが、組織そのものを改革していくこととなる。

● 浸透の方法。
・ 社内への浸透。一言一句を実践的に伝えるトレーニングなど。
・ 採用活動への浸透。事業領域(経営理念)の明確で、わかりやすい表現を。
・ たとえば、富士通は、「社会インフラを作る」。
・ 社外への浸透。経営者の“顔”を伝える。

● まとめ。「人」を尊重し、この人を「組織」とすることが、「社会」に資する。


5) ディスカッション
● 発言への質疑的に。
? 個人の「事業領域」というのが、いまいち。
・ 個人の、社会的な意味における人生の立ち位置。
・ あるいは、自己がなすべきこと、自己が満足できること。
? 新卒者も、「事業領域」を定めなくてはならないのか。
・ 定めるべきとの「仮説」に基づいている。
? 企業で、「事業領域」を明確に表現しているものは少ないのでは。
・ 少ないです。つまりは、これが「ミスマッチ」の原因となっている。
・ スキルを重視する、中途採用の場合にもあてはまる。
・ 結局、スキルの切り売りとなっている。

● ブレスト的に。
  お題「人材採用。企業と個人お互いにとり、より良いマッチのためには、
1) 企業が人材像を明確にすること。
2) この人材像をわかりやすく伝えること。
3) また、はたしてしっかりと伝わっているかをチェックすること。
  が必要であろうことはわかったが、これについて、意見は?」
・ 好き嫌いの問題では。
・ 恋愛と同じでは。
・ 一目惚れか、ちょっと付き合ってから好きになるか。
・ インターンシップが一つの具体的な方法と考えられる。しかし、現状は、採用の絞り込みに利用されている。
・ 企業にあこがれて、追いかけるような。
・ 大きい仕事がやってみたい。責任があるけど、やりがいがあるような。
・ 自分を高めたい。しかも、早く。
・ 就職活動後のマリッジブルーが起きている。企業の事業領域への理解不足から。
○ では、いかに、企業の事業領域を伝えるか?
・ OB・OG訪問のような活動にて、企業の沿革や事業領域を理解するという方法。
・ しかし、現在、学生たちは敬遠している。

6) ケーススタディ
● お題「あるIT関連のベンチャー企業。
     社長と従業員が2人。
     現状は、従業員は社長の指示を待って業務を行っている。
     しかし、社長は、従業員に「問題意識」を持って行動して欲しいと考えている。
     そこで、この社長のジレンマを解決するには、どうしたらよいか?」
・ 「共同経営」というのは、幻想にすぎない。
・ 組織には、序列が必要。
・ 権限委譲は行っているのか。
・ 育てていくしかない。
・ では、育てる方法は。小さいところからコツコツと。起業家精神を育むような。
・ 数値目標を与えてみる。
・ 社長の「思い」を理解しているか、チェックしてみる。
・ 社長が走りすぎでは。
・ 逆に、ワンマン社長のほうが、まとまることもある。
・ 高い目標を掲げてみる。
・ しかし、限界が見えたり、落ちこぼれが生じるのでは。
・ 達成過程を示してみては。
・ これを具体的に示してみる。これにより、責任が生じることになる。
・ トライ&エラーにて、再検討をしつつ。
・ 個人目標ではなく、部門ごとの目標を立ててみる。
・ 能力給を導入してみる。

○ とにかく、やってみる。その後は、PDCAにて。仮説と検証の繰り返し。

● 発言者より、まとめ(アウトプット=「戦略研的提言」)にて。
・ 企業は、「事業領域」のわかりやすい伝達に責任がある。
・ 学生は、仮に20年の人生としても、その年数・経験から、自身が責任を持つ「自己判断」を行わなくてはならない。
・ 発言者としても、この仮説を、具体的な業務として検証を行っている。また後日、この検証結果を発言したい。

 

  「35thミーティングに関する報告書」(2004.2.3)

「勝てる! 戦略的交渉」

2004年2月7日(土) 13:30〜17:00
東京・新宿
参加者18名 経営戦略コンサルタント、財務コンサルタント、大学生、
税理士、会社代表、会社員、フリーライター、コミュニティFM局パーソナリティ、
IT関連、行政書士、司法書士、他

発言者 菊池慎一郎さん(経営戦略コンサルタント)
      なお、発言サポート 森永さん(経営コンサルタント)

概要 
1)  会の説明
2)  参加者による近況報告
3)  発言「勝てる! 戦略的交渉」

内容  
1) 会の説明
・ 会の立上げから現在までの沿革について、説明。
・ 現在、社会に対する「アウトプット」を意識し、実行している。

2)  参加者による近況報告
・ ニューヨークに毎年、旅行。9.11より、ほぼ復興。
 日本とアメリカとの危機管理の差を感じる。たとえば、荷物検査など。
・生命保険。企業の体力差が出てきている。
 企業も、高くても買ってもらえるものか、それとも安くして買ってもらうか、二極に。
 企業の保険へのニーズ。コストを下げたい。これにより、保険の単価が下げることに。
・就職イベント。有名(名前を知っている)企業に学生が集まる。
 「選ぶ者と、選ばれる者」から、「WIN WINの関係」にならないか。
 個人の方向性と、企業の方向性をすり合わせるような。
・「ビルゲイツの就職試験」という新刊がおもしろいとか。
・IBMコンサルサービスより転社した、CEO。「プロの経営者の市場を作る」とか。
・「勝ち組・負け組」でなく、これからは「幸せななキャリア・不幸せなキャリア」へ。
 他者に判断を委ねるのでなく、主観的に。
 そして、「キャリア」「ジョブ」「ライフ」はつながる。つなげるのは、「知的好奇心」
・事業売却に伴う、企業資産の評価や売却の仲介を行う。
 大阪方面にて、昨年後半仕事をしてきたが、大阪方面の地価はまだまだ下がりそう。
・現在、書籍執筆中。「預金封鎖」「年金崩壊」「地域通貨」などなど。
 地域通貨については、地域のボランティア云々でない、第二通貨の意味で。
 日本国内でも、「円」の価値は変わる。
 いつぞやの地域振興券は、けっきょく、この券の分が、貯蓄に回ったため、
 経済効果は、プラスマイナスゼロとか。
・マルチ商法の告発を扱う、HPサイト「悪徳商法マニアックス」。
 グーグルがこのサイトを、
 マルチ関連企業から圧力を受け、検索ができないようにしたとか。
・転職の連続。最近、シンクタンクを辞め、独立。自分の好きなこと(仕事)をやることに。
 「アカデミック」「ビジネス」「ジャーナリズム」をキーワードに。
 アカデミックは、望めばいつでも大学に。
 ビジネスは、社会に触れる。
 ジャーナリズムは、社会的評価のある執筆・講演により。
 たとえば、スウェーデン。60歳で無一文でも生きていけるし、
 大学に入って勉強もできるような社会。
・青色LEDの裁判。知財の専門家に言わせると、「特殊事例」。普遍的リスクとみない。  
・ダメ出しグルメ・番外編。栃木県茂木町。SLが走っている。
 駅近くの、お寺参道。「そばひろ」のけし切り、おいしい。
 地酒にて、もつ煮込みをつつきつつ、しめで、そば。幸福。
 家族も喜び、WIN WIN。
・税理士は、税務署との交渉役と認識。「リスク・マネジメント」ビジネスと捉えている。
 租税法律主義のはずだが、税務調査は、係官の性格次第とか。 
・就職活動のことは、まだ考えていない。いまわからないことは、とりあえず置いておく。
 リアルに感じられない。
・人口学のゼミに決定。「移民」という要素から、将来的な日本の社会・経済への影響を
 考えたい。
・BSLという大学院生による全国組織に注目している。かなり、実行的。
 大学生の情報における「勝ち組と負け組」が生じているのでは。
・農学部学生にて、農業に関するラジオ企画、進行中。
 これを、他の大学の学生にも拡大していきたい。
・明大農学部、けっこう、農協のシンパが多い。
・42〜45歳には、フィリピンに施設を作りたい。日本の老人が、比の孤児のケアをする。
 いろいろな環境の人たちが、愛情でつながり、WIN WINとなるような。
 多様性を念頭に置いている。
・知識やチャンスのスピードが過剰に。自分自身の目標が必要。
・都庁の警察への人員派遣。労働組合の関係で、1000人が100人に。
 近日、都庁が、直下型地震を想定して災害の図上演習を行う。
・核。核兵器自体の管理も問題だが、核開発者の管理も問題に。

3) 発言「勝てる! 戦略的交渉」

配布資料。
菊池さんより、「ネゴシエーション(交渉)」
森永さんより、「Negotiation Strategy」
・・・Strategic Planning<戦略経営研究会>メーリングリスト
の「ブリーフケース」に
データあります。

