行動記録

 

4月29日 成田18:20−バンクーバー10:55〜14:00−カルガリー16:30

4月30日 カルガリー09:00−バンフ11:00〜14:30−レイクルイーズ15:30

 

入山

5月1日(晴れ)レイクルイーズ07:00−アイスフィールドセンター09:15〜10:00−アサバスカ氷河末端1,980m 10:30〜11:00−アサバスカ氷河の標高2,260m 12:15〜12:45−アサバスカ氷河末端13:00−アイスフィールドセンター13:30〜14:00−ビッグベンド14:15〜14:45−ノースサスカチュワン川南岸の樹林帯の西端1,750m 17:00

 アイスフィールドセンターから冬季閉鎖中の道路をサンワプタ湖まで1km歩き、さらに遊歩道を0.3km進むと、アサバスカ氷河末端に着く。ロープをつけ、スキーを履いて氷河を登る。

 3km歩いて雪上車観光ツアーの終点と同じ標高(2,260m)に達したとき、前方でセラックの崩落が起きた。アサバスカ氷河のアイスフォール(2,300〜2,600m)の下部は右端(北西岸)しか通れないので、危険な岩壁の下を1kmに渡って登り続けなければならないが、ちょうどその部分へ岩壁の上からセラックが落ちてきたのである。崩落の規模は大きく、巻き上がった雪煙は幅1kmの氷河の中央部まで届いている。10分ほど間をおいて、2度目の崩落が起きた。これほど頻繁にセラックが落ちてくる日に、アサバスカ氷河を登るわけにはいかない。一旦下山し、サスカチュワン氷河経由で入山することにした。

 車でアイスフィールドセンターからビッグベンドへ移動。駐車場のそばのノースサスカチュワン川を飛び石伝いに南岸へ渡る。カナダを横切ってハドソン湾から大西洋へ流れ下る大河も、ここでは3mの幅しかない。渡渉できない場合には、0.8km下流の橋を渡ることになる。スキーを履いて、樹林に覆われた尾根へ登る山道に入り、標高1,750mの峠を越える。再びノースサスカチュワン川の河原に下りたら上流へ1km進み、南岸の樹林帯の西端で幕営する。

 

サスカチュワン氷河の登高

5月2日(晴れ)ノースサスカチュワン川南岸の樹林帯の西端06:00−サスカチュワン氷河末端1,860m 08:30〜09:00−ベースキャンプ14:15

 幕営地からノースサスカチュワン川の南岸を上流へ向かう。積雪はほとんど無く、スキーは担ぐことになる。幕営地から2km進むと、サスカチュワン氷河末端の湖に着く。南岸は急斜面になっていて通過できないので、北岸に移って湖を越える。サスカチュワン氷河に取り付き、ロープをつけてスキーを履く。幅1km、長さ8kmのなだらかな氷河を延々と登れば、コロンビア氷原の入口である。

 計画では、ここから6km西、コロンビア山頂(3,747m)から7km東の所をベースキャンプにして、コロンビアの登頂を第1目標にするはずだった。しかし、今日はすでに8時間も重荷を担いで行動しており、ベースキャンプまでさらに3時間歩き続ければ、疲れがたまって明日コロンビア山頂へ登るのは難しくなるかもしれない。登頂に使える日は2日間しか残っていないし、明日以降は過去2日間より天気が悪くなるという予報も出ていた。そこで、予定を変えてコロンビア氷原の入口をベースキャンプにし、近くのスノードームやキャッスルガードの登頂を目指すことにした。

 

キャッスルガード滑降

5月3日(曇りときどき雪と霧。夕方一時晴れ。1日で雪が10cm積もる。)ベースキャンプ16:10−キャッスルガード20:10〜20:30−ベースキャンプ21:00

 雪が降って視界も悪いためベースキャンプで待機していたが、夕方になると晴れ間も出てきたので16時10分にキャッスルガードのアタックに出かける。22時までは明るいので、山頂を往復して来る時間は十分に残っている。

 ベースキャンプの南の斜面を登ると、標高2,800m付近の台地に出る。白い砂丘のようなキャッスルガード北面へ向かって進み、その東側へ回り込む。北東面の谷に入り、ベルグシュルンドに掛かったスノーブリッジを越えて岩壁の下の平坦地(2,930m)まで登る。左手の傾斜35度の斜面を上がると、東稜の標高2,990mに出る。稜線を西に進めば山頂である。南西の方には、キャッスルガード氷河を挟んでブライス(3,507m)が聳えている。コロンビア山頂は、雲がかかり、西日もまぶしいため良く見えない。

 山頂の少し下から滑って引き返す。北東面の沢の中は30cmくらい新雪が積もっていて、快適なスキーができた。

 

スノードーム滑降

5月4日(晴れ。午後ときどき曇り。)ベースキャンプ10:30−スノードーム南面の取付2,930m 13:30−スノードーム15:40〜16:10−スノードーム南面の取付16:30−ベースキャンプ17:15

 10時30分にベースキャンプを出発。コロンビア氷原を北西に5km進むと、スノードーム南面の取付に着く。ここから標高差500m、直径4kmの巨大な雪のドームを登る。標高3,080mにクレバスがあるが、スノーブリッジを渡って簡単に越えることができた。15時40分にスノードーム山頂に到着。北西の方には、コロンビア氷原北部のノースツイン(3,730m)やサウスツイン(3,580m)がぼんやりと見えている。

 16時10分に滑降開始。8km先まで広がるコロンビア氷原に向かって、スノードーム南面を滑り降りる。氷原に入ると、スキーを漕がなければ進まない所もあるが、のんびりシュプールを描ける楽しい斜面も随所にある。山頂を出てから1時間でベースキャンプに帰り着いた。

 

サスカチュワン氷河の滑降

5月5日(曇りときどき晴れ。コロンビア氷原は霧。)ベースキャンプ07:00−サスカチュワン氷河末端08:00−ビッグベンド11:40〜12:00−アイスフィールドセンター12:15〜13:30−サスカチュワンリバークロッシング14:00

 テントをたたんでサスカチュワン氷河を下る。上部は雪が硬くて滑りやすかったが、氷河の末端付近はモナカ雪気味になっており、みんな結構転んだ。ノースサスカチュワン川の河原は登った時より積雪が減り、スキーを担ぐ部分が多くなった。川を渡渉する所で、これから入山するパーティと出会う。他のパーティを見るのは4日ぶりだ。

 

5月6日 サスカチュワンリバークロッシング08:00−バンフ11:00〜15:00−カルガリー17:00

5月7日 カルガリー09:00−バンクーバー09:27〜12:50−

5月8日 −成田14:35

カナダ ロッキー山脈コロンビア氷原