「ときめ木」を
愛情で育てて

   京都市 田中 正一
      (会社員 27歳)

 男と女が出会った日に芽生える木がある。
「ときめ木」だ。
成長とともに名をかえていく木でもある。
お互いに愛情という名の水をやることで、成長していくのだ。
どちらか少しでも水をやり忘れると、ダメになってしまう。
水をやりすぎると、根が腐って枯れてしまう。

 やがて、ときめ木は「ほん木」 (本気) になって、 
二人は結ばれる。ほん木は
二人に「おちつ木」 (落ち着き)
を与える。周りの人たちは、この木をもっと元気にしてくれる
太陽だ。そして花が咲き、赤ちゃんという実をつける。

 「うわ木 」(浮気)という雑草が生えても、愛情という名の
水と思いやりという名の肥料さえ二人で与え続けることで、
この木は決して枯れることはない。

 この木はやがて「やすら木」
(安らぎ)となり、根を広げ
木陰をつくって、二人を包んでくれるのだ。ときには、
やすら木は「やる木」
(やる気)と名を変え勇気をも
あえてくれる。

 大切な相手とのあいだには、いつも愛情と思いやりで育つ
大きな大きな木があることを忘れないで欲しい。

 きょう嫁ぐ君に、心からおめでとうを言いたい。

  

朝日新聞(97.4.27「声」
大阪本社版5面掲載)




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