まずは、森永さんより(交渉の前提なるものにつき)。
・グローバル経済において必要となるもの。コミュニケーションと、ロジック。
・議論の体系から。
・議論は、まずコミュニケーションが前提となる。
・議論に、「交渉」が含まれ、交渉には、「説得」と「脅し」がある。
・説得はたとえば、「価格交渉」や「M&A」など。
・脅しには、論理的なもの(貿易交渉)、論理的+流動的なもの(核)、
 非論理的なもの(やくざ=交渉には当たらない)がある。
・論理的なものとは、(事実に基づく)「論理学(ロジカルシンキング)」による。
・演繹法(国家や企業の意思決定では行われていない)と帰納法について。
・ビジネス交渉の基本。WIN WINである。ゼロサムではない(現場にいると思いがち)。
・WIN WINのためには論理が必要。論理とは、『事実に基づく謙虚な判断』。
・インターネットの情報の氾濫。事実がわからない?
・そもそも、事実はない。各人の認識による。しかし、社会の構成上、社会的な倫理から、
 コンセンサスとしてのコミュニケーション上の事実はある。
・マスコミの情報、ほとんど「ウソ」。ただし、事実の報告についてでなく、「主張」の誤りから。
・また、事実とは何か?という問いかけが大事。
・各人の事実のすり合わせには、謙虚さが必要。
・イラクの大規模破壊兵器。スウェーデンであれば、核の調査委員会のように、
 「事実がないので、コメントできない」。コメントするのであれば、「事実を調査させて欲しい」と。
・つまり、調べて判断が基本。
・しかし、WIN WINとはいっても、しょせん人間対人間。相性の問題もある。
・ビジネス関係と人間関係の部分を分けるというやり方もある。
・ちなみに、ビジネスにおける交渉では、「組織力」がポイントに。個人の力ではない。
 お互いのメリットを明確に分かりやすくすることが基本。

ついで、菊池さんより。
・まずは、交渉のいろいろな場面の紹介から。
・相手が何を望んでいるかが大事。
・交渉のフレームワーク。「利益分配」「利益交換」「創造的問題解決」。
・利益分配は、固定されたパイを分け合う。情報操作により交渉。
・利益交換は、WIN WIN交渉。お互いのメリットを明確にする。
・創造的問題解決は、パイ自体を大きくする。これも、お互いのメリットを明確にする。
・アイスクリームは溶けていく。交渉が長引くと、コストが利益を上回ってしまう。
・たとえば、労働問題や貿易交渉など。最悪の場合は、利益が消滅してしまう。
・ではどうするか。1つは、相手の容認できる条件を提示する。全面敗北はない。
・もう1つは、自分の行動が将来起こす相手の行動の可能性の把握。先読み。
・交渉に関する誤解。交渉への間違ったイメージ。
 「駆け引き」。やりすぎると、信頼を失う。
 「経験に学ぶ」。営業における交渉ノウハウなど、応用は効かない。
 「戦術」。口が達者であるかどうかは関係ない。
  相手が交渉戦術をもっていれば、逆手にとって交渉しやすい。
・戦略活用行動。相手が耐えられない状況を作り出す。
 自分自身の行動を意図的に制限することで、相手の行動を変えさせる。
・戦略活用行動は、脅しと約束に分けられる。
・脅しは、こちらの意向に沿わない場合は、罰則を与える。
 約束は、こちらの意向に沿う場合は、褒章を与える。
・脅しの問題点は、実際に実行されれば双方とも被害が生じる。
 約束の問題点は、相手が意向に沿う行動をした場合、
 前言を取り消したい誘惑に駆られる。
 この問題の解決のためには、
 脅しや約束が言葉どおりに行われるという「信頼性」が必要となる。
 たとえば、「テロリストとは交渉しない」というような評判の確立など。
・瀬戸際戦略。交渉決裂の場合、最悪の事態となる。これを想定しつつ、
 非常に危険なステップを踏みながら行う交渉。キューバ危機が有名。
 1.不確実性の導入。たとえば、戦争が起こる可能性があると示唆。
 2.この不確実性の証明が必要。現場が勝手に熱くなっていると示唆。
 3.危険のコントロール。論理的でなくなるかもと示唆。
   熱くなったら何をするかわからないと示唆。
・交渉の基本的なスタイル。
 WIN WINの関係を構築する交渉(協調的交渉)が、基本。よく行われている。
 もう一つは、戦略的交渉。譲歩の限界を見極めて、真の利益を獲得する。
 戦略的交渉には、「強者必勝型交渉」「脅迫状型交渉」「チキンゲーム型交渉」がある。
・交渉を行うための「説得」の類型。
 感情的説得。涙ながらに訴える。
 功利的説得。相手の利益を最大化する材料を提供。
 論理的説得。論理立てて。相手の対面に傷つけない。価値観の共有が必要。
・強者必勝型交渉。「YESか、NOか」。0対10のような力関係。
 一方的な指導権。
 強者側は、大義名分を提示してあげる。
・脅迫状型交渉。「砂漠で水が欲しいときに、コーラ一缶100万円」。1対9のような関係。
・チキンゲーム型交渉。「退路断つ型」。
 理不尽で野獣的だが、合理的・知性的な相手には、効果が絶大。論理的説得が不要。
 交渉する側のごり押しは通るが、次回の交渉はまずないと考えられる。

 「論理的説得型交渉」の薦め。論理と論理のせめぎ合いで、合理的な解決方法を模索。
 「その後の交渉」を容易にする。
 たとえば、交渉ルールの交渉から。議論を小さな塊に分解する。交渉の参加者を増やす。

● 発言者より。
交渉の「応用編」まで考えていたが、時間が足らず残念。

・・・近況報告の時間がかなり押したため(事務局より)。
ただし、この部分での参加者の満足度は高かったので、バランスを検討。

 

  「36thミーティングに関する報告書」(2004.4.3)


「守る! 危機管理」

2004年4月3日(土) 13:30〜18:00
東京・新宿 
参加者20名 経営コンサルタント、大学教員、大学生、税理士、会社員、自治体職員、
フリーライター、株式・経済評論家、IT関連、行政書士、司法書士、他

発言者 浅利 眞さん(特定非営利活動法人日本危機管理学総研 常務理事)

趣旨 昨今はやりの「危機管理」。しかし。その定義はと問われると、千差万別。そこで、今回ミーティングは、「人の命」に関する危機管理に焦点を当ててみました。

概要 1) 会の説明
    2) 発言者あいさつ
    3)  参加者による近況報告
    4)  フリーディスカッション
    5)  発言「守る! 危機管理」

内容  
1) 会の説明
 ・ 会の立上げから現在までの沿革について、説明。

2) 発言者あいさつ
 ・ 本業である危機管理コンサル会社。企業テロ関係のセミナーや顧問など、最近忙しくしているとのこと。

3)  参加者による近況報告
 ・ 事業再生や承継の仕事をしている。
 ・ 成果主義・人事制度と、従業員のモチベーションとの関係が難しい。
 ・ モバイル教育システムを模索・実験している。
 ・ カミカゼとテロは違う。
 ・ 農業をキーワードに、ラジオに関わっている。また、学生の勉強会を立ち上げ予定。
 ・ 中小企業診断士の業務として、商店街活性化があるが、これに地域貢献という別視点を与えられないか。
 ・ 東京都による新銀行、いかがなものか?
 ・ 発展途上国への民間援助のネットワークを作りたい。
 ・ インターフェロンの問題点。病院は、雰囲気がさらに身体を悪くさせる。
 ・ 成田の車勝寺近くの山形屋の(こしょう)せんべいがおいしい。これに、ごま玉子があれば、言うことなし。
 ・ アメリカに1ヵ月間。イラク戦争1周年で反戦デモをやっていた。日本人のアイデンティティとは?
 ・ 保険の銀行窓口販売、始まる。勤務先の保険会社、持ち株会社に。
 ・ データバックアップ会社のパンフにて説明あり。タイムマネジメントを考える、今日このごろ。
 ・ 地域活性につき、企業外にて、協働マネジメント。
 ・ 新紙幣の切り替え時に、預金封鎖があるのではないか。1冊、本を出しました。
 ・ 1人暮らし始めました。最近、合宿にて、伊豆の民宿に行ってきましたが、かなりとほほなお風呂でした。
 ・ 最低資本金の特例会社1万社を超えました。業務にて、いくつか関わりましたが、信用力はほぼないですと説明している。また、登記簿謄本を見ないとわからない。

4) フリーディスカッション(近況報告にて気になったテーマにつき)
 ・ 勤務先の保険会社、持ち株会社になったことによる、「格付け」の変動について。
 ・ アイデンティティについて。新大久保駅での線路落下を救出しようとして、亡くなった方を評してマスコミは 日本人の美徳のように書いていたがアレはどうなのか? アイデンティティと関係性の問題について。
 ・ 中小企業診断士と商店街。商店街、後継者不足と大手スーパーの進出による危機。中小企業診断士は現状の問題点に対応し切れていない。そして、自然淘汰が進む。地域活性の目的には儲けること。複数の商店街の包括化も一つの手段か。あるいは、大手スーパーとの相互補完関係の構築。でないと、消費者は、ロードサイドへと向かい、既存の中心地の空洞化となる。しかしそもそも、商店街の小売店のモチベーションはどこにあるのか。生活のためというだけか? その先はないのか? 地域を守るということは、モチベーションにならないか。
 ・ 国内ODAはできないか。地域のGDPでいえば、北海道はデンマーク並み。九州はオランダ並み。各地域は現在輸入超過に陥っており、これを地方交付金が補填している。あるいは、地方の債券を中央が購入してはどうか。また、東京の円レートに合わす必要がないのでは。道州制に経済学の観点が入っていない。幕藩体制を再考してはどうか。ただし、地方税の自治体による徴収能力は低い。
  
5) 発言「守る! 危機管理」
配布資料「守る! 危機管理」に沿って。
● 特定非営利活動法人日本危機管理学総研の事業説明
  危機研が取り上げられたTV番組をまとめたCD(配布)をプロジェクターにて放映。
● 危機管理とは何か?
 ・ 危機管理の歴史
  「キューバ危機」以降の考え方。核戦争の抑止のために。ここから、医療や企業の分野に応用されるように。なお、日本では、千葉商科大学に「危機管理学部」が唯一あるとか。
 ・ 危機管理とは何か
  危機管理の定義は、学会・学者ごとに異なる。
  危機研としては、「1%でも被害を少なくする活動」と捉えている。とくに、対象は、「人の命」としている。
 ・ 危機管理理論
  危機研独自の「危機管理理論図」にて説明。予兆の認識と、危機への転換点の認識が重要となる。これらの認識がないと、危機管理活動は行えない。
また、危機管理サイクルの説明。情報収集(何が危機かの定義付けが必要)→予防(危機が発生しないようにする)→準備(危機が発生したときのための事前準備)→対応(危機が発生した際に被害を最小限に食い止める活動)→改善(対応などの評価。見直し。さらには、2度と危機を発生させないための行動)。
危機管理においては、危機への認識が重要となる。また、組織体においては、この認識の共有化がはかられていなければならない。
現在の日本の危機管理の現状では、予防偏重型になっている。予防策を講じているから、行政も企業も、危機が発生するわけがないという態度になっている。
● 子どもたちを守る取り組み
 ・ 子どもたちを取り巻く環境
  バブル崩壊後の急激な犯罪件数の増加。また、子どもたちを対象とする犯罪の増加。地域住民の子どもたちへの無関心。地域における人口の流動化など。
 ・ 子どもたちを守る現状
  学校と地域、そして警察がそれぞればらばらになっている。防犯カメラの設置や防犯ブザーの配布などは行われているが、あまりにハード偏重となっている。それぞれ、人というソフトによって活かすもの。ただし、防犯パトロールなども、自己満足型といえるものが多い。効果の評価を行い、見直しにつなげようとするところは、 皆無か。
 ・ どうやって子供たちを守るのか
  PTA間、PTAと地域住民や、学校などの「温度差」を中和するためのモチベーションが必要。何らかの利益を提示。
  ニューヨークの犯罪撲滅の取り組みの一つの核となった「割れ窓理論」にあるように、地域としての「子どもたちを守るための取り組み」が必要。
  地域住民の目により、「犯罪機会」の低減が必要。
  子どもたちから、地域の犯罪情報を引き出す必要がある。そして、このようなコミュニケーションから、子どもたち自身の「自己防衛力」の向上をはかっていく。
  現在、危機研では、この点につき、教育委員会やPTAから要請により具体的な活動を行っている。

● 災害への備え
  危機研における、阪神淡路大震災の調査・研究から、都市における大災害時には、行政からの住民への救援に「空白の4時間」が存在するとのこと(資料配布)。大災害時においては、この空白の4時間に、住民による、自助、そして互助が必要となる。
  現在、危機研では、この点につき、地方議員向けの災害に関する危機管理アンケート(試験段階)を行い、調査・研究を継続している。

● 発言者より、まとめにて。
 最近のアメリカのある統計より。
「危機管理活動に1ドルを費やせば、危機発生後に費やされる金額は7ドル減る」

  「37thミーティングに関する報告書」(2004.6.5)

戦略研37thミーティング レポート
「成功する! 地域活性ビジネス1 〜問題提起編〜」

2004年6月5日(土) 13:30〜17:00
東京・新
参加者18名 経営コンサルタント、財務コンサルタント、大学教員、大学生、
        会社員、フリージャーナリスト、株式・経済評論家、IT関連、
        会社代表、ミニFM局パーソナリティ、行政書士、司法書士、他

発言者 茂木正光さん(戦略研・地域活性プロジェクト)

趣旨 静岡県水窪町の現状と、
    この町での地域活性ビジネスの成功事例「水窪葬祭」についてです。
    発言の後、参加者全員参加にてディスカッションを行います。
    水窪葬祭のさらなる発展のためのアウトプットを目指します。

概要 1) 会の説明
    2) 発言者あいさつ
    3) 参加者による近況報告
    4) 発言「成功する! 地域活性ビジネス」

内容  
1) 会の説明
 ・ 会の立上げから現在までの沿革について、説明。

2) 発言者あいさつ
 ・ 水窪イメージと、問題提起ができればと。

3) 参加者による近況報告
 ・ トロントへ旅行。市場や、地元の食を回ってくる
   それにしても、デブばかり。調理能力が低いのか
 ・ FM世田谷にて、放送開始
 ・ 地元の石川県
   田舎の生活満足度は上がっている
   しかし、東京へ行きたい人たちが多い
   その人たちをとどめたい
   また、地元には産業がないという、思い込み
 ・ 上場企業の財務コンサル案件を行っている
   内部統制がとれていない
 ・ 知識の柱をと考え、中小企業診断士の試験を始めようかと
 ・ 企業と地域の同一性があると。「内部の問題」ではないか
 ・ 上場企業、去年営業で攻めてた
   決済までにやたら時間がかかる。なので、現在個人へ
 ・ 資格。ほんとうに役立つものが必要。生き残りをかけて
 ・ 週刊誌を読み、比較する?、ゼミを行っている
   世界でも珍しい出版文化。その中でも、新聞社系を
   それにしても、ヨミウリウイークリーはどうか?
 ・ 社会保障系のジャナーリストでした
   政策形成過程には、詳しいです
 ・ 農業経済の授業で、途上国と先進国のデータをグラフに
   問題抽出ができて、おもしろい
   解決としては、難しいけど、途上国の所得をあげるしかない
   日本を参考にできないか
 ・ 学生メンバー、農水省の食品表示のセミナーへ 
   MLにレポあげます
 ・ 学校の危機管理。佐世保の事件に関して
   ネットマナーの教育を。できていれば、予防できたかと
   これを、具体的事例で教えるプログラムが必要か
 ・ リースのお話し。賃貸借の商社?
   中国進出の企業で、リースを組みました。中国の特殊事情もあったけど、
   新しいことでおもしろかった
 ・ 三菱自。グループの役員が、メルセデスに乗れなくなったことが
   三菱自社内で問題になっているのでは?
   三菱自の国内シェアが約5%、三菱グループの人口が約4.9%。
   つぶれないね
 ・ コンサルティング・ファーム。最近、上場するものが出てきた
   コンサルのスタンスに変化。株主ばかり向いている
 ・ ITの売り込み。コンサルをポイントにおいている
 ・ 化粧品メーカーの工場見学
   多品種少量ライン。しかし、不良化率1%
 ・ 東京砂漠を経験しています
 ・ 議員インターンシップ団体の代表でした
   政治家というフィルターを通して社会を見る
 ・ 車イスバスケの全国大学連盟を立ち上げました
   健常者もメンバーです
   道具を使うスポーツの普及という感じ
 ・ 福祉教育には疑問
   WIN WINになっていない
 ・ 最近、若さで売るのもどうなのか?とか
   ちょい社長っぽくなるようにしています
 ・ 人手不足。人件費と売上げとのジレンマ
 ・ プライヴァシーマーク取得の講座、受けてきました
   会社の信用度UPにつながればと。コストを兼ね合いしつつ
   →セキュリティの中身・運用が重要
   →コンサル案件につなげられないか
 ・ 情報漏洩は、お客様相談室からというお話しも
   アクセス制限と、ログの通知という対策が必要

4)発言
「成功する! コミュニティビジネス1 〜問題提起編〜」
の資料を配布
また、
・水窪葬祭資料。企業理念。平成15年決算、貸借対照表。
・水窪NPO「街づくりネットワーク」資料
なども

1. 地域活性化とは?                           
         
 ・地域とは?
   単に田舎とかいう意味でなく、都会においても、
   茂木が住んでいる、板橋区、その中の「南町」は
   やはり「地域」であるという定義の仕方

   あるいは、東京も、中央の政府(霞ヶ関)からみれば、
   「地域」である

 ・活性化とは?
   単に観光地化をする、企業誘致をするという
   ことではなく。その地域に住む人々にあった
   サービスが行えること

   また、中山間過疎地という地域においては、
   そこで、ヒト、モノ、カネ、そして情報が循環し、
   そしてこの循環により、自立することであるという
   定義の仕方

   さらには、外部との交流、外部からの吸収が必要となる

 ・そして、地域活性ビジネスとは?
   ある地域において、ヒト、モノ、カネ、そして情報の循環
   を中心に据えたビジネス

   無償・ボランティア的なものでなく、カネを継続的に回し、
   地域に関しての長期的視点を持つビジネス
 
   ポイントは、地域内部におけるコミュニケーションと、
   地域の外部とのコミュニケーションが必要となること。

   具体例として、大阪・中崎町の商店街の取組みが 
   挙げられました。

2. 水窪(みさくぼ)地域の現状                      
         
 ・地域イメージ
   地理的なイメージから。静岡県の西北部。長野県、愛知県
   と接する。
   静岡、「海」という感じですが。山間の町。
   東京から電車だと、新幹線から、さらに遠州鉄道・遠州バス、
   あるいは、飯田線を乗り換えていくしかない。
   かなり時間がかかる。

   町は、ほとんどが森林。ごく一部の川沿いの平坦な土地に、
   中心地が存在する。ここに役場や商店街がある。
   残りは、10世帯とかの集落が、山の中に点在する。
   
   ただ、平坦と行っても、かなり狭く、V字の底に、町が存在している。
   ちなみに、町周辺の杉が若く、山崩れの可能性があるとか。

   ある学生は、「山、そして森林の中に、こつぜんと
  (良くあるような)町が現れた」との感想を。

 ・産業
   町の基幹産業であった、林業は、壊滅的に衰退。
   売れば売るほど、赤字。
   外材にコスト面で太刀打ちできない。

   また、工場の海外移転の流れから、静岡などの自動車産業の
   下請けも打撃を受けている。
   
   具体的には、
   80人雇用の工場の閉鎖や、90人雇用の工場の段階的海外への
   移転など。

   そして、もう一つの雇用媒体である町役場も、合併後には、 
   (転勤などで)その職員数が大幅に減少することが考えられる。   

   2003年産業人口比率
    1次 10.2%
    2次 43.9%
    3次 45.9%

   なお、人口3500人の町であるが、その交通の不便さから。
   (国道152号が走るが、一部1車線のところもあり、
    かなりワインディングしていて、地元のドライバーでないと、
    きつい)
   また、人口の集中地があることから、50〜60軒にて商店街
   を構成している。若干高かったとしても、住民はたいがいこの
   商店街で購入している。
   (隣町・佐久間町からも、水窪町近辺の住民は、この商店街に
    買い物に来るとか)

 ・人口動態
   毎年、100人ずつ減少。60人が死亡にて、40人が若年者などの
   地域外就職とか。
  
   幻となった佐久間町との合併協議会資料によると、
   統計的に、35年後には、町は消滅するとか。

   茂木が始めて行った頃(6年前)は、4000人を切るか切らないか
   だった。

   最近の工場の閉鎖や、今後の合併による町役場の規模縮から、
   人口減少は、さらに加速すると予想される。
  
   平成16年3月31日現在 3509人

   2003年度人口分布
    3613人   増減率 −2.17%
     0−14    9.2%
     15−24   8.6%
     25−64  44.0%
     65−    38.1%
    世帯数    1335世帯

   高齢化率、38.1%!。また、その予備軍も控えているのがわかる。

   参考比較) 東京都板橋区
    506732人   増減率 0.68%
    0−14   11.5%
    15−24  11.8%
    25−64  59.5%
    65−    17.2%  
 
   板橋区は、今後も微増が続く(外国人居住者の増加というお話しも)。
   ただし、人口分布はかなり変わる。
   0−14はほぼ横ばいだが、15−64が大幅に減り、
   その分、65−が増えていく。

   ・・・つまり、水窪は、人口の考察的に、将来の日本の姿であると
   いえる。
   

※ ここで、閑話休題。戦略研・地域活性化プロジェクトの取組みと、
   大学・大学生との連携について。

   いままでの流れと、実績につき。

   大学生による「まちおこしプラン」(ヒト、カネがなく、交通不便という制約あり)
   は、2年前から(今年も始まっています)。
   町長自宅にて、貼り出しを行い、徐々にではあるが、
   住民に認知されてきている。
  
3. 市町村合併                              
          
 ・幻の佐久間町との合併協議
   数年前より、合併協議が行われていた。  
   しかし、田舎って、隣りの地域とは仲があまり良くない。
   また、
   佐久間町も、昭和の大合併によりできた町ですが、 
   水窪のような中心地がなく、
   いまも集落単位にて、町としての融和は進んでいないというお話しも
  
   なもので、かなり消極的な感じでした。

 ・12市町村合併
   しかし、昨年の統一地方選、浜松市長選にて、現職市長(再選)
   が、突然、天竜川・環浜名湖の13市町村合併構想を
   公約にしたため、状況は一変(新居町は脱退)。

   当初反対するかと思われていた、天竜市長が乗り気になったこともあり、
   一気に12市町村合併に。
   
   また、ほとんどの市町村にて(水窪も含めて)、何より住民の大半が
   この合併に乗り気。
   ・・・やっぱり、浜松市におんぶにだっこが一番に〜とか。
   ・・・浜松のアクトシティが、自分たちのものになるら〜とか。

   なもので、来年前半には、新「浜松市」が誕生。

 ・合併の影響
   この12市町村合併、水窪住民にとっては打撃といってもよい
   影響を与えるのではないかと予想される。

   浜松市まで、車で2時間近く。つまり、もっとも浜松市の中心から、
   遠い地域になる。

   行政サービスは、はたしていままで通りのものが受けられるのだろうか?
   そして、水窪も、さらに中心地以外のさらに山深い地域は、
   はたして、新浜松市に憶えていてもらえるだろうか?

   また、役場の規模縮小から、水窪町での雇用媒体がまた一つ減ることに。
   これは、
   かろうじて生き残っている商店街にも影響を及ぼす。

   つまり、行政のサービスだけでなく、民間のサービスも著しく低下する
   可能性が高いわけである。

4. コミュニティビジネス「水窪葬祭」。そして、水窪NPO         
          
 ・水窪葬祭の軌跡
   ここで、3年前より、戦略研メンバーも含む水窪の若手有志による、
   「水窪住民の、水窪住民による、水窪住民のための」
   ビジネスが立ち上がった。

   それが、水窪葬祭である。
   かなり、ベンチャー的な要素がありました。

   葬儀については、立上げメンバーも皆、素人。
   しかし、
   それまで葬儀を独占していた、農協では、
   葬儀のお返し(引き物)を、水窪外の業者から買うなど、 
   水窪のカネが流出していく現状を変えたいとの思い。

   そこで、水窪の商店街と提携し、若干高めの値段でも、
   水窪の商店街を利用して、
   水窪のカネがさらに、水窪の中で循環する仕組みを企画。
   (ただし、初めは、商店街にまったく理解してもらえなかった)
 
   また、本来、葬儀屋の利益率は4割程度のところ、
   水窪葬祭では、水窪の地域のためのビジネスということで、
   利益率を1割に。

   そして、この立上げは、水窪住民に理解され、
   1年を経つ頃には、農協は、葬儀部門を撤退することになり、
   水窪葬祭は、水窪における葬儀等の100%のシェアを
   おさえることとなったのである。
   (水窪葬祭の貸借対照表や損益計算書を裏づけとして)

   ・・・ここには、10何年、水窪を離れ、そして、水窪に戻ってきたとき、
   あまりの衰退の状況に、
   「このまま出て行くか」、それとも、「やれるだけのことやるか」の選択で、
   後者を選んだ男の思いがあった。

 ・水窪NPOの立上げ
   そして、水窪葬祭の財務的な発展、安定から。
   このような地域におけるビジネスの立上げをサポートするために、
   水窪NPO「街づくりネットワーク」が立ち上がることに。

   このNPOは、地域外との交流の受け皿の意味も。

   ・・・NPO理事長の言葉。「たしかに、水窪地域で、100人を雇用する
   ような企業の立上げは難しいかもしれません。しかし、水窪葬祭のように
   小規模であっても、住民に対するサービスとして受け入れられるものは
   あるわけです。ですので、10人を雇用する規模の企業としても、
   そのような企業の数を増やしていきたいのです」とのこと。

 ・そして・・・
  水窪葬祭に関する問題抽出ディスカッションとなりました。
  「現在、水窪葬祭は、財務的には成功と呼べる状態となりました。
  しかし、経営的、運営的には、どうしても人手、安定的な、責任を持ってくれる
  人手が足りません。
  また、葬儀以外のサービスや、水窪葬祭のさらなる展開も必要と
  考えます。
  良い、具体的なアイデアはないでしょうか?」

  (補足)
   雇用を生み出しているが、
   パートについても、安定感に足りないときが
   人手不足。とくに、経営者というか、現場責任者において
   新規事業のアイデアはあるが、体は一つなんですよねぇ

   平成16年決算。6000万円〜7000万円の売上を予想
   ただし、これがピーク。また、あと20年はこの数値を維持できそう

  (ブレスト)
   サービスのゆりかご化
    誕生から死亡まで
   介護サービスなど、高齢者をサービスの対象とするものの拡充
   商店街とのパートナー関係をさらに深められるようなもの
   フランチャイズ展開
   大学生のインターンシップ。8月、新盆の時期とか?
   地域でお金を循環させる仕組みとの兼ね合いが必要
    外部からの雇用だと趣旨に反するか?
   葬儀に関する組織化はできないか。地元での。葬儀団など
    ・・・なお、地元の組合があるが、こちらも人数減少から
    衰退が現状
   人を外に出すけど、外から戻ってこられる仕組みを作る
   インセンティブ次第(カネ。そして、それ以上のもの)
   業務内容の掘り出しと、細分化が必要
   適正人数は?
   バイト。地元の学生(高校生)などはどうか
   広く人材を育てる仕組み
   撤退した工場の従業員は、雇用できないか?


※ 今回まとめとして、次回7/3は、問題解決編を行います。
  (水窪葬祭の価値最大化のためのアウトプットを目標)
  

  「38thミーティングに関する報告書」(2004.7.3)

「成功する! 地域活性ビジネス2 〜問題解決編〜」

2004年7月3日(土) 13:30〜17:30
東京・お茶の水 
参加者17名 経営コンサルタント、リース会社勤務、大学教員、
         大学生、経済評論家、人材採用コンサルタント、
         IT関連、会社代表、ミニFM局パーソナリティ、
         ビジネス作家、行政書士、司法書士、他

発言者 茂木正光さん(戦略研・地域活性プロジェクト)

趣旨 静岡県水窪町の地域活性ビジネスの成功事例「水窪葬祭」
    につき発言の後、参加者全員参加にてディスカッションを行い、
    水窪葬祭のさらなる発展のためのアウトプットを目指す。

概要 1) 会の説明
    2) 発言者あいさつ
    3) 参加者による近況報告
    4) 発言「成功する! 地域活性ビジネス」
    5) グループディスカッション・発表・講評

内容  
1) 会の説明
 ・ 会の立上げから現在までの沿革について説明。
2) 発言者あいさつ
 ・ 問題解決に向けてのメソッドを説明。
3) 参加者による近況報告
 ・ 自動車業界でのコンサル仕事が最近多い
 ・ 印税の実態
 ・ 展示会への出展の意気込み
 ・ 7月後半、水窪まちおこしプランの発表を準備中
   →グリーンツーリズムとネットワーク ex.石川県の棚田
 ・ 食糧安全保障につき。食糧自給率日本は約40%
   →備蓄、輸入多元化
   →危機管理マニュアルが必要
   →(食糧危機においては)石油も止まる →耕作機械も止まる
 ・ ラジオ制作。当初の単に楽しいから
   →模索 →学生、会ってみたい、わくわくする
   →そして、テーマを農業へ →そこで、日本の農業の現状に気付く
 ・ ブラジルのコーヒー農家のお話し
   →文盲 →劇農薬の表示を読めず →死亡事故へ
 ・ 雑誌プレイボーイの担当しています
 ・ 車椅子バスケ
   →第3回全国大会を開催
   →7/20、ラップ、レゲエとコラボレーションライブに出演
 ・ 仕事、落ち着いたらまずい
   →埋没していく →マクロ視点のためのスキル
 ・ リース。半導体設備、ジャンボジェット機、印刷機械なども扱う
   →IT管理サービス(資産管理)
 ・ 個人情報
   →内部から漏れる →PCの位置把握の必要
 ・ 商品の位置づけを検討
   →(逆転の発想)使い捨てフィルム ⇒販路拡大
   →カップめん →(欧米では)麺が入ったスープとして ⇒販路拡大
 ・ 米大使館員とメール交換
   →911後の日本 →アメリカと未だに古めかしい関係
   →言うときは言う ⇒(これが)信頼感へと
 ・ 食糧安保
   →ex大豆、ブラジルとかにリスクヘッジ(三角貿易)
   →ハイブリッド作物なども。2回目以降、種ができにくい
 ・ 地域おこしに広告のノウハウを役立てたい
   →地域活性プランニング →景色をコンテンツ
 ・ 水窪HPより。建築確認不要の地域がある?
   →空き家たくさんある。活用できないのか →地元の衆は貸さない
 ・ 品質技術
   →古いシステムをどう扱うか(2007年問題)
   →自治体の合併にて、新規へ
 ・ 司法書士。離島(小笠原)の法律相談
   →過疎地域の別視点を求めに
 ・ 農政レポ拝見。農水省による机上の空論?
 ・ 採用、教育
   →モチベーションがまずありき。ex味の素
   →握手だけで2割生産性UPした企業の話し
   →商品の再位置づけの必要性。湯葉おでんで成功した居酒屋の話し
   →価格210円 →メニューの中のおでんのコーナーに入れていた
   →まわりが安すぎて、お客が注文してくれない 
   →社員はあきらめていたが 
   →メニューの中の他の価格の高いコーナーに入れたら売れた

4)発言
「成功する! コミュニティビジネス2 〜問題解決編〜」
の資料を配布
また、
・水窪葬祭社長からの問題提起ペーパー
・水窪葬祭資料。企業理念。平成15年、16年決算の貸借対照表等。
 水窪葬祭の発注票(明細書)や、手順表、役割分担表
なども。

茂木が、NPO法人危機研にて関わっております、
板橋区基本構想ワークショップのお話し。
東京の板橋も「地域」というところから。

0) 前回ミーティングのおさらい
・ 地域活性の定義や、水窪の現状につき
・ メンバーからの前回ミーティングの感想も紹介
  水窪の状況は前回の戦略研でだいぶイメージがつかめましたが、
  「地域活性」の目指すところが難しいですね。
  「葬祭事業」はひとつの成功事例でしょうが、中長期的にみれば
  人口減少や町の衰退を延命こそすれ、根本的な解決ではない
  ような気がするし。。。
  いやいやこんなネガティブなことをいってちゃいけませんね。一つ
  一つの小さな成功の積み重ねが、前進のエネルギーになる
  のでしょうから。
・ 水窪資料から
  3億円?かけて高根城を作るも、来訪者は年間300人以下?
  急斜面に無農薬の茶畑あり
  喫茶店なし(食堂でコーヒー)
  門桁地域へは1000メートル以上ある山を越えていかなくてはならない
  北は南信濃(三方が原の戦いの時の武田信玄の進路)
  西浦(にしうれ)田楽、2月8日には出て行った人も戻ってきて踊るらしい
  カモシカ体験館。となりにカモシカ歩いているのに山の向こうの
   カモシカを観察
  野鳥の森。野鳥が人間を観察するようなところ
  小和田駅。秘境駅ランキング全国ナンバー2。
   前町長が公園を数千円かけて作ったが、
   現町長は維持管理費カットのため放置(マニアしか来ない)。
   秋に行くとマムシだらけ
  「山がせまる 谷がちぢまって まっさお」と、種田山頭火も水窪を詠む

  65歳以上が40〜50%の割合
  産業も衰退。とくに林業落ち込む。近隣の浜北市では、
   杉よりも大根のほうが高い
  100人単位の工場が2つほどが閉鎖・縮小へ
  中山間地域。国道あるが夏には毎年崖崩れ。そのときには、
   旧道を使用するが、地元の衆も細くていやだと。

  学生の水窪まちおこしプラン。付加価値をつけていく方法があるのでは
   ないか。
  たとえば、行くのも大変だが、出るのも大変というのは町にとりメリット

  若い人は浜松へ行くが、年配の人が2時間かけて買い物へは
   行くのはたいへん。年配の人がいるから地域の経済が成り立っている

  水窪の現状は日本の将来の姿なのかもしれない
   水窪を20年後30年後の日本のための実験に使ってみたい
  一つ一つの小さな積み重ねが大切
  市町村合併。来年7月?、環浜名湖12市町村が一つになる
   このため、危機感を感じている水窪の衆が増えた

2) 水窪葬祭の沿革と現状
  水窪葬祭の資料より
  理念。水窪商店街の商品を水窪葬祭として吸い上げることはできないか?
  できれば、水窪杉で、ゆりかごから棺おけまでを作れないか?
  天竜市には葬儀会社あるが車で1時間かかる。だったら、
  水窪の町の中で回せるのではないか?

  協賛店の募集
  50〜60店ほどある商店街の3分の1ほどが協賛店として参加
  当初の募集は、かなりの苦労

  近隣の葬儀会社への研修。周りに聞きながら勉強しつつ

  2年ほどで黒字になってしまった
  法人事業税などで、町に貢献しているのでは

  そして、現在のジレンマ
  年間通していつ仕事が入るのかわからないため、固定で従業員を多く雇う
  ということはできない。平澤さんは文房具屋や議員を兼ね、
  奥さんは赤ちゃんの面倒、高木さんは時計屋を兼ねる。
  また、保護者参観などあるとパートのお母さん連中はだれも手伝うことが
  できなくなる。

  また、葬儀料金が安い。
  トータルで100万円もかからずに商売をしている。

  財務状況は非常に良い。ただし、従業員を増やすと、売上げが減ったとき
  に困る。
  とすると、むしろパートを増やしたほうがいいのではないか?

  関連事業の開拓として。
  学習塾は無いようだ。また、介護サービスも検討できないだろうか? 
  あるいは、葬祭事業のフランチャイズ展開(中山間地域に限るが)

  今回の地域活性の重要な点。水窪地域内でのお金の循環の仕組みの
  一つはできた。さらには、いかに外部からお金を入れる仕組みを作るか
  ということ。

2) 水窪葬祭ブレインストーミング(まずは、どんどん思いつくまま)
・ みさくぼ町のボランティア団体。ネットで検索、いっぱいある
・ 葬儀の引物 →値引き交渉は、×か?
・ 商店街の協賛店への努力要請は?
・ 協賛店より人的支援は? exヤマダ電機
・ 協賛店の仕入れ先に交渉はできないか? 年間数値から
・ 学習塾のニーズは? 大学生に夏期講習を任せられないか?
  →ネットの活用は?
  →ネット、誰が使えるか? 水窪の衆の10%?
・ 水窪にて働ける人はどのぐらいいるか? 属性は?
  →男性パートの活用は?(リストラやリタイアなど)
・  葬祭だけでなく、冠婚への進出
・  葬式マナーの教育
・  葬儀後のビジネスは? 霊園、墓石、仏壇など
・  周辺ビジネスと経営課題に議論は分けるべきでは?
・  人の確保。UIJターン組など
  →給料。一人分くらいは余裕出せないか
・  水窪に住みたいと思わせる工夫を
・  結局、お金がインセンティブ

3) 水窪葬祭グループディスカッション(周辺ビジネスと経営課題につき)

―周辺ビジネス拡大班―
1.労働力は、どこにあるか?
  (1)現在の居住者
  (2)新規居住者
  (3)都市居住者
UIJターン者を引き込むことはとても困難なので、
現実的には(1)と(3)になる。
しかし(3)都市居住者には、消費者になってもらわなければなら
ない。

2.葬祭の周辺とは?
  (1)仏壇、墓、ひつぎなどの木材加工業
  (2)その仲介業
  (3)墓参り代替業

水窪の杉で、1人1本、自分のひつぎ用の杉を育てる。

現在、モダンな仏壇が流行っている。
その仏壇はオーストラリアで加工・生産されている。
このような仏壇ブランドを水窪でつくれないか。

都市部の墓地不足のため、マンション式の墓地がある。
このような墓に満足しない人向けに、
「古風な墓」のブランドをつくる。
山を開き、水窪を墓地にする。

はたして、仏壇、墓に需要があるのか?
仏壇は、それほど頻繁に買い替えるものではない。
地方によって、「先祖代々の墓」を持つところと、
「1人で複数の墓」を持つところがある。
水窪はどちらか?

子孫に代わり、墓の管理、墓参りをおこなう、
「永代供養代替サービス」はどうか。
なぜなら、墓の管理が問題になっているからだ。
たとえば、33回忌などはきちんとおこなわれているのか。

3.そもそも水窪には、どのような資源があるのか?
  (1)ひと
  (2)もの
  (3)土地

しかし、人的資源が少なく、土地は荒れた森林しかない。

そこで、水窪にヤギ・ファームをつくってはどうか。
山の管理は防災、治水のために必ずしなければならないことである。
が、
林業の衰退のために、現在できていない。

ヤギは草や、木の表皮まで食べる。人手・手間がかからず森林を
維持できる。
人は最小限のヤギの管理だけをする。

また、森林管理だけではなく、ヤギが商品を産み出す。
ヤギの肉は沖縄では食用にされる。
ミルクは牛乳アレルギーの人でもアレルギー反応がでにくい。

日本の森林維持のためのヤギ・リースはどうか。
水窪でヤギの繁殖をし、全国の中山間地域へリースする。

問題点としては、水窪には、ヤギと生息域が近いカモシカが存在する。
その解決のために、ヤギの管理をICチップなどで厳格におこなう。
もしくは、牧羊犬を飼う。

ヤギ・ファームには、「ひと」、「コスト」、「時間」が
どれだけかかるか、不確定な部分が多い。
ここが課題になる。


―水窪葬祭の経営課題解決を考える―
1.議題
 水窪での地域活性ビジネスの成功事例とされる「水窪葬祭」
 この企業のさらなる発展のため、「周辺ビジネス拡大」と「経営課題解決」
 の2つの内容につき、各々グループに分かれて、我がグループでは後者を
 テーマに「水窪葬祭が現在抱える経営課題の解決案」を検討した。

2.参考資料
 ・茂木さんレジュメ、・葬儀会社立ち上げにかんする資料、
 ・平澤社長が挙げる問題点

3.水窪葬祭の経営課題は何か?
(1)第一に、人材不足
 ・役員、社員で専業が一人もいない
 ・社長の右腕である奥さんが育児で仕事ができなくなった。
 ・葬儀のイベントに応じてパート10人を適宜召集
  (よく働くが、全員子持ち主婦で時間的ムリがいえない)
 ・PCを使えるひとが町にすくない。(町民の1割)

  ゆえに、社長みずから顧客との商談、仕入手配、パートへの作業指示、
  など多くの実働をこなしパンク状態となっており、周辺ビジネス拡大
  など新しいビジネスにチャレンジできる時間的余裕もなくなっている。

(2)第二に、低報酬で雇用確保が困難
 ・葬儀料金が安い地域 → 価格引き上げが難しいものと想定
 ・地域活性が利益率を低下させ足かせに
  (粗利率35%・・・葬儀会社一般:50%)
(売上・利益に貢献する引物の仕入率が9割と高い。
   すなわちマージンが1割と低い・・・葬儀会社一般:4割を確保)

  ゆえに、正社員が雇えない。幹部候補・後継者が育成できない。

4.経営課題解決の方向
(1)人材不足
 ・チェックリストを加工して業務内容を細分化・グループ化し、
  各業務の作業工程の標準化(マニュアル化)を図る。
  → 現状では、商談・仕入・現場監督・パートへの作業指示など
    多くの業務を社長みずから行っている部分が多いと思われる。
    業務を小分けしてマニュアル化することで、他人にまかせられる
    業務領域の拡大・当該業務に求められる人材像の把握に役立てる。

 ・主婦パートの代替要員
  → 飾りつけ・力仕事・案内など、軽作業に関して地元高校生のバイト
    要員を臨時召集できる体制を整える。

 ・「葬具貸出及びサービス明細書」を拝見して、明朗会計なのはよいが
  オーダーメイド部分が多すぎ。サービスレベル・葬儀規模に応じたいくつか
  のパッケージ商品を用意し、オプション部分のみオーダーメイドとする。
  → 対顧客との商談時間を短縮する。

 ・地元で働きたい青年、隣町の有志などから幹部候補生を募集する。
→ 後継者を育成して、社長の手離れをよくする。

 ・PC活用スキルの高い町民の育成
  → 地元のインストラクター候補に、PC活用スキルの高い都会の
    大学生が指導。(最初は実地、以降は電子メールでヘルプデスク)
    地元でPCインストラクターを育て、パソコン教室をひらき、PC
    スキルの高い町民を増やす。

(2)低報酬で雇用確保が困難
 ・地元活性と雇用確保のための高報酬の両立
  → 雇用確保のため報酬アップすることを目的に、地元の仕入業者に
    値引を強いるのは「地元活性」の目的が本末転倒になることもある。
    一方、消費者に目を転じると町民は山林持ちだったりしてまずしい
    イメージもない。高付加価値メニューもそろえて、正社員・幹部候補生
    を雇えるほどの収益性は確保できないか?最終利益で収支トントン
    くらいになれば、企業理念にも抵触しないと思われる。
      
 ・葬儀は人生の一大イベント、高付加価値を求める潜在ニーズもあるはず
  → 一般的には田舎ほど世間体を気にする傾向があり、はずかしくない
    だけの葬儀は行いたいとおもっているはず。心にのこるサービスや
    付加価値の高いメニューもそろえ、高額商品については、仕入率を
    抑えるなどマージンを確保できるようにする。(安いだけが、消費者を
    満足させる理由ではない)
     消費者心理では中くらいのサービスを選択する傾向がある。売りたい
    商品の販売価格帯を中くらいに設置し、売れない覚悟の高額商品を
    最上位にすえたプライスラインのメニューをそろえる。

(3)その他
 ・企業イメージアップ(社名・役職名変更)
  →社名をメモリアルサービス水窪に変更、先進的な企業イメージに一新。
   従業員・パートをメモリアルサービススタッフと呼び、葬儀屋さんの
   お仕事という負のイメージを払拭。誇り高いサービス業であるという
   意識づけを行うと同時に、イメージで就職希望者も呼びやすくする。

 ・山間・過疎地域の成功モデルとしてFC本部化
  → 水窪町に研修センターをつくり、MS水窪をFC本部として、水窪
    発でフランチャイズオーナーを輩出する。(夢はおおきく!)

  「39thミーティングに関する報告書」(2004.9.4)

戦略研39thミーティング レポート
「考える! マネーリテラシー」

2004年9月4日(土) 13:30〜18:00
東京・新宿 
参加者9名  財務コンサルタント、大学生、税理士、ビジネス作家、経済評論家、
         システムコンサルタント、金融系コンサルタント、IT関連、
         行政書士、司法書士他

概要 1) 会の説明
    2) 発言者あいさつ
    3)  参加者による近況報告
    4)  発言「考える! マネーリテラシー」

内容  
1) 会の説明
・ 会の立上げから現在までの沿革、またNPO法人など現在の
 各プロジェクトについて、説明

2) 発言者あいさつ
・ 年金に関して書籍(2冊目)をまもなく発行予定

3)  参加者による近況報告
・ パソコンを1日3時間は使うように、時間管理
・ 遠隔地バックアップにつき。お客様の想定につき質問あり
・ 農業に関心あり。大学院にて、企業経営農業を研究しようかと
・ 農地の転用につき。農地法は厳しいが、事実上転用している
 ところが多い
・ 農業は儲からない。農協だけが儲かる仕組み。ただし、農協
 の統廃合も進んでいる
・ 仙台の牛たんにつき。あまりおいしくないとの感想。これに対し、
 芯たんはいけるという意見
・ 農業ラジオが、30分から1時間へ
・ 種とかのビジネスの寡占化が進む。大規模投資が必要なため
・ トヨタ自動車がさつまいもの生産を。生分解性プラスチックの開発
 に使っている
・ 学生。考えている人と考えていない人の落差が激しい。地方と東京
 でも差が
・ 郵政改革。民営化に疑問。業務でなく、財政投融資の改革が主題では
・ システムコンサルタントをしていますが、システムは嫌い。PCに
 合わせて人が動くから。また、作り手の論理でシステムが作られるから
・ 2008年北海道への移住計画あり
・ 会社の発掘を行っている。未公開株につき

4) 発言「考える! マネーリテラシー」
配布資料「新円切替と預金封鎖の可能性」
● まずは、配布資料に沿って。預金封鎖について
・ 預金封鎖は起こるのか
 11月の新紙幣発行時については、日銀総裁が公式見解で否定。
 可能性低い
 また、紙幣の鑑別機メーカーの動き弱く、日銀への紙幣の還流も
 少なく、なにより景気が回復したことなどからも
・ 個人金融資産の把握
 しかし、預金封鎖の準備のため、個人金融資産の把握が着々と
 進んでいる
 住基ネットによる総資産の把握。郵便貯金は資産調査終了。
 ペイオフに備えての名寄せに金融庁のプレッシャー
・ タンス預金のあぶり出し
 金融機関が把握していないお金。タンス預金はおよそ60兆円
・ 新円探知機の導入
 外見は同じでも磁気コードを変えることで、実質新円に
 (旧円は使用不能に)
・ 預金封鎖はいつでも起こせる
 磁気コードの変更と新円探知機の導入などで、新しい紙幣を
 必要としない預金封鎖・新円切替が可能
 そして、新円への強制切替の際に、財産税を徴収
 (ただし、国会の議決が必要)
・ ディスカッション
 財産税の徴収 → 国債償還。財政赤字の補填に当てる。現預金が
 対象となる
 預金封鎖 → 財産税の徴収のため、財産の確定の必要がある
 税法 → 現行の税法の解釈では無理。有事立法などで「罠」を
 しかけてくる可能性はある
 国債の永久債化はできないか? 国債価格の暴落の可能性
 日本の将来像を描けていないことのほうが問題ではないか?
 金持ちは、海外資産を持つことで、リスクヘッジをすでに行っている

● ついで、マネーリテラシーにつき
・ マネーリテラシー=投資の能力 
・ 投資と投機の違いにつき、ディスカッション
 どのような商品も投資と投機の両面を持つが、投資とは、経済成長に
 資するものであり、投機は、ギャンブル性が強く、非生産的なもの
・ 自分自身で財産を守る必要が生じている
 たとえば、タンス預金は、インフレや火事に弱い
・ 投資については、情報の収集・把握が必要。ここから、合理的活動を行う
 すなわち、マネーリテラシーとは、金融情報を把握する能力
 (金融リテラシー。金融知力)
 努力しないと身につかない。学校で教えてくれないから
・ 金融情報の判断に必要なもの。経験。情報量。対象。興味
 ただし、体系的になっていない。FPにしても、お客様の相談に
 乗るためのスキル
・ また、収入構造の変化からもマネーリテラシーの必要性がわかる
 従来は、会社への貢献度に対して、若いころは賃金を抑制され、
 年を経ることによって賃金が上昇していた。終身雇用・年功序列
 しかし、現在、賃金につき実力主義が浸透しつつある。このため、
 自力で、高齢になったときのために資産・財産の移転が必要になっている

● まとめ
・ 金融についても、国任せや会社任でから、自己責任の原則が適用
 されるようになっている。すなわち、マネーリテラシーを習得していく
 必要がある。しかし、国は金融についての教育や知識の普及を
 行っていない。これは、国の責任の放棄であり、まやかしである。

  「40thミーティングに関する報告書」(2004.10.2)

戦略研40thミーティング レポート
『楽しく学んでためになる情報セキュリティ講座』
と、プチ『リースのお仕事』

2004年10月2日(土) 13:30〜17:00
東京・新宿 
参加者11名 経営コンサルタント、公認会計士、SE、大学生、
       会社員、作家、ミニFM局パーソナリティ、
       行政書士、司法書士、他

発言者 渡辺雅博さん(リース会社勤務)

趣旨 楽しく学んでためになる題材を考えます。
   マーケティングやセリングのスキルアップ研修に使ったような題材
   をアレンジし、学生さんからかなり昔に学生さんだった方まで
   含め、楽しんでいただける内容を狙ってみたい。

概要 1) 会の説明
   2) 発言者あいさつ
   3) 参加者による近況報告
   4) プチ『リースのお仕事』
   5) 発言『楽しく学んでためになる情報セキュリティ講座』

内容  
1) 会の説明
 ・ 会の立上げから現在までの沿革について、説明。

2) 発言者あいさつ

3) 参加者による近況報告
 ・ お客様は「殿様」です。
 ・ 生保営業のターゲット変更。若い人は「キリギリス化」なので、年配へ照準。
 ・ 食育をラジオの素材に。食育コンテスト。小学生がお弁当作りが優勝。
 ・ 元日銀マンシリーズを。しかし、印税生活は難しい。
 ・ 外資系の生保。入りやすいかもしれないけど、実は支払いしてくれない可能性。
 ・ 包丁のない家がある。野菜キライな母は、野菜料理を作らず。
   給食デビューにて、料理の種類を知る子がいる。たとえば、「ひじき」。
 ・ 中国のITソリューション事業を開始。
 ・ 個人情報漏洩。外部アクセスでなく、社内の「人」による流出がほとんど。
 ・ 千代田区のインキュベーションを、千代田区より委託(賃借)を受けて運営(民活)。

4) プチ『リースのお仕事』
 ・ リースの目的「事業用」。
 ・ 利用期間「2〜10年」。
 ・ 物件「あらゆる設備」。
 ・ リースの種類「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」
   前者、中途解約不可。
   フルペイアウト(購入代金、固定資産税、保険料、利息、手数料)
   後者、再利用可。残価値の把握。
 ・ 物件の調達方法の一つとして(自己資金、銀行借入以外)。
 ・ 物件管理の代行も行う。
 ・ 物件の処分(廃棄)が楽。
 
 ・・・このあと、リース物件の移動、リースの際の与信、リース物件にできるものと
    できないものにつきディスカッションを行いました。

5) 発言『楽しく学んでためになる情報セキュリティ講座』
『総務省 国民のための情報セキュリティサイト』
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/map.htm
などの資料を配布

(前ふり)
あなたはとある中小企業の経営企画部門の中堅社員、最近企業の情報漏
えいとかが問題になっているが、一応わが社のシステム部門もファイア
ウォールとかいう、コンピュータネットワーク上の情報セキュリティ対
策は行っているらしい?
しかしながら、いかんせんわが社で働く一般社員たちの「情報セキュリ
ティ」に対する意識は自分もふくめて薄いというか考えたことがない。
そんなある日、社長から「情報セキュリティは全社で取り組むべき問題
だ」ということで、一般社員教育用に「情報セキュリティに関する社内
ルール」を策定するよう指示をうけた。さて、困ったぞ。いったい何を
どうすればよいのだ?

というわけで、情報セキュリティに対する被害事例や被害極小化に対す
るお勉強をして、みんなで「情報セキュリティに関する社内ルール」を
作ってみたいと思います。

1. 社員・職員全般のための情報セキュリティ対策
   ・ 安全なパスワード管理
   ・ ウイルスからの防御
   ・ ソフトウェアの情報セキュリティ対策
   ・ バックアップ
   ・ ソーシャルエンジニアリングの対策
                           
2. コンピューター・ネットワーク利用における情報セキュリティの
   一般知識確認テスト

・・・実際に20項目についてのテストにつき、参加者全員にて
   行いました。みなさん高得点だったのですが、一部、
   建前(知識)と本音(現実)は違う、つまり、実際では、
   情報セキュリティをイチイチ細かく守っていると業務にならない
   との意見も出ました。

  「41ndミーティングに関する報告書」(2004.12.4)

戦略研41stミーティング レポート
「経営戦略実現に向けた情報戦略 〜戦略的IT活用の考え方〜」

2004年12月4日(土) 14:00〜18:00
東京・竹橋 
参加者20名  経営戦略コンサルタント、財務コンサルタント、大学生、作家、
        経済評論家、システムコンサルタント、会社代表、会社員、
        IT関連、人材採用コンサルタント、公認会計士、
        ラジオパーソナリティ、行政書士、司法書士他

発言者 重冨剛志さん(経営戦略コンサルタント)

趣旨 今日の企業活動において欠くことのできない要素として、
   情報活用の高度化があげられて久しいですが、企業価値向上に
   貢献する情報化投資の検討の重要なテーマとして、「情報化投資の
   経営戦略との関連」「投資効果の明確化」という2つを取り上げて
   発言およびディスカッションしたい、と思っております。

概要 1) 会の説明
   2) 発言者あいさつ
   3) 参加者による近況報告
   4) 発言「経営戦略実現に向けた情報戦略 〜戦略的IT活用の考え方〜」

内容  
1) 会の説明
・ 会の立上げから現在までの沿革、またNPO法人など現在の
  各プロジェクトについて、説明

2) 発言者あいさつ

3) 参加者による近況報告
・ 情報セキュリティ、社内厳しくなっています。
・ 地方自治体改革。市長選にて公務員200人削減を公約としたところ、
  大勝。三位一体改革、中央と地元の温度差。地元でも財政破綻団体への
  危機感あり。
・ データバックアップシステムにつき、地元大手とのOEM契約締結、
  間近。販路確保。
・ 日経ビジネスの「採用満足度調査」。就職後の1位は、巣鴨信用金庫。
  採用時の対応も、お客様への対応と同一。
・ 大学生農業ユニットの展開のため、大学1年生、2年生を捕まえている。
・ 農業への株式会社参入を大学院にて研究予定。
・ コピー機故障の現場をコールセンターにて体験。マーケティングに活かせる。
・ いまどき女性の名刺を持たせない企業に驚く。女性社員のモチベーション
  下がるのでは? なお、反論として、ストーカー対策など女性を守る
  という意味もあるのではないかという意見も。

4) 発言「経営戦略実現に向けた情報戦略 〜戦略的IT活用の考え方〜」 
配布資料発言「経営戦略実現に向けた情報戦略 〜戦略的IT活用の考え方〜」

概要
1.企業経営における情報活用の変遷
2.経営戦略における情報戦略の関連
3.情報戦略の実現に向けたマネジメント
4.情報化投資の効果評価の考え方
5.ケーススタディ

1.企業経営における情報活用の変遷
  単純作業の機械化から始まった情報システムは、インターネットをはじめとした
  技術革新によって効果的な情報活用が可能となり、企業が市場環境の中で競争優位を
  確立するためには不可欠な要素となっている。

2.経営戦略における情報戦略の関連
  情報戦略は他の戦略(販売、R&D、組織等)と同様に経営戦略の一部と
  位置付けられます。経営戦略の実現に向け、戦略間の整合性はもちろん
  ITが企業活動の基盤のひとつとして企業の中で統合・融合して機能
  する必要がある。
  IT外部環境につき、セキュリティ等の社会的要請と利便性とのバランスを
  とる必要がある。
  なにより、情報戦略のPDCAサイクルの確立が必要となる。

3.情報戦略の実現に向けたマネジメント
  情報システム部門が抱える様々な問題に、網羅的かつ全体最適の観点から
  対応策を検討するために、企業における戦略的検討(情報戦略の策定)が
  重要となる。
  これからの情報活用検討のあり方として、経営に貢献する情報活用を
  実現するためには、経営戦略を踏まえた情報戦略の策定、現場における
  業務改革意識の向上、情報サービスの提供の効率化が、それぞれ有機的に
  機能する必要があります。

4.情報化投資の効果評価の考え方
  最近は新しいビジネスモデルの実現や波及効果の広い投資など、商品力、
  営業力、IT力がそれぞれ密接に関連して成果につながるケースが多い
  ため、IT投資だけで効果を測定することが困難になっている。
  コストの特性に応じた効果評価の考え方を確立する必要がある。
   「新規IT投資」・・・収益向上、業務対応、順法・社会対応
   「定常的IT費用」・・・維持費用
  情報化投資の効果は、金銭的に換算しやすい財務的な効果(仕入れ、
  販管費の削減)と、他の要因との因果関係が複雑で財務的な効果の
  算出が困難な非財務的効果(成果の増大・向上、スピード・タイ
  ミングの改善、人材育成の改善)の2つに分類される。
  
・・・ここで、コストカットでなく、売上げの向上につながるIT活用は、
   あまり定型化されていないなどのディスカッションを行いました。

5.ケーススタディ
  「A社の新製品の売上げが伸びている影響で、当社の売上げが伸び
  悩んでいる」「B社は、セミオーダーメイドのカスタム製品を短納期で
  納品することで、売上げおよび顧客満足度の向上を実現している」
  以上の状況から、企業の情報システム部門長として情報戦略の方向性
  を提言、とのケーススタディを実施。

  ●調べる。自社他社。
   ・データベース化。→どんな情報が必要か。
   ・顧客情報。競争者。物流内部情報。価格、数量、機能、デザインの差。
   ・収集の仕組みは?
  ●分析する。
   ・多面的に。切り口。
  ●作る。売る。
   ・売れ筋のパターンを抽出。パーツ、色、デザイン、ニーズの分類、数量。
   ・仕入先の選定。
   ・部品の共通化。
   ・在庫管理。
   ・ニーズのキャッチと誘導。
   ・SCM。