情報編

 

1 エクアドルの山スキー

 エクアドルでは4つの火山(チンボラソ6,310m、コトパクシ5,897m、カヤンベ5,789m、アンティサーナ5,758m)で山スキーができる。山頂から標高5,000m付近までを覆っている氷河が主な滑降対象だが、チンボラソのウィンパールートのように氷河以外にも滑れる斜面はある。これらの山では1年を通して、夜から朝のうちは晴れ、太陽が昇ると雲が沸いてくる日が多い。また、雪面は夜には凍っているが昼間は融けて緩み、雪崩や落石の危険が大きくなる。そのため、夜登って朝山頂に着き、昼前には下りてくるのが普通だ。6月〜8月と12月〜2月が天気の良い乾季だが、それ以外の季節でも登山者は多い。

 

2 装備

 チンボラソのエル・カスティーリョルートを登るときにはクレバス転落の危険があるので、共同装備としてザイル1本・予備ザイル(8mm×20m)1本・スノーバー1本・アイススクリュー2本は最低限必要である。スノーバーとアイススクリューは斜面の一番上にいるメンバーが持つのが良い。斜面の下から確保するときは、ピッケルを支点にするだけでも良さそうだ。ガイド付登山や熟練したパーティ、あるいは緩斜面や雪が柔らかい場合なら、終始ザイルをつけて同時登攀と隔時登攀を組み合わせることも可能だが、それ以外の場合には、クレバスがありそうな所だけザイルをつけて隔時登攀するのが無難だろう。

 気温は氷点下10℃くらいであり、極端に低くはない。しかし、稜線上では常に風に吹かれているので、中綿入りのマウンテンジャケットとオーバーパンツを着ていないと寒い。

 ウィンパー小屋やカレル小屋に泊まるためには、シュラフ(春山幕営用)が要る。ただし、マットは寝床に敷いてあるので持参しなくて良い。どちらの小屋でも、水は沢から引いてあり十分に使える。ガイド付登山なら小屋のコンロや鍋が使えるが、ガイド無しでもそれらが使えるかどうかは現地旅行会社に問い合わせる方が良い。食料や雑貨はリオバンバで買える。

 山スキー以外の装備は現地旅行会社で借りられる。たとえばANDISIMO社ではシュラフを2.5ドル、ピッケルを2ドルで貸している。

 高度順応活動に使うグアグア・ピチンチャでは、今回は積雪が無かったが、少し雪が積もることもあるらしい。運動靴ではなく軽登山靴で登る方が良いだろう。

 

3 ガイドブック

* チンボラソ、グアグア・ピチンチャなど高峰のガイドブック:Ecuador. A climbing guide, Yossi Brain著, The Mountaineers Books社, 2000年

* パソチョアなどの低山やトレッキングのガイドブック:Trekking in Ecuador, Robert & Daisy Kunstaetter著, The Mountaineers Books社, 2002年

 

4 旅行手配・登山ガイド

 登山ガイドなどエクアドル国内の旅行手配は、キトの旅行会社ANDISIMOに依頼した。

* ANDISIMO(英語での連絡可)

ホームページhttp://www.andisimo.com 電子メールadmin@andisimo.com

電話兼ファックス593(エクアドルの国番号)-22-508347

住所Avenida 9 de Octubre No. 479 and Roca, QUITO

 

5 費用

* 成田〜キト往復の航空運賃 21万円

* エクアドル国内の旅行手配(エクアドルの通貨は米ドルである。旅行会社の手数料20%が別途かかる。)

登山ガイド:1日65ドル(食料代・小屋代・自然保護区入場料などを含めれば1日100ドル程度になる。)

ハイヤー:リオバンバ〜カレル小屋片道60ドル、リオバンバ〜キト片道65ドル、キト〜グアグア・ピチンチャまたはパソチョアの登山口往復45ドル

ホテル・キト:1泊50ドル

ホテル・チンボラソ・インテルナシオナル(リオバンバ):1泊22ドル

 

エクアドル チンボラソ(6,310m)