情報編
1 山スキーに適した時季
カローナ周辺の山では1年中スキーができる。夏に滑れるのは、カローナの標高4,720m〜3,930m、セメノバ・ティアンシャンスコゴの標高4,760m〜4,140m、テケ・テルの山頂(4,480m)〜標高4,000mなど、氷河のうちで傾斜の急な部分である。冬になってもそれほど積雪は増えず、ベースキャンプ(3,370m)に雪が無いこともあるらしい。春にはベースキャンプで30cmくらい積雪があるので、ベースキャンプのすぐ東にあるウチテル(4,540m)の上部など氷河の無い斜面でもスキーができるそうだ。標高4,000m辺りの気温は夏には0℃、春は-10℃、冬は-20℃くらいである。
2 地図・登山ルートガイド
アラ・アルチャ山域の5万分の1地形図には次のものがある。
* Ala-Archa natural park, State cartographical and geodesical service of Kyrgyz republic発行, 1999年
地形図はビシュケクの旅行会社に頼めば入手できるが、Kyrgyz cartographic agency(Kiev 107, Bishkek)へ出かけて自分で買うこともできる。このagencyはビルの1室にあって自力で見つけるのは難しいので、ビルの近くで誰かに場所を尋ねる方がよい。キルギス全国の20万分の1地形図も販売されている。
登山ルートガイドは、次のホームページに載っている。
* Unknown grandeur of Russian mountains by Vladimir Kopylov(mountains.tos.ru/clmb.htm)
3 旅行手配・装備
ハイヤーやポーターの手配を頼むためのキルギスの旅行会社は、次のホームページで探すことができる。
* Internet resources in Kyrgyzstan(www.kg/list.html?dir=50)
今回はDostuck Trekkingにキルギス国内の旅行手配を依頼した。なお、運転手・ポーター・コックはキルギス語とロシア語以外はあまり話せないので、彼らを雇うときには、客の中にロシア語を喋れる人がいない限り通訳も合わせて雇う方が良い。キルギスでは外国人登録や登山許可取得が必要で、これらは旅行会社に代行してもらうことができる。
プリムス互換のガスカートリッジは、キルギスの旅行会社に頼めば購入できる。おそらくホワイトガソリンも手に入るだろう。食料や雑貨はビシュケクの百貨店などで買える。テントとテントマットは、今回はDostuck Trekkingから借りた。テントは外張りにポールを通すと内側に本体がぶら下がっている方式の3人用ドーム型で、収納時の寸法は4人用エスパースより1回り大きいくらいだった。3人用より大きなテントもあるが、他のパーティに使われていたようだ。テントマットは、ウレタン製の嵩張るものだった。成田〜ビシュケクの往復に使ったアエロフロート航空は、飛行機に預ける荷物が重量制限を超えたら厳しく割増料金を取ることが多いらしいので、装備計画を立てるときには注意する必要がある。今回の荷物は1人当たり往きが25kgで帰りが20kgだったが、割増料金は取られなかった。
4 主な費用
成田〜ビシュケク往復の航空運賃:1人当たり17万円
キルギス国内の下記の旅行手配:客3人分の料金を合わせて1,944ドル
登山期間7日間のコック1人・通訳1人・食料・燃料とテント・テントマットのレンタル
登山口〜ベースキャンプのポーター(往復とも4人ずつ)(ポーター1人当たり片道30ドル)
ビシュケク〜登山口往復のハイヤー
ビシュケクの空港〜ホテル往復のハイヤーと通訳
ビシュケクのホテル・エルドラド(シングル3室×3泊)(1室×1泊当たり35ドル)
外国人登録と登山許可取得の代行
アラ・アルチャ山域の5万分の1地形図3枚(1枚5ドル)
5 モスクワとビシュケクの空港の様子
成田からモスクワ経由でビシュケクへ行くときには、モスクワの空港での乗継方法が分かりにくい。成田〜モスクワ便とモスクワ〜ビシュケク便が異なるターミナルを使っており、ターミナルの間を乗客が自由に移動することができないからである。飛行機が空港に着いたら乗継カウンターに行って係員の指示に従えば良いのだが、次のような様々なことが起こると覚悟しておく必要がある。「1つしかない乗継カウンターに数十人の乗客が殺到して混乱する。」「指定された時刻に指定された別のカウンターへ行くように言われる。」「係員の誘導で、徒歩またはバスでどこかへ連れて行かれる。」「売店の無い部屋に閉じ込められて、いつまで待てば良いのか説明も無いまま30分〜1時間待たされる。待っている間にときどき係員が来て、行先別に乗客を集め移動させるので、取り残されないようにしなければならない。」「行先別に乗客リストを作るため、係員にパスポートと航空券を取り上げられる。」
また、ビシュケクの空港を出発するときには、出発ロビーから別室に入って税関検査・チェックイン・出国審査・ゲートの順に進む。一旦別室に入ると外に出るのは難しく、ゲートには両替所が無いので、別室に入る前に両替を済ませておく必要がある